『ステラーブレイド』70時間レビュー。物語や探索、すべてをプレイヤーの解釈に任せる、SHIFT UPの家庭用ゲーム処女作【Stellar Blade】

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『ステラーブレイド』70時間レビュー。物語や探索、すべてをプレイヤーの解釈に任せる、SHIFT UPの家庭用ゲーム処女作【Stellar Blade】
 キム・ヒョンテ氏のデザインによる美女が躍動している様を見ているだけで満足感があり、ストーリー、アクション、すべてが心に刺さる。それが『Stellar Blade』(以下、『ステラーブレイド』)。
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 2024年4月26日にプレイステーション5(PS5)で発売予定のアクションアドベンチャーで、SHIFT UP初めての家庭用ゲーム機への挑戦作となった。

 発売が目前に迫ったいま、ソニー・インタラクティブエンタテインメントよりひと足早く製品版のコードをいただいたので、70時間以上たっぷり遊んだキム・ヒョンテ氏ファンによるレビューをお届けする。
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イヴは髪型や髪色も変更可能

 魅力的な主人公は、その存在だけでプレイのモチベーションアップにつながる。イヴは、まさしくそれを体現しているキャラクターだ。

 体験版では多くのプレイヤーがイヴのナノスーツ(衣装)やアクセサリーなどの着せ替えを楽しんだことだと思う。製品版では、とあるミッションを攻略すると髪型の変更もできるようになり、より自分好みのイヴにできる。
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 もちろん、手に入るナノスーツなどの外見アイテムは体験版よりも遥かに多彩。清楚系、ワイルド系、セクシー系などバリエーションも豊富だ。入手経路もさまざま。メインのミッション進行中はもちろん、寄り道要素やフィールドの探索で手に入るものも少なくないので、衣装集めも本作のひとつの楽しみとなっている。
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イヴほど種類は多くはないが、仲間やドローンの外見も変更できた。

ジャストアクションを駆使する骨太バトル

 メインコンテンツであるネイティブ(敵)との戦いは熾烈を極め、節目で戦う強敵はもちろん、フィールドを徘徊している敵も全力でこちらを倒そうとしてくる。

 攻撃一辺倒ではクリアーは難しいな、ということは少し遊ぶだけで体感できるし、その部分は体験版で触れてもらうのが早い。敵の状態を気にせず強引に攻撃する手段もあるにはあるが、それらの攻撃はエネルギーや弾薬など、なんらかのリソースが必要になる。

 そこで重要になるのが回避とガード。攻撃を受ける直前に実行すると発動する“ジャストパリィ”や“ジャスト回避”こそがバトルのキモ。成功させると、強い技を使うためのエネルギーも溜まるし、専用の反撃技も強い。なにより演出が気持ちよく、アドレナリンがドバドバ。
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 アクションが苦手なプレイヤーも、“ジャストパリィ”や“ジャスト回避”のサポート機能を利用できる“ストーリーモード”という難易度が用意されているのでご安心を。この記事を書くにあたり“ストーリーモード”で少し遊んでみたところ、
、バトルの緊張感はしっかりと担保されたまま、ジャストアクションの爽快感も手軽に味わえた。
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サポートの機能が発揮されるのは大技のときだけ。なので“ストーリーモード”だと簡単すぎる、ということはない。ふつうにやられる。
 難易度はオプションからいつでも変更可能なので、“ストーリーモード”で敵の攻撃パターンを把握してから“ノーマルモード”に切り替える、といった遊び方もよさそう。

テンポよく進むゲーム体験

 カットシーンは全体的に短めで、コントローラーを置いてじっくりと画面を見つめる、といった状況にはほとんどならなかった点も印象的。敵とのバトルもそうだが、物語を進めるうえでも基本的に説明は少なめで、「自分で体験して学んでほしい」「各々の解釈によって物語は変わる」という開発陣からのメッセージだと勝手に受け取っている。

 ギミックを解くにしても、最初は「ここどうするんだろう?」となる場面もあったが、触ればなんとなく理解できるので、とくに困ることはなかった。
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箱を調べたり、パネルを操作したりするとに急にパズルが始まることもある。とりあえず動かしてみて、ルールを把握する感じは逆に新鮮。

プレイヤーの選択で変化する結末

 ゲーム冒頭から少しのあいだはリニア(一本道)でフィールドを進んでいくが、やがて広大なフィールドを自由に探索できるようになる。寄り道要素も豊富で、ボリュームは申し分ない。加えて、本作はマルチエンディングとなっていて、プレイヤーの選択によって結末は大きく変化する。

 後述するが、セーブデータは自動で上書きされるので、プレイ中の選択はかなりの重みがある。もちろん、エンディングに関する選択も例外ではなく、どうしよう……とかなりの時間悩むことになった。
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断定はできないが、難易度の違いによる物語への影響は確認できなかった。

データは上書きセーブのみ

 これは注意喚起でもあるが、データはオートセーブによる上書きのみで、手動セーブで進行度別にデータを分ける、といったことはできない。Playstation Plus加入者なら、オンラインストレージへのアップロードが可能。自動アップロードをオフにしておけば、好きな進行状況のデータをひとつだけオンラインストレージにキープできた。「この選択は大事そう」という場面がきたら、いったんオンラインストレージにアップロードしておくことをお勧めする。

 なお、すでにセーブデータがある状態で“New Game”を選ぶと、別のセーブデータ枠が用意される。メインメニューの“ゲームをロード”から、データの枠の切り替えは可能となっていた。

70時間遊んでも尽きない寄り道要素

 一切寄り道せずにメインミッションだけを追った編集者によると、プレイ時間は14時間ほどだったそう。自分は、時間の許す限り寄り道をして遊び、クリアーしたときに表示されているプレイ時間を見ると、70時間ほどだった。ちなみに、70時間かけてもまだやれていないことや見つけられていないアーカイブは残っている。最後に、本作の寄り道要素を紹介していく。

 いちばん大きな寄り道要素は、出会った人々や掲示板から請け負う“サブミッション”。ここでトラブルを解決したり、望みを叶えてあげると、さまざまな報酬がゲットできる。ミッションの達成状況によって態度が変わる人もいて、人間観察も楽しい。
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 メインミッションを進めるだけなら立ち寄る必要のない場所のほうがはるかに多く、それらの場所ではさまざまな発見ができる。思わぬ場所に用意された宝箱やアスレチック的なものを見つけたときの喜びはひとしおだ。
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 もっとも手ごわそうだったのが、“データバンク”と“缶の収集”のコンプリート。“データバンク”は、フィールドで発見できる文書や力尽きた人々の残した記憶などが自動で記録されていく、アーカイブ的なもの。スキャンをすればある程度の位置を把握できるものの、集める数がかなり膨大。

 “缶の収集”は、フィールドのあちこちにある自動販売機や見つけにくい場所に落ちている缶を一定数集めるとご褒美があるという収集コンテンツだ。こちらはスキャンでは発見できず、ドローンをアップグレードすることで、近くにある際は知らせてくれるが、何せマップが広いためなかなかドローンが鳴かない。
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 ある程度物語を進めると、水場での釣りも可能になる。釣りは、デュアルセンスの能力が最大限発揮されるミニゲームになっていて、釣り竿のリールを巻いたときの独特な振動が表現されており、コントローラーの実力を知ることもできた。釣ったときの演出も派手で、真剣に取り組むイヴがとにかくかわいい。
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 これは寄り道要素ではないかもしれないが、個人的にもっとも時間をかけたのが節目で出会うボスとの戦闘。体験版の“ボスチャレンジ”のようなモードは確認できなかったので、倒せそうになるたびにあえてやられて、“いかに華麗に倒せるか”というのを追求していたら、気がついたら5時間経っていたりもした。もしもアップデートがあるとしたら体験版の“ボスチャレンジ”のようなコンテンツの追加をお願いしたい!
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