『シャニマス』三川華月さん(鈴木羽那役)インタビュー。演じるときに意識しているのは、明るすぎず、暗すぎず、中間位置で演じること。ユニットメンバーやライブへの想いも聞いた

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『シャニマス』三川華月さん(鈴木羽那役)インタビュー。演じるときに意識しているのは、明るすぎず、暗すぎず、中間位置で演じること。ユニットメンバーやライブへの想いも聞いた
 2024年4月24日に6周年を迎えた、アイドル育成&ライブ対戦ゲーム『アイドルマスター シャイニーカラーズ』(以下、『シャニマス』)。それを記念して、鈴木羽那を演じる三川華月さんにインタビューを実施。声優を目指したきっかけから、オーディションを経ての楽曲収録やライブへの思いのほか、自身が所属しているユニット・コメティックのメンバーとの関係性について聞いた。
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※本インタビューは3月中旬に実施しました。 ※本インタビューは4月11日発売の週刊ファミ通(2024年4月25日号 No.1845)に掲載した内容に加筆、修正を行ったものです。


※本記事では『アイマス』は『アイドルマスター』シリーズ全体、『シャイニーカラーズ』は『アイドルマスター シャイニーカラーズ』シリーズ全体、『シャニマス』はenza対応ゲーム『アイドルマスター シャイニーカラーズ』、『シャニソン』は『アイドルマスター シャイニーカラーズ Song for Prism』、『シャニアニ』はアニメ『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の略称として使用しています。

三川華月みかわはるな

2月23日生まれ、香川県出身。趣味はアイドルの応援で、特技として讃岐弁、ソフトテニスなど。『アサルトリリィ BOUQUET』(森辰姫役)、『転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~』(マユスラ役)、『それでも歩は寄せてくる』(香川凛役)などに出演。

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明るすぎず、暗すぎず、中間位置で演じる難しさ

――鈴木羽那を演じる前から、『アイマス』シリーズについてはご存じでしたか?

三川
 すごく詳しいというわけではないですが、もちろん有名なタイトルなので、いろいろなシリーズがあるということは知っていました。声優を目指し始めたときに、歌って踊るというお仕事があるということで、調べていくうちに『アイドルマスター』シリーズを知って、ライブの映像を見たり、カラオケで友だちと歌ったりしていましたね。

――歌って踊ることが好きだったのですか?

三川
 好きではありましたが、得意ではなかったです。あとは、アイドルを見るのも好きだったので、いつか自分も歌ったり、踊ったりできるといいなと思っていました。先程、少しお話した通り、声優の仕事の中でもそういったお仕事があったので、魅力を感じた部分です。

――そもそも、声優を目指そう思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

三川
 もともとは小さいときから声優に限らず、人前で何か見せる仕事がしたかったんです。目立ちたがり屋だったので(笑)。夢は女優と言っていたこともあったのですが、中学生のときに声優というお仕事を知りました。私自身、アニメも好きですし、仕事の幅もすごく広かったのでおもしろそうだなと思い、そこから声優になるためにオーディションをいっぱい受けて、いま、お仕事をさせてもらっています。

――声優になりたいという話をしたときの周囲の反応はいかがでしたか?

三川
 私のまわりでは声優という職業に対する興味関心があんまりなかったんです。だから、友だちは「いいんじゃない?」、「がんばってね!」という感じで、そんなに気にしている人はいませんでした。母親もやりたいことは自由にやればいいという感じだったのですが、父親は安定した職業に進んでほしかったみたいで……。とりあえず大学までいってから、改めて考えたほうがいいと言いながら、ずっと心配していました。どうも上京してほしくない気持ちもあったみたいで、その点でも肯定的ではなかったですね。

――父親としてはそういう気持ちもあると思います。でも、いまの活躍ぶりを見て喜ばれたりはしていないのですか?

三川
 反応がガラッと変わりましたね(笑)。父親はまだガラケーを使っているほど、世間のニュースに疎くて、とくに声優関連の話はほとんど知らなかったんです。でも、私が出ている作品の話題を、まわりから聞くことが増えたみたいで、自分でも調べるようになったみたいです。母も父もすごく喜んでくれているのですが、東京にひとりでいることには不安もあるみたいで、「いつでも帰ってきていいよ」と言ってくれています。

――ライブイベントなどにご両親は招待されたのですか?

三川
 母は5.5周年ライブ“THE IDOLM@STER SHINY COLORS 5.5th Anniversary LIVE 星が見上げた空”の1日目に初めて来て、とても感動して泣いたと言っていました。先日の“THE IDOLM@STER SHINY COLORS 6thLIVE TOUR Come and Unite! Brilliant Blooms”も、母は来られたのですが、父は仕事が入ってしまって……。私の地元から近く、せっかくのチャンスだったのでどうしても見てほしかったんですけどね。

 仕事でしかたないのはもちろんわかってはいたのですが、「こんなチャンスなかなかないのに!」と泣きながら怒っちゃいました。父も行けない悔しさと私が悲しんでいることに対して泣きそうになっていました。もちろん、その後、仲直りはしましたよ(笑)。

――それほど観てほしかったんですね。話が前後してしまいましたが、『シャイニーカラーズ』のオーディションのときのことは覚えていますか?

三川
 じつは、七草にちかちゃんのオーディションも受けたことがあったので、『シャイニーカラーズ』のオーディションの出会いはにちかちゃんでした。その後、しばらくして鈴木羽那ちゃんのオーディションを受けさせていただきました。自分の感覚的に、こういったアイドルコンテンツに携われる機会はもうないんじゃないかと、ちょうど思い始めたタイミングだったので、「これが最後になるだろう」、「絶対に受かりたい」という気持ちで臨みました。

――オーディションでは、鈴木羽那役だけではなく、郁田はるき役も受けられたというお話を伺いました。

三川
 演じてみたいと思ったのは羽那ちゃんだったのですが、設定を読んでみると郁田はるきちゃんのほうが共感できるところが多かったんです。羽那ちゃんはちょっと完璧すぎる子で、“天性のアイドル”と呼ばれているので、「そんなの無理ー!」と(笑)。でも、欲を言えばやらせてもらいたいという思いでした。

――オーディションで印象に残っていることはありますか?

三川
 いまお話した通り、羽那ちゃんとはるきちゃんを受けたのですが、歌の審査のときに「羽那のつもりで歌ってみてください」と言われたんですね。それで、「羽那役として興味を持っていただけているのかな?」と思って、自分なりに役になりきって歌いました。

 でも、当時の私は歌に自信がなかったので、声を抑えめで歌ってしまって。課題曲がノクチルの
『いつだって僕らは』だったのですが、私にはキーがけっこう高かったんですよね。かなり声を出し辛いところもあったのと、わかりやすく不安な気持ちが出てしまって……。そしたら、「やっぱり三川さんのままで歌ってみてください」と言われたので、「これは落ちたな……」と思いながらも、がむしゃらに歌いました。

 その後、質疑応答では、羽那ちゃんとはるきちゃんのどっちの役が自分に合っているかを聞かれて、「ここでの答えかた次第で印象がかなり変わりそう」と不安になりながらも「羽那ちゃんは理想の女の子だけど、はるきちゃんは共感できる部分が多いです」と答えましたね。

――歌の審査のときに落ちたと思ったというお話がありましたが、合格を聞いたときはいかがでしたか?

三川
 マネージャーさんから連絡があったのですが、「本当ですか?」と半信半疑になったくらい信じられなかったです。というのも、マネージャーさんが最初に神妙な感じで切り出したので、「絶対ダメだった」と思っていたら「おめでとう!」と言われて(笑)。

――サプライズ的な(笑)。

三川
 「ふつうに言ってくださいよ」と、ボロボロ泣きながら怒っていました(笑)。

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――そこから徐々に羽那としての活動が始まっていくわけですが、演じるときに意識したことや、初めての収録などでディレクションされたことで印象に残っていることなどはありますか?

三川
 最初に説明されたのは、「とにかくかわいいんだけど、計算とかそういうことはまったくなく、生きていて自然に振る舞っていてかわいい女の子」ということでした。誰に対しても距離感が同じで、人によってはちょっと勘違いしてしまいそうだけど、本人的には一切そこに計算がないんです。オーディションときに作っていた羽那ちゃんから変えていかなければいけない部分もけっこうあったので一気に不安になりました。

 また、すごく元気というわけでもなく、暗すぎることもなく、それでいて女の子らしさもしっかり残してほしいというディレクションもありました。私はどちらかというと0か100かみたいな役のほうが得意だったので、羽那ちゃんのような中間位置のタイプを色鮮やかに演じるための引き出しが本当になくて……。

 とくにいちばん苦戦したのは笑いかたでした。私はふだん笑うときは、「へへ」や「ヒヒ」という感じになってしまうのですが、羽那ちゃんは「フフ」とか「あはっ」なんですよね。初めて収録したときに、それが自分の心や体を通したときにその笑いかたになかなかならなくて、初めての収録の際は何回もやり直しさせていただきました。

──歌の収録についてはいかがでしたか?

三川
 歌も最初のほうは緊張してかなり体が硬くなっていましたのですが「とにかく全身を開くイメージで、手もぐっと広げて思い切り歌っていいですよ」と言ってくださったり、スタッフの皆さんがペンライトを振りながら応援してくださったりしたので徐々に緊張がほぐれていきました。

 でも、改めて羽那ちゃんとして歌うということに関しては、まだはっきりとは正解が見えていないというか。いまも日々、模索しています。ストーリーが進んでいくと新たな一面が見えたりするので、収録ごとに歌も変化していくかもしれないですね。

――コメティックは楽曲ごとにセンターが変わるという特徴もありますし、その影響も大きそうですね。

三川
 そうなんですよね。最初のころは、羽那ちゃんとはるきちゃんの性格や声質的に、斑鳩ルカちゃんがセンターの曲と噛み合うのかというところで少し不安もありました。ふたりのポップな感じをどう合わせようかと思っていたのですが、そんなにルカに合わせなくていいというディレクションをしていただいて。なので、基本は全部、曲のイメージに合わせたカッコよさを出しつつ、羽那ちゃんらしく歌うということを意識しています。

――確かにルカのパワーはすごいですからね。

三川
 なりちゃん(ルカ役の川口莉奈さん)のふだんのしゃべりかたから、「どうやってその声出しているの!?」と皆さんは驚かれているかもしれませんが、隣りで観てる私たちもずっと同じ気持ちです(笑)。

――ご自身が歌唱されている楽曲の中で、とくにお気に入りのものがあれば教えてください。

三川
 全部お気に入りなのですが、思い入れがいちばんあるのは『無自覚アプリオリ』ですね。ユニット曲としては、最初に収録した曲で、「こんな難しい曲をどうやれば歌いこなせるんだろう」と思いました。なので、収録は手こずるかなと思ったのですが、意外と楽しく歌えました。

 ただ、収録した後になりちゃんが歌唱したバージョンを聞かせていただいたときに、あまりにも私のものと違いすぎて、「別の曲かな?」と思えるぐらいすごかったですね。そのときに、「確かにこれはルカちゃんがセンターの曲だな」と思って、印象に残っています。それに、最初にプロデューサーさんに、コメティックとして認識してもらう曲ということも大きいですね。やっぱりこの曲を聴くと、「ついに私たちも加入するんだ」というドキドキした思いが蘇ってきます。

――単純に曲としてもすごくインパクトがありますよね。

三川
 ライブでも、最初のダッダッダッダっていうイントロがなった瞬間にすごい歓声が聞こえてくるので、私たちもすごい気持ちよくて、思い入れが深いですね。

――全曲お気に入りということで、『無自覚アプリオリ』と同じCDに収録されている『くだらないや』と『平行線の美学』についてもお話を伺えますか?

三川
 『無自覚アプリオリ』と『くだらないや』はガラッと雰囲気が変わりますよね。こういうちょっと暗い感情を出すというのはけっこう挑戦的というか。いろいろな感情を「そういうのって、けっきょくくだらないよね」とバッサリ言ってしまっているので(笑)。テーマ的には『平行線の美学』もそんなにずれていないのかなと。でも、曲調がそれぞれ違っていて、『くだらないや』は静かな中に棘があるという印象です。

 最初に聞いたときは、はるき役の(小澤)麗那ちゃんにすぐに連絡をしました。まだ私たちもそこまでコメティックの3人の設定を深くまでは知らなかったので驚きました。「もしかして、はるきってとんでもない何かを抱えているのかな」と疑問に思ったり、どう歌えばいいのかということを相談しましたね。こんな歌を羽那ちゃんとはるきちゃんが歌っちゃうんだみたいな。

 でも、改めて聞いてみると、アイドル自身というより、世の中のいろいろな人の思いを代弁しているという風に感じ取れたんです。そこで「なるほど」と思えて、ちょっと歌いやすくなりましたね。

――はるきが最初に発表されたときも、ちょっと怪しげな印象がありましたよね。

三川
 最初のPVではるきちゃんは、「真っ暗……」というような意味深なセリフでしたし、羽那ちゃんもちょっと怖い感じでしたね。すごくいい切り取りかたをしてるなと思っていました(笑)。

――『くだらないや』と『平行線の美学』がテーマ的にはずれていないというお話がありましたが『平行線の美学』は羽那がセンターの楽曲です。こちらの印象や歌うときに意識されたことなども改めて聞かせてください。

三川
 最初聞いたときは、私もちょっと驚いたのですが、意味的にはみんながそれぞれの場所で、自分なりのスタイルで行けばいいということなのかなと思いました。羽那ちゃん自身がけっこう人に対してフラットなところがあって、どこか割り切っている部分もあると思うんです。

 でも、曲の雰囲気や歌詞の内容ほど突き放している感じはないので、さらっと明るく歌い上げることで
『平行線の美学』らしさを表現しようと、スタッフさんと話し合って決めました。とくにライブのときには、曲の雰囲気に引っ張られてしまいそうになるんですけど、あえて明るく歌うことをかなり意識しています。
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新曲披露でかつてないほど緊張したライブ

――『シャイニーカラーズ』は、ユニットでの活動を重視されていますよね。そこで、ユニットのメンバーでもある川口莉奈さんと小澤麗那さんの印象やおふたりとの思い出に残っているエピソードなどを伺えますか?

三川
 本格的に活動が始まってから半年ですが、本当にいろいろな思い出がありますね。なりちゃんの最初の印象はすごい視野が広くて、私と麗那ちゃんにもすごい気を使ってくれているなと思いました。私たちに対しての距離感はもちろん、ルカちゃんとしての羽那ちゃんとはるきちゃんに対する距離感もすごく大事にしてくれていて。プライベートでもそこを意識していて、最初はお互いにどこまで踏み込めばいいのかというのを探り合っている感もありました。

 ただ、なりちゃんとしては、ルカちゃんのこともあってグイグイいくのは違うかなと思っていたのかもしれませんが、レッスンやプライベートで話をするようになって、だんだん遠慮がなくなって来たというか(笑)。もともと私たちからグイグイいって、食事に誘ったりしていろいろ話すようにしていたら、向こうからも誘ってくれるようになりました。

 いちばん印象に残っているのは、麗那ちゃんの誕生日のときに「誕生日祝いにご飯に行こう」と、なりちゃんから誘ってくれたことです。それまでは、レッスンが終わった後に「ばいばーい」とすぐに帰ることが多かったので、そのときはすごいうれしくて、テンションが上がりました。それがきっかけで、お互いグイグイ行けるようになってきた気がします。

――いいお話ですね。小澤さんはいかがですか?

三川
 麗那ちゃんの最初の印象はしっかりしていて頼りになる子だなという感じでしたが、じつはけっこう寂しがり屋だったり、方向音痴だったりするところもあって、いちばんフワフワしているなと。たぶん、本人は絶対違うと否定すると思いますけど……(笑)。

 語彙力があって頭の回転も早いので、話していることはすごくしっかりしてるんです。でも、行動面でけっこう抜けているところがあったりして、めちゃくちゃかわいいなと思っています。思い出に残っているのは、昨年の3月に渋谷のスクランブル交差点でルカちゃんの映像が流れたときに、ふたりで見に行って写真や動画を撮ったことです。ワイワイしながらテンションも上がりましたが、その後、「あの子といっしょにやるってなると、いろいろがんばらないとね」と気が引き締まりました。

――ここまでコメティックについて伺ってきましたがコメティック以外で好きなアイドルや楽曲はありますか?

三川
 好きなアイドルは、(七草)にちかちゃんですね。最初のオーディションで自分が受けたというのもありますが、見た目の印象と性格があまりにも違いすぎてビックリしました。あとは演じている(紫月)杏朱彩ちゃんの歌声ですね。本当に、いままで聞いたことがない唯一無二のもので、あの声の魅力にもやられてしまいました。その流れもあって、シーズの楽曲が好きで何回も聴いたり、カラオケで歌ったりしています。

――とくに好きな曲は?

三川
 『Fly and Fly』ですね。あのイントロを聞いた瞬間にめっちゃくちゃテンションが上がります。あとは、実際にライブで見たり、いっしょに練習をしていてメロメロになったのはアルストロメリアですね。やっぱり、あの3人のかわいさ、可憐さを見た瞬間の衝撃がすごかったです。3人が練習している姿を見ながら、私も後ろでずっと踊っていたら、ダンスの先生にそれを見られていて「本当に好きなんだね」とツッコまれました(笑)。

――続いては、ゲームのことも伺えればと思います。羽那が登場するコミュやストー リーで印象的だったものを教えてください。

三川
 『シャニソン』の“GOOD BYE FLOWER”です。新曲の『ハナムケのハナタバ』に付随したイベントストーリーで、歌詞ともリンクしつつ、別れというテーマに羽那ちゃんがいろいろ考えるシーンがあったので、印象に残っています。

 羽那ちゃん自身は自分の変化にあまり気づいていないのですが、上京する前とコメティックに入ってからは、絶対に何か変化していると思うんです。そこで、何かひとつの別れというか、それこそ故郷での別れなんかもあって。いろいろなことを意識する中で、最後にファンの人に対して「“コメティックの”鈴木羽那です」と言うんですよね。そこが羽那ちゃん自身が変化を実感した瞬間なのかなと思いました。私自身も香川県から上京していて、似たような境遇でもあったので、自分では気づいていない変化が私にもあるのかもしれないと改めて考えさせられました。

――ちなみに『シャニマス』や『シャニソン』はプレイされていますか?

三川
 かなりマイペースではありますが、がんばってプロデュースしています。ただ、ゲームがあまり得意ではないので、ぜんぜん勝たせてあげられなくて、「ごめん」といつも思っています。にちかちゃんをプロデュースすることが多かったのですが、勝たせてあげられないと、どんどん曇っていくので、すごく辛い気持ちもありましたが(笑)。

――最初に七草にちかのオーディションも受けていたというお話がありましたが、紫月さんが演じる、にちかの声を初めて聞いたときはいかがでしたか?

三川
 「ああ、これだ! 私には絶対できない」と思いました。まさに妹らしい妹というか、ゲームやアニメなどによく登場するような妹像ではなく、ものすごくリアルなんですよね。プロデューサーに遠慮なくズバズバ言う感じだったり、にちからしい雰囲気が、本当にピッタリだと思いました。

――確かに七草はづきさんの妹という情報では、想像もできなかったです。『シャニソン』についてはいかがですか?

三川
 リズムゲームはわりと得意なほうだったので、「私でもできる!」とうれしかったです。今年の年明けには、母に見守られながら『ハナムケのハナタバ』のエキスパートをプレイして、一発でフルコンボクリアーできたので。「今年はいい年になるぞ!」と盛り上がりました(笑)。

――やはり、コメティックや羽那を選ぶことが多いですか?

三川
 やっぱり、最初はコメティックを選びますね。あと、楽曲を披露するメンバーを自由に設定できるので、コメティック以外の楽曲でも羽那ちゃんを配置して楽しんでいます。イベントコミュなども読んでいて、いまから『シャニマス』のストーリーを全部振り返るのは、かなりたいへんだと思いますが、『シャニソン』では、改めて始まりのところから観られるので、新規のプロデューサーさんも入りやすいと思います。
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――『アイマス』シリーズといえば、ライブも切り離せない部分ですよね。先程、声優について調べていく中で、ライブ映像を観ていたというお話もありましたが、『アイマス』シリーズのライブに対する印象はいかがでしたか?

三川
 『シャイニーカラーズ』以外のブランドの映像もけっこう見ていましたが、本当にクオリティーが高くて驚きました。そのときはまだ声優になっていなかったですが、憧れがありつつも、「私にできるかな?」という不安が湧いたほどで。

 それと同時に、「もし自分がこの立場になったときに、どんな感情になるんだろう?」、「どういう景色が見えるんだろう?」というような想像もしていて。「いつか自分もあそこに立ちたい!」と思いがさらに強くなっていきました。学生のときに、声優を目指している友だちも何人かいて、いつか
『アイマス』で同じステージに立てたらいいねと話したり、カラオケでデュエットしたりもしていました。

――その憧れていたステージに“5.5周年ライブ”で立たれたわけですが、そのときの感想を聞かせてください。
三川
 最初から最後まで、ずっと楽しかったという記憶しかないですね。レッスン中は、「このままじゃ絶対にうまくできない」と思って、麗那ちゃんとひたすら自主練もしました。毎日のように練習して、やれるだけのことは全部やって立ったステージだったので、私はそんなに不安もなく楽しめました。

 ただ、1日目のオーバーチュアが流れ始めたときは、さすがに緊張しましたね。ずっとBGMが流れている中で、ポーズを取って待っていたのですが、「本当にいまから始まるんだ」とドキドキしていました。

――緊張よりも楽しむことができたのですね。そして、つぎのステージが、東京ドームで開催された異次元フェスでしたが、こちらはいかがでしたか?
三川
 東京ドームは観客として行ったことがあり、あんなに大きな場所で自分がパフォーマンスするなんてまったく想像がつかなかったです。ライブ中も、大きすぎて、緊張というよりずっとフワフワしたままステージに立って、いつの間にか終わっていたという感じでした。

 ユニットとしては
『無自覚アプリオリ』を披露させていただきましたが、レッスン中にダンスの先生ともかなり細かく相談しました。5.5周年ライブよりも、さらにブラッシュアップしたパフォーマンスを見せようと気合を入れたので、表情や動きにも余裕感を出せて、より楽しさを表現できたと思います。自分でもアーカイブを見直しましたが、ずっとニコニコしていて、すごい楽しかったんだなと改めて感じました。

――『ラブライブ!』シリーズとのコラボはいかがでしたか?

三川
 『ラブライブ!』も実際にリアルタイムで見ていたので、「こんなコラボができるんだ!?」とビックリしました。勝手に交わることがない作品だと思っていたので、発表があったときには感動しましたね。『ラブライブ!』シリーズの楽曲をいっしょに歌ったり、逆に私たちの楽曲をカバーしてもらったり、一生に一回あるかないかというライブに参加できて、本当にうれしかったです。

――コメティックのパフォーマンスについては、配信のコメントやSNSなどでもかなり話題になっていた印象があります。

三川
 皆さんの印象に残っていただけていたとしたら、ありがたいです。セットリスト的にはかっこいい曲がいっぱい並んでいるところだったので、その流れのおかげもあるとは思います。コメティックとしては、まだデビューしたばっかりだったので、どういう反応があるのか、気になっていたのですが、初めて聴く人も曲の雰囲気や、なりちゃんのシャウトで一気に盛り上がって、地響きみたいな歓声が聞こえてきました。本当に会場が揺れているみたいで、ステージ上に立っていてもすごい熱気が伝わってきて、うれしかったですね。

――直近では、6th ライブツアーの大阪公演がありました。
三川
 公演のテーマが“楽しいカーニバル”という感じなのですが、今回は最後まで緊張が抜けませんでした。というのも、いいパフォーマンスができたと思ったときに、プロデューサーさんから評価いただけると、うれしさがある一方で、「それ以上のものを出さなきゃ」というプレッシャーを感じてしまったんです。ミスしないようにとか、そっちに気持ちが引っ張られて、緊張のほうが強かったですね。

 あとは、自分たちの曲だけではなく、私個人としてDJパートで園田智代子ちゃんの
『チョコデート・サンデー』をカバーして、コメティックとしてはイルミネーションスターズの『Twinkle way』を歌いました。自分たちの楽曲を歌うときも、もちろんプレッシャーはありますが、ほかのアイドルやユニットの曲を歌うとなると、その重みがぜんぜん違うんですよね。

 『Twinkle way』に関しては麗那ちゃんが、大好きな曲ということで、3rdライブの1日目を観てほしいと言われて、いっしょに観直しました。そこで、峯田さんがちょっと涙ぐみながら向かい合っていて、「もっと曲の解釈を深めなければ。中途半端な気持ちで歌えないぞ」と思いました。なりちゃんもふだんはそんなに緊張しないみたいですが『Twinkle way』に関しては、かなりプレッシャーを感じているようでした。
――新曲『ハナムケのハナタバ』もライブでは初披露でしたね。

三川
 2日目に初披露でしたが、今回のライブでいちばん緊張しました。というのも『ハナムケのハナタバ』は、私の歌い出しで始まるんですよね。そういうこともあって緊張していたようで、本番直前に息を吸って歌い始めたほうがいいか、あえて吸わないほうがいいのかわかんなくなって、なりちゃんに「どっちがいいかな?」と聞いてしまったほどで。でも、なりちゃんは自分のパートではないのに、「私だったら吸うかな」と答えてくれました。

 あとは、緊張したもうひとつの理由として、
『シャニソン』で先にMVが公開されていて、そこからのライブというパターンが初めてだったんですね。つまり、MVとライブでは違う部分もありますが、プロデューサーさんたちは、ある意味、正解を知っている状態で、私たちのパフォーマンスを観るわけで、もし間違えると気づかれてしまうかもしれないというプレッシャーもありました。私自身、緊張するということをあまり口に出すタイプではないのですが、このときはさすがにずっと「緊張する!」と言っていて、終わった後は3人でホッとしていましたね。

――時系列的には少し戻りますが、1月にはCDのリリース記念イベントもありました。ライブよりも比較的小規模な会場のイベントということで、ステージに立ったときの印象に違いなどはありましたか?

三川
 ふだんのライブと違って、ステージと客席がすごく近いので、プロデューサーさんとバッチリ目が合って照れましたね(笑)。大きな会場でのライブのときのようにステージのモニター越しではなく、直で表情を見られていると思うとドキドキしました。あと、リリースイベントのときは、イヤーモニターをつけていないので、ダイレクトに歓声が返ってきて、より一体感を感じました。

──今後の『シャイニーカラーズ』の活動の中で、挑戦したいことはありますか?

三川
 全国各地、北から南までを巡るツアーをやってみたいです。羽那ちゃんの出身地である岡山県や、私の地元の香川県にも行ってみたいですし、海外のプロデューサーさんもたくさんいらっしゃるので、海外公演もできたらすごく楽しいだろうなと思います。

 楽曲に関しては、コメティックの3人で歌いたいと話しているのはラップ曲ですね。
『ハナムケのハナタバ』にもラップパートはありますが、ほぼすべてのパートがラップの曲もおもしろいかなと。歌いこなせるかどうかは別なんですけどね(笑)。

――映像商品の特典などではバラエティ企画も行われていますが、そういった挑戦したい企画もあれば聞かせてください。

三川
 なりちゃんと麗那ちゃんが、ライブ以外で激しく体を動かしているところを、まだあんまり見たことがないんですよね。本気で走ってたり、アクティビティしたりしているところは、想像がつかないので、ガッツリ体を動かす企画をやってみたいです。

 個人的な話なのですが、私は運動音痴だったり、方向音痴な人がすごく好きで。馬鹿にしているわけではなく、見ているとすごい愛おしい気持ちになるので、もしふたりがちょっと運動音痴だったりしたらかわいいなと(笑)。あと、私自身はどちらかというと運動ができると勝手に自負しているので、それをふたりに見せつけたいなという感じです。ふたりがそういう企画に乗ってくれるかわからないですが、ぜひやってみたいですね。

──どちらも実現するといいですね。それでは最後にプロデューサーの皆さんに改めてメッセージをお願いします。

三川
 昨年、コメティックの鈴木羽那として発表されて、皆さんも最初は「どういう子なんだろう?」というところから始まったかと思います。ただ、私自身もそれは同じで、プロデューサーさんと同じ歩幅ぐらいで、私も羽那ちゃんやコメティックのことを体験しています。 今後、羽那ちゃん自身はもちろん、コメティックの活動や関係性がどうなっていくのか、私個人としても楽しみなところです。

 キャストの3人としても、同じ期待や不安など、いろいろな思いを抱えながら、毎回の収録とレコーディングに臨んでいます。でも、きっと何か3人でしかできないことや、羽那ちゃん自身なりの成長が描かれていくと思うので、ゲームやライブなどを通じて、暖かく見守っていただけるとうれしいです。

 また、
『シャイニーカラーズ』は今年で6周年ということで、6年続くということは、本当にすごいことだなと思います。私自身は5.5周年からの参加になりますが、いままでの先輩たちが作り上げてきたものや、プロデューサーさんとの絆をヒシヒシと感じています。そんな中で、いろいろな思いや覚悟を持って、これからも羽那ちゃんとして生きていきたいなと思っているので、これからもプロデュース、よろしくお願いします。精一杯がんばります!
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