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ランクマッチにPick & Banシステム採用を予定、esportsは中国展開も模索中【インタビュー】

 2018年8月13日よりフランス・パリにて開催中の世界大会『レインボーシックス シージ』“Six Major Paris”。ここでは、現地で発表されたYear3シーズン3“Operation Grim Sky”とesportsシーンについて、リードデザイナーのLeroy Athanassoff氏、eスポーツ・ディレクターのFrançois Xavier Dénièle氏にインタビューを行った。

「将来的にPick & Banをランクマッチで採用予定」

Leroy Athanassoff
『レインボーシックス シージ 』リードデザイナー。2016年以降に『レインボーシックス シージ 』チームに所属。デザイン、製造プロセス、eスポーツに関連するすべてのものに情熱を燃やし、ゲームデザインのさまざまな側面に創造力をもたらしている。

ーーまず、Year3シーズン2中間パッチで、オペレーターの調整が行われました。度々オペレーターの調整が行われていますが、どういった工程を経て、パッチが配信されているのでしょうか?

Leroy まず、オペレーターの修正、改善をする専門チームが作られました。ゲームをローンチした頃は、そういったチームはなく、ただひたすらオペレターを作るチームだけがありました。まず、オペレーターひとりを作り上げるのに、約9ヵ月ほどかかります。オペレーターをリリース後、色々なデータから客観的にオペレーターを分析を行います。このデータにはプロプレイヤーを対象としたワークショップから集められた情報や、もちろん一般のプレイヤーの皆さんから集められたものなど、さまざまです。

 9ヵ月かけて作り上げたオペレーターですから、もちろん担当者にとっては可愛い赤ん坊のような存在ですね。ですので、集められたデータを客観的に分析できるよう、オペレーターの作成過程には一切関係のない、修正変更のチームを別で編成しているのです。

ーー現在、とくに気にかけているオペレーターはいますか?

Leroy もちろん、タチャンカを始め、すべてのオペレーターを注視しています。ですが、オペレーターのリワークはとても複雑です。リワークに失敗すると、設定といったところで色々と辻褄が合わなくなりますからね。

 また、リワーク予定のキャッスルは、特殊なケースです。キャッスルはプロプレイヤーの手にかかれば優秀なオペレーターですし、チーム内できちんとしたコミュニケーションがとれれば能力を存分に発揮できます。しかしながら、ランクマッチで使用する際は使いづらい場面が多いのです。

 ですので、オペレーターによっては場面によって良し悪しが分かれています。キャッスルについては現在、慎重にリワークしており、プロトタイプもでき上がりつつあります。

ーーシーズン3では新オペレーターのクラッシュ、マーベリックが登場します。彼らが登場することで、ゲームメイクはどう変化するでしょうか?

Leroy クラッシュ、マーベリックは、『レインボーシックス シージ』従来のよさが戻ってくるように作り上げました。メタにも変化が生まれるでしょう。例えばマーベリックですが、ブリーチもEntry Fraggerも可能ですので、ここにサッチャーやアッシュ、トッケビを加えるのもいいかもしれません。

 クラッシュについては、現在ミラがユニークな特性を持つためBANされることが多いですが、今後はミラではなくクラッシュのBANが多くなるかもしれませんね。

ーーマーベリックのブロートーチですが、ヒバナのブリーチングペレットように、匍匐状態で通れる小さな穴を開けることも可能でしょうか?

Leroy もちろんヒバナのような動きをすることは可能です。ですが、ヒバナの方が遠距離からブリーチングできますし、ブリーチ中のマーベリックは無防備なので攻撃されやすいでしょう。ですので、彼はテルミットやヒバナが使えなくなった時の最終手段と言ってもいいですね。

ーーでは、クラッシュの有効的な使い方を教えてください。

Leroy クラッシュは使いかたがシンプルで、素晴らしいオペレーターです。自身を守りながらマップをナビゲートでき、屋外に出ても自分を守りつつアタッカーの状況や攻撃パターンを探ることが可能です。

ーーでは、Pick & Banは現在プロリーグで採用されていますが、今後通常のマッチでも採用する予定はありますか?

Leroy 現在このPick & Banシステムの多くの要素を、通常のゲームにも加えたいと考えており、プランを立てている最中です。少なくともランクマッチでは導入があるでしょう。

ーー今回、ヘレフォード基地がリワークされサイズが拡張されました。今後はショートレンジのマップは実装されないのでしょうか?

Leroy マップのサイズだけが重要だとは考えていません。何よりも大事なのは、対戦に適しているか、どうゲームをおもしろくするかです。もちろんマップによってはサイズを大きくすることもありますが、それはサイズが重要だからではありません。例えば、山荘のマップサイズはマップバフ後も変わらないでしょう。それに、民家ほどの小さなマップは、今後は実装されないと思います。マップが小さすぎると、おもしろいゲームプレイに繋がらないことが現在判明していますからね。

アジア地域では、今後も大会配信やリーグ運営に投資していく

Francois Xavier Deniele
eスポーツディレクター。2017年1月に、Ubisoft EMEAのesports部門を設立。

ーーUbisoft本拠地であるフランスで、念願の世界大会開催となりました。

Deniele ユービーアイソフトのホーム、パリでこの様な大きな大会を開けて誇りに思います。Six majorの開催がフランスであることは、私たちにとってとても重要なことでした。多くの報道関係者に来ていただき、フランスでこの様な素晴らしいイベントを開催できるということを証明するよい機会です。ですが、一番重要なのは今回の大会がコミュニティー、とくにフランスのコミュニティーのためにあるということです。本大会で本国フランスから4つのチームが参加していますので、この大会をフランスで開催できたことはとても嬉しいですね。

ーーSix Major Parisは、日本チーム“野良連合”も出場し、ストリーミングの視聴数も1万を超えました。日本国内において本作のesportsシーンは、非常に注目されてると実感しています。

Deniele 『レインボーシックス シージ』にとって、日本は次の大きな波が来る地域だと思っています。1年前は、ブラジルで大きな波が来ました。ブラジルではアクティブプレイヤー数、視聴率などにおいて、ほかのタイトルと比べても大きな違いがありました。

 もちろんブラジルは、『レインボーシックス シージ』にとって重要な国であることは間違いありません。ですが、ここ最近日本でも、ブラジルと同様の現象が起きており、私たちにとって非常に興味深いことです。プレイヤー数だけではなく、大会の視聴数も以前に増して伸びており、とくに野良連合がプレイしているときの視聴率は素晴らしいです。

 今回の大会では英語での配信の視聴率よりも、日本での視聴数が多かったことも非常に注目しています。また、今回は初めて日本人キャスターもお招きしており、これからの数年で日本チームは間違いなくメインステージに勝ち上がるでしょう。

ーー一方で、APACチームは今後の課題として、競技人口・チームの少なさを懸念しています。APAC地域の競技シーンを活性化するために、なにかプランはありますか? また、これからは、中国市場を無視はできないと思います。

Deniele この1年でアジア地域のesportsシーンを活性化することは、私たちesports部署の大きな目標です。esportsが急成長しているなかで、世界でトップクラスのタイトルであるためには、アジア地域への注力が欠かせません。

 なぜならアジア地域でのゲーム・esports市場がここ数年で拡大しているからです。現時点で日本、韓国、東南アジア、オーストラリアの各地域において、すでにプロリーグを始めていることはよいスタートだと思いますし、各地域には素晴らしいチームがいます。

 また、APACリージョンに中国を加えるのは、現在タイミングを見計らっているところで、いまはマーケットを分析している段階です。現在の日本は、APAC地域において最重要地域であり、日本を中心にほかの地域も活性化しています。台湾、韓国などの地域での大会視聴率も順調に上がって来ていますし、アジア地域では今後も大会配信やリーグの運営に投資していく予定です。

ーーでは、そのプランの第1歩が、東京で10月に開かれるプロリーグAPAC finalなのですね?

Deniele その通りです。私は現地に行けないのが残念ですが、我々にとって日本はアジア地域のNo.1テリトリーですから、実際に日本に行って大会を開催することに大きな意味があります。日本のコミュニティーの皆さんに、この素晴らしいイベントを体験していただきたいです。

ーーでは、『レインボーシックス シージ』esportsシーンにおけるエコシステム(マネタイズ)は、どのようになっているのでしょうか?

Deniele パイロットプログラム(※)の導入は、『レインボーシックス シージ』esportsのにとって重要な要素です。ゲーム内のプロチームデザインのチャーム、スキンを購入すると、収益の一部がチームに渡り、これによりesportsエコシステム全体の活性化に繋がっています。このシステムよって、プレイヤーは彼らの夢を後押しすることができるのです。例えば、Fnaticのゲーム内のアイテムを購入することによって、ファンは直接的にチーム、またはプレイヤー個人を支援することが可能となります。

(※パイロットプログラム……ゲーム内に実装されるプロチームのチャームやスキンを購入することで、収益の一部がチームに配分される。また、Six Invitationalの賞金にも収益の一部が上乗せされる予定)

ーーパイロットプログラムですが、野良連合も参加することは可能でしょうか? 日本から、野良連合のチャームやスキンを購入したいという声も出ています。

Deniele その議論は、いままさに行われている最中です。もちろん、野良連合のプログラム参加を全力でプッシュしており、日本がこのプログラムの一員になるのは当然のことだと思います。現在は、参加条件を話し合っている段階で、決まり次第お伝えする予定です。

ーー今シーズンはDreamHackでオフライン大会を行いましたが、今後も『Counter-Strike: Global Offensive』がIEM(intel extreme masters)で大会を行うように、サードパーティーイベントでオフライン大会を行なっていく予定はありますか?

Deniele 私にとって、サードパーティの大規模イベントに大会タイトルとして出ることは、本作の発展にとって大きなポイントのひとつです。現在は『レインボーシックス シージ』として正しい形での大会の開催ができており、Major ParisとInvitational、Pro League Finalが、本作において大規模オフライン大会に位置付けられています。

 これらに合わせて、今後はもっと多くのオフライン大会を開催し、競技シーンを活性化する必要があります。皆さんがサッカーや野球の試合を毎週見られるのと同様、esportsでも同じ環境で視聴していただける大会を多くの開催する必要があります。現在はパートナーを慎重に選んでいる段階です。

ーー現在、日本ではコミュニティー規模の大会がいくつか行われるようになりました。今後、コミュニティーベースで開かれる小規模な大会を援助する予定はありますか?

Deniele コミュニティーイベントをサポートすることは当然のことだと思っています。このアマチュア層のesportsイベントは、esports産業全体として積極的に取り組むべき分野です。

 メインストリームタイトルになるには、この様な小さなコミュニティーのサポートが必要不可欠です。現在、我々はコミュニティーがもっと簡単に大会を開催できる様、特別なツールを開発しております。早ければ数ヵ月で発表できるかもしれませんので、楽しみにしていてください!

ーーesportsシーンをフィーチャーしたドキュメンタリー動画を公開していますが、反響はいかがでしょうか? 日本独自に制作・公開しているドキュメンタリー映像に着想を得たのでしょうか?

Deniele はい。eiNsや野良連合のドキュメンタリー映像は、よいベンチマークになりました。また、ドキュメンタリー映像は公開後すぐによい反響が届きましたよ。人々にesportsのプレイヤーの実生活など、ステージに立っているとき以外の姿を知ってもらうよい機会です。

 ゲームに関心を寄せることは重要ですが、ゲームシーンの裏側を紹介することも大切です。今後積極的に、こういった映像を出していきたいと思います。


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