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『レインボーシックス シージ』クリエイターインタビュー 「我々にとって日本は特別なコミュニティーだ」

 2018年5月19日~5月20日の2日間に渡って開催された『レインボーシックス シージ』プロリーグ シーズン7グローバルファイナル。本大会に合わせて、ブランド・マネージャーのAlexandre Remy氏、プレゼンテーションディレクターのAlexander Karpazis氏、esportsディレクターのFrancois-Xavier Deniele氏のインタビューを実施。Year3シーズン2“Operation ParaBellum”、成長を見せるプロリーグ(esports)について伺った。

プレゼンテーションディレクター(User Experience Artistic Director) Alexander Karpazis氏(文中はKarpazis)

アリバイはメタ変化にもなりうるし、このゲームにマインドゲームを取り入れることになる

ーーアリバイとマエストロがシーズン2から追加されるますが、彼らによって戦いはどのように変化するのでしょうか?

Karpazis ふたりのディフェンダーを入れたわけですが、これによってアタッカー・ディフェンダーのバランスがよくなります。今回のふたりはお互いにまったく違ったタイプのオペレーターです。ひとりはカウンター・インテリジェンス(防諜)に特化しており、もうひとりは諜報重視です。

ーーライオンは実装されたとき、非常に強力なオペレーターが追加されたと感じました。今回の2人はライオンほどのインパクトは感じません。バランスにとても気を使ったのだと感じます。

Karpazis たしかにライオンは、とてもインパクトがあったと思います。今回、アリバイはメタ変化にもなりうるし、このゲームにマインドゲームを取り入れることになります。このゲームではプレイヤーはこれまで何かを見るとすぐに撃ちたくなるようにトレーニングされてきましたが、それとはまったく違う考えかたのオペレーターです。とても楽しいですよ。

ーー防弾カメラを入れた理由は?

Karpazis このゲームは諜報集めをテーマとしているので、オペレーターのキットを多様化し、諜報集めに役立つようにしました。諜報ツールを提供するためです。ディフェンダーにはコア・ガジェットがたくさんあります。シールドはメイン・エントランスを守るため、コンカッショングレネードはローテーションを助ける役割があり、ガジェットがないというわけではありません。種類を増やしたいと思いました。

ーーアタッカーがスモークを投げても防弾カメラで敵をスキャンできると、ディフューザーのプラント戦略が変わりそうですね。

Karpazis そうです。さらに、マエストロのイービルアイでもスモークを通して見ることができます。

ーー防弾カメラは6名(※)のオペレーターが持つことができますが、この6名の中にはプロリーグではピック率が低いオペレーターもいます。そういったオペレーターに多様性を持たせるために取り入れたのでしょうか?
(※フロスト、ドク、ミュート、キャッスル、カベイラ、ヴィジルに防弾カメラが追加されることが発表された)

Karpazis キャッスル、ドク、ヴィジルはよくプロリーグで使われています。選ばれる確率はロードアウトの変更にはあまり関係なく、マップでいいキットを提供するためです。

ーーマップのリワークについてですが、トッププレイヤーの意見をもとに行なっているのですか?

Karpazis プロプレイヤーのみならず、あらゆるところからフィードバックをいただいています。ネット上の意見、プロプレイヤー、開発、社内テストなどすべてです。新しいオペレーターやマップをリリースするとプレイヤーは常に私たちが考えなかったような新しい方法でプレイします。最初にマップバフ、そしてリワークがあります。マップバフが適用されるクラブハウスは、さらにコンペティティブにするための細かい調整や変更が行われています。

ーー新マップ“Villa”はロングレンジの戦いが頻発しそうでしたが、どのあたりに注意を払ったのでしょうか?

Karpazis とにかく、コンペティティブ(競技的)にすることが第一でした。防衛が強い、攻撃が強いといったバランスが悪いようにならないよう、アタッカーにもディフェンダーにも同じ機会を提供するものにしたかったのです。このマップはもっとも混乱を招くようにできており、壁を取り外したり、床を開けたりしてディフェンダーがローテーションして動く機会が増えますが、これは同時にアタッカーに多くの照準点を与え、彼らは異なるアングルからアプローチできることになります。

ーーマエストロの固有ガジェット“イービルアイ”の置き場に迷いました。効果的に使うには、どこに置いたらいいでしょうか?

Karpazis 爆弾ポイントに設置するのがいいと思います。人の出入りがわかり、嫌がらせすることもできます。(デフューザーをプラント中にマエストロのガジェットに攻撃されたら中断されるのか?)プラントは中断されませんが、エコーの妖怪ドローンとは違いヘルスを減らしていくことは可能です。

ーーアリバイのガジェット”プリズマ”はどうでしょうか? 先ほどプレイさせていただいた際、リスポーン・キルに見せかけて使ってみましたが……。

Karpazis それはうまいやりかたですね。プリズマはマインドゲームを仕掛けるのに最適です。ガジェットを野外に投げて人目を引く(ガジェットを複数なげてどれが本物がわからなくする)ことも可能です。

ブランド・マネージャー Alexandre Remy氏(文中はRemy)

これほど日本で成功するとは夢にも思わなかった

ーーOperation ParaBellumのコンセプトは?

Remy 今年でシーズン10になり、『レインボーシックス シージ』ポストロンチから2年となりました。作シーズンはPvE(対エイリアン)を導入しました。ParaBellumではオンラインマルチプレイヤーでルーツへの回帰を明確に示しています。
 今回はGIS(イタリア対テロ組織)からふたりのディフェンダーを加え、トスカーナ地方の明るい快適なマップを導入、多くの新要素を紹介しています。新しいガジェット、防弾カメラ、オペレーターのPick &Ban、カメラUIのリファインなどの要素はマルチプレイヤー専用であり、本作の経験を最大限に改善するものです。

ーー非常に強力なライオンが追加され、その副産物として撃ち合いが多くなったと思います。アリバイ、マエストロはライオンのアンチオペレーターになりますか?

Remy アリバイとマエストロは、どうしたら新しいゲームプレイ・テリトリーに入っていけるかを検討した結果です。アリバイはデコイ(プリズマ)を使いますが、マインドゲームを展開してプレイヤーを騙します。プレイヤーのスキルが非常に試されます。『レインボーシックス シージ』では、これまで対戦相手を見た瞬間に撃つことを教えてきました。アリバイはプリズマはデコイかもしれないのでむやみに撃ってはいけないのです。知らずに撃てば自分の居場所をマークされてしまいますからね。彼女の存在が、ゲームにおけるプレイヤーの反射と直感にどのようなインパクトを与えるかとても興味深いですし、本当に楽しみです。
 マエストロはオペレーターとしてはクラシックなタイプでしょう。イービルアイを使い、オブジェクティブを守るアンカーとなる存在です。防弾デバイス、カメラを使って安全に守り、スモークも見通し、レーザーを発射して小さなダメージを与えます。オブジェクティブに近づく敵のドローンにも効力を発揮できるでしょう。

ーーありがとうございます。で確認ですが、シーズン3で導入される新オペレーターは、アタッカー1名とディフェンダー1名に戻りますか?

Remy はい。これまでどおり、ディフェンダーとアタッカー1人づつに戻ります。

ーーでは、最後に……

Remy すみません。こちらから質問をしてもいいでしょうか? 私はUbisoftで長くゲームの仕事をしていますが、『レインボーシックス シージ』は欧米色の強いゲームであるにもかかわらず、日本で人気があり情熱的なファンがいることに、本当に驚いています。これほど日本で成功するとは夢にも思いませんでした。すばらしいプレイヤーとファン、そしてアーティストの作品も見ました。従来はプレイステーションを中心としたコミュニティーも、どんどんPCでも発展しています。いったい日本で何が起きているのですか⁉︎

※じつは日本の『レインボーシックス シージ』は、世界でかなり上位に入る販売本数を叩き出している。発売から2年以上たった現在でも、毎月ある程度の販売本数があるそうで、これはUbisoftフランス本社でも、「日本でいったい何が起きているんだ?」と話題になっているという。もはや日本は『レインボーシックス シージ』において、かなり重要なマーケットになっているようだ。

ーークリエイターに質問されたのは初めてです(笑)。えー、これは日本のプロプレイヤーと話したのですが、本作が日本で成功を納めてるひとつの要因は、リスポーンがないことが一番のキーだと思います。ある程度の緊張を楽しめるのが、とても好評です。ゲームモードによってルールはいくつかありますが、どちらかのチームが全滅すればマッチが終わるという明確なルールは、FPSに馴染みがない人でもわかりやすいですよね。ほかのFPSもシンプルなルールなものがありますが、本作はそれに加えて壁の強化や破壊と、これまで経験したことのないプレイも味わえる。戦略が撃ち合いに勝ることもあるので、囲碁と将棋にとてもなじみのある日本人にマッチしたのかもしれません。

Remy Oh、そうですか!

ーーそして、キャラクターが立っていることもとても重要な要因です。昔、弊社でアンケートを取った際、ほかFPSタイトルよりも女性プレイヤーの比率が多かったのです。本作のキャラクターが好きな女性プレイヤーが多く、たくさんのファンアートが描かれています。

Remy すばらしい! 日本のコスプレもファンアートも、我々にポジティブなイメージを与えてくれいます。『スプリンターセル』、『ファークライ』などもFPSですが、日本のコミュニティーは『レインボーシックス シージ』にクールなイメージを作ってくれています。

ーー『レインボーシックス シージ』のキャラクターはどれもすばらしいですよね。設定も凝っていて、エラとゾフィアが姉妹だけど関係がギクシャクしていたり、タチャンカとフィンカ、そしてイングとエコーの関係も気になります。サッチャーが57歳で最年長と、各キャラクターについて調べるだけでも楽しいです。私はゲーム内にある略歴を読むのが大好きです。また、このゲームにはシチュエーションモードがあったとしても、彼らにフォーカスしたストーリーはゲーム内にありません。逆にそれがよかったのかもしれません。

Remy よくわかりました。ありがとうございます。

ーーでは改めて、日本のファンにメッセージをいただけますか?

Remy 日本のプレイヤー、ファンの皆さんありがとうございます。我々にとって、このゲームの特別なコミュニティーが3つあります。フランス、ブラジル、そして日本です! この3つのコミュニティーはそれぞれ個性がありますが、3つとも本作を受け入れて暖かくサポートしてくれています。これは私たちにとって真の贈り物、愛です。本当にありがとう!

Ubisoft EMEA esportsディレクター Francois-Xavier Deniele氏(文中はFrancois)

今後はノンプロフェッショナル・トーナメントを増やし、プレイヤー層を厚くする

ーー年々プロリーグの規模は大きくなっているが、ここまで成長できた理由はなんだと思いますか?

Francois これまでesportsについていろいろ学んできましたが、このゲームはこれからesportsとして新しい段階に入ります。プロフェッショナリズムにフォーカスするため、コンペティションのフォーマットを変更し、6ヵ月のリーグとしました。これはプレイヤーに安定性を提供するためです。FnaticやTeam Liquidのような大型のオーガナイニゼーションを紹介してきましたが、これは本作のesportへの理解を深め、ビュワーを増やすためです。プロリーグへの理解が深まり、6ヵ月間という長い期間を通してどのチームがベストであるかがわかります。

ーー野良連合はRogueと善戦しましたが、これは予測できましたか? また、彼らの活躍についてコメントをください。

Francois 野良連合はとても印象深い試合をしてくれました。日本のチームはほかのチームに比べて、つねに戦略を大きく変えて臨んできます。つぎはSix Major Pariですし、大きな大会で活躍してくれるのはとてもうれしいです。野良連合の活躍は、我々にとっても大きな達成だと感じています。日本はとても大事な市場であり、今後とても重要な位置を占めます。今回野良連合がこの大会に出場できたことは本当にうれしいですし、彼らのレベルの高さに感心しました!

ーー今後はチャレンジャーリーグが本格的に始動しますが、なぜいまTier2リーグに力を入れるのでしょか?

Francois 今後はesportsフォーマットの層を厚くしていく予定です。ここではプロフェッショナルの戦いですが、本作のesportsはローカル(地方)・トーナメントから発展していくと感じています。Ubisoftにおける私の目標は、チャンピオンシップ、ノンプロフェッショナル・トーナメントを増やし、層を厚くすることです。もちろん、プロフェッショナル・チームも層を厚くしていきます。

ーーそれでは、プロプレイヤーの見せかたはどうでしょう。彼らをヒーロー、魅力的なプレイヤーであると宣伝するために、Six Invitationalで公開されたEvil giniuseのビデオのようになものを定期的に作成していくといいと思ったのですか。

Francois いい質問です。ああいったビデオは手がけていきますので、内容については今月発表する予定です。私にとってビデオはストーリーテリングのひとつであり、実際のスポーツ同様ヒーローを生み出す必要があります。観客はヒーローをフォローしてなぜ彼らがプレイするのか、ゲームの背後にある人生を知り、理解することができるでしょう。

ーーPick &Banシステムについて、選手からどのような意見が出ていますか?

Francois プレイヤーにとっては非常に大きな変更だったため、最初は「自分たちのゲームを変えられてしまった」という意見もあり、理解を得られないこともありました。しかし私はいい時期にPick &Banシステムを導入したと思っています。戦略的にもオペレーターの使用についてもあるパターンができており、Pick &Banは新しいアプローチとなるでしょう。Banの段階によって戦略の変更が必要となりましたが、これは正しい決断だったと思っています。

ーーでは、プロリーグの将来的な目標はありますか? 

Francois プロリーグのつぎの段階は、マイナーイベントの数を増加していくこと、開催地を増やすこと、そしてテリトリーを広げることです。まずはチームの成長が著しいAPACが第一目標です。まずはチームの成長が著しいAPACが第一目標です。

ーーということは、グローバル・ファイナルがアジアで開催される可能性もあると。

Francois アジアでのプロリーグ・ファイナルはいい判断になると思いますが、来年どうなるのかを楽しみにしてほしいです。いずれは行くことになると思っていますよ。いいチームが育っていますからね。現在もファイナルでキャッシュプライズを提供していますが、これから賞金についてどう改善し、紹介して行けるか検討していきます。いまはプレイヤーの環境、認識という意味でチームを安定させ、さらに発展するようサポートしていきたいと思います。

ーーリージョンの拡張予定は? 今後、中国での『レインボーシックス シージ』公式に販売が開始されるとすると、中国をAPACに入れるか見過ごせないと思います。

Francois まずはAPACで見直しがあるかもしれません。コミュニティが大きく発展し、内容も充実してきているからです。アジア圏での発展は、本作で重要な鍵となります。

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ユービーアイソフトより発売中のタクティカルシューター『レインボーシックス シージ』。プロリーグ‟Rainbow six Pro League Season 7”野良連合 vs Rogue戦後にインタビューを実施した。

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