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『サドンアタック』運用スタッフに転身した元トップ選手を直撃、2018年はアップデートもイベントも増量!

 

ネクソンが運営するPC用オンラインFPS『サドンアタック』では、2018年は大きく動く年にするという。昨年末に開催された公式大会オフライン決勝“SAJCL 2017 Final Stage”においてアップデートの一端が紹介されていることからも、やる気が垣間見える。

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サドンアタック』はオープンサービスから11年目を数える老舗タイトル。それでも根強い人気を誇る本作は2018年に何を目指すのか。運用チームの竹本涼平氏に話を伺った。

『サドンアタック』運用チーム・竹本涼平氏。

なお、竹本涼平氏は強豪クラン・NabDの元リーダー。大規模な大会で何度も優勝しているほか、日本代表として国際試合に出場した経験も豊富だ。彼の単独インタビューデビュー戦である。

プロフィール

竹本涼平(たけもとりょうへい)

『サドンアタック』運用チーム所属。もともとMatchaという名前で活動していたトッププレイヤーである。文中では竹本。

坂下智久(さかしたともひさ)

『サドンアタック』マーケティング担当。文中では坂下。

2018年のアップデートは新マップの追加から

――つぎのアップデートについて教えてください。

竹本2017年1月31日の水曜日です。アップデートの目玉は新規の爆破マップですね。マップ名称は化学工場。

――どういうマップなんですか?

竹本その名の通り化学製品の工場が舞台で、マップの構造としてはプロバンスに似ています。プロバンスは昔から大会でも使われている定番マップですね。
プロバンスのようにセンターと呼ばれる長い通路があって、その両側に(爆破目標となる)AポイントとBポイントがあります。壁越しでポイント上にグレネードを投げられる場所があるのも似てますね。ただし、マップ自体は広めに作られています。

――戦いかたが変わったり、プレイ感覚が違うレベルの差ですか?

竹本戦いかたは似てくるでしょうけど、微妙な差も楽しいと思います。攻め側のREDチームからすると、Bを狙うと見せかけてAに向かったり、フェイクを入れやすいんです。交戦ポイントが狭い代わりに交戦しない場所が広めになっているので、裏を取りやすい。攻めかたに迷っていたらBLUEチーム側に後ろから撃たれた、なんてことも起こり得るマップなのかなと思います。
研究のし甲斐はあるでしょうね。たとえば、こことかこの辺りから壁越しグレネードを投げられました。センターにはダブルドアがあって、壁抜きも狙えます。

(※詳細をボカした表現にしています。実際の構造はゲーム内で確かめよう!)

――なるほど。運用スタッフではなく、ひとりのプレイヤーとしては、どういう印象を受けましたか?

竹本まだテスト段階なので、クラン戦でレベルの高い戦いはできていないんですけど、 悪いマップではないと思いました。攻め甲斐も守り甲斐もあるマップなんですよ。
BLUE(守り)側はA、B、センターの3ヵ所を守るわけですけど、(マップの1ヵ所を指さしながら)こっちは守るのが難しいんですよ。センターを通ると撃ち落とされやすいので裏側に回るとして、でもここに壁があって直接は辿り着けない。

――どうやっても1クッション入っちゃうんですね。

竹本そうなんですよ。こっち側は窓があるから布陣を敵に見られちゃう。その代わり、逆側に展開すると守りやすいとか。あまり詳細は言えないですけど、要するに、BLUE側はふたつのポイントのうち片方が取られやすくて片方が取られにくい。どちらかを捨ててもう片方を死守しようみたいな読み合いは、きっとおもしろいですよ。

――第三者として観戦するのもおもしろそうに感じます。

竹本5対5のセンター勝負になったときもアツいですね。センターから各ポイントに向かうときに二手に分かれる構造なので、裏取りがしやすいんです。無理に勝負するのは危ないんじゃないかと。プレイヤーだったらマップを見ると何となくわかると思うんですけど、5対5の状況でAポイントを守るのなら、けっこう堅い。ひとりでも削られると厳しいでしょうね。

――RED側はどうですか?

竹本RED側(攻め)は壁越しグレネードの研究するのが大切です。爆破ポイントの近くに投げ込んで敵の居場所を確認して、攻め込む方向性を絞る。あとはセンターが肝。素早く速攻をかけるラッシュが強いマップだと思います。

――大会で使用する予定はありますか?

竹本みなさんにプレイしていただいて、反響を確認してからですね。まずはラダーマッチ(ランダムでマッチングするシステム)に導入します。個人的には一度くらいは大会でも使ってみたい。
サドンアタック』はBLUEチームが有利なマップが多いと思われがちなんですけど、化学工場は対等くらいになると予想しています。

――アップデートは目玉である化学工場以外に、何か新要素はありますか?

竹本新規武器スキンが追加されて、キャラクターの再販も行う予定です。化学工場がモチーフのキャラクターなので、併せて楽しんでいただければ。

キャラクターセット
衛兵女子セット

販売期間
2018年1月31日~2018年2月14日

機能
・倒された時、敵のHP確認機能
・経験値30%、CR30%付与
・打撃部位確認機能
・打撃ダメージ確認機能

シュルト

セルゲイ

化学工場アップデート紹介ページ

――2018年はどのくらいのアップデートを予定しているのでしょうか?

竹本この化学工場のアップデートを皮切りに、年内は複数回のアップデートを用意しています。2016年頃は大きな動きがほとんどなかったんですけど、2017年の下期くらいから開発側の体制はしっかり整っているので、年間を通じてアップデートをお届けできると思います。

――それ以外の動きはいかがですか?

竹本もっとプレイしやすい、したくなる環境を作りたいと思っています。その一環として、セキュリティソフトを変えます。これまではNEXON GT社(『サドンアタック』開発会社)が独自開発した“COD3MON”というソフトを使ってたんですけど、ネクソン全体で使っている“Nexon Game Security”を導入することになりました。2018年の4月までに導入するスケジュールで動いています。

――プレイヤーにはどういうメリットがあるんですか?

竹本いちばん大きいのは不正ツールへの対策ですね。これまでは不正ツールの情報を取得してもこちら側(ネクソン)ですぐに対応できるわけじゃなかったんです。NEXON GT社に対応を依頼して待つしかない。問い合わせが来ても「調査でお時間をいただいています」みたいな返答しかできなくて、これがすごく歯がゆいんです。
Nexon Game Securityにすると、『サドンアタック』の運用チーム側で対応できるようになります。取り締まり方法を設定するツールがあって、柔軟に変更できるイメージですね。対処までのタイムラグが小さくなるので、プレイヤーさんのストレスも軽減するのではないかと。
COD3MONも強力なソフトだったとは思うんですけど、強力過ぎて誤認もありました。何かの相性問題でゲームが起動しなくなるとか。

――相性問題が出てくると、すべてを解決するのはほぼ不可能ですもんね。

竹本それと、『サドンアタック』の動作自体も軽くなると思います。韓国では(2017年の)夏くらいから導入されていて、使用メモリが200MBほど下がったという報告もあります。ゲームが重かったり落ちちゃったりして離れていた方が戻ってくれたらうれしいですね。

誰もが参加しやすい大会とイベントを増やしたい

アップデート情報のつぎは、2018年の『サドンアタック』が目指しているものについて聞いてみたい。イベント関連の施策にも関わるので、インタビューに同席していたマーケティング担当・坂下智久氏にも加わってもらった。

――アップデートのつぎは、イベント系の目標について教えてください。

竹本ネットカフェ大会には力を入れる予定です。昔から“SANCC(Sudden Attack Net Cafe Championship)”というイベントを継続的に開催していまして、参加者も多くて賑わっているんですよ。2018年は昨年より開催回数を増やす予定です。

――何回くらいですか?

竹本まずは2月の北海道イベント。どうしても大都市圏になっちゃうんですけど、東京、大阪、福岡、北海道で各2回ずつくらいを予定しています。上期下期で1回ずつやりたいので、そうすると年8回ですかね。
現場に来れない人も楽しめるように、オンラインでの施策も絡めたいんですよ。オンラインでもトーナメントを開催して、最後にオフライン(ネットカフェ店舗)の優勝チームとエキシビションマッチをやるとか。できれば会場に来てほしいので、オフラインのほうが少しだけメリットが大きくなるように調整して。

SANCCは歴史が長く、僕の手元には2013年頃の写真も残っていた。竹本氏の昔の写真もどうぞ。

――参加しやすい大会っていいですよね。大きな大会は見栄えがいいですけど、自分からは参加できないプレイヤーも少なくないと思います。自分たちとは別の世界だと、勝手に一線を引いてしまう。

竹本たしかに、そういうのもあると思います。誰でも参加しやすい大会やイベントは増やしたいですね。

――大会に出るプレイヤーが増えたとか減ったとか、そういう動向は変化しているのでしょうか?

坂下検証はしています。何年か前は注目を浴びるカリスマプレイヤーがいて、自分たちもああいう(大会の)ステージに立ちたいからオフライン大会を目指しますみたいなプレイヤーも多くて。毎日21:00にゲーム内で集まって練習して、遅刻したら怒られるとか、そういう文化があったんですよ。

竹本いまはそうじゃなくて。ユーザーの世代交代もあって。自分や紙投げ(オフライン大会常連の強豪プレイヤー)なんかが現役の頃は、配信すると何千人も視聴するみたいなプレイヤーもちょくちょくいましたけど、いまはいなくなっちゃいました。うまい子はいるんですけど、彼らはあまり発信をしないんですよね。

坂下状況が悪くなったというより、プレイヤーの性格(性質)が変わったんだと思います。彼らが求めるものも変わってきている。ちょっと前まで憧れていたオフライン大会は、いまではそんなに珍しいものではなくなってしまった、と。
2017年は(全国大会を)4回やって、そのうち2回の決勝トーナメントはオフラインでした。参加クランが減少することもあったり、ちょっとやり過ぎてしまった面もあるのかなと思っています。
それと比べてSANCCはどうかと言うと、参加者の数はほとんど変わっていないんです。

2017年の総決算となる公式全国大会“SAJCL 2017 Final Stage”は12月24日に開催。坂下氏は「参加クランが減少することもあった」と述べているが、観戦者の盛り上がりは十分だった。

――僕も何度かSANCCを見学に行きましたけど、参加しやすいというのもあるし、いつもワイワイしてる印象はありました。

坂下変わってきたなと確信したのは、大会予選の使用マップを発表したとき。前はみんな少しでも早く練習したいから、発表の日が近づくと「いつ発表するんですか」みたいな(Twitterの)リプライをたくさんもらっていました。でも、最近はつぎのSANCCがどこで開催されるのかなどの発表Tweetの方が拡散されやすいくらいです。求めているものやプレイスタイルが変わってきているんだなあ、と。
わざわざ5人集まるわけじゃなくて、ひとりでも遊んで、5人でも遊んで。いろんなゲームを遊んで、スマホのゲームもやって。そういう変化を強く感じています。
ですので、『サドンアタック』のポジションそのものをライトにするんじゃなくて、遊びかたの提案をカジュアル寄りにしていきたくて。だからこそ、2018年はSANCCを増やしたい。そういう判断です。

――ゲームのバランスを調整するように、イベントのバランスを調整している感じですね。

坂下大きなオフライン決勝トーナメントって、いろんなゲームで当たり前のように開かれるようになりましたよね。需要は間違いなく変化しているので、『サドンアタック』プレイヤーが求めているものを提供したい。大規模も小規模もやりつつ、割合を柔軟に変えていきたいんです。
FPSにとって、大会は半分プロモーション・半分コンテンツの提供なんですよね。遊ぶ理由付けなので。それは大規模も小規模も同じなんですが、SANCCは現場に来た人しか楽しめないという弱点があります。それだとちょっと間口が狭いのでオンラインでの参加も募ることにしました。

――なるほど。

竹本そういうのは3月頃から始めていきたいですね。オンライン対オフラインのエキシビションで、オンライン側の代表チームが勝ったら経験値2倍とかゲーム内の特典、現地のチームが勝ったらオフライン参加者に何か特典をあげる予定です。

――それも応援する理由付けなわけですね。

竹本大会はいまのところこんな感じで、ほかにゲーム内の季節イベントをたくさんやっていこうと思っています。リアルのイベントごとに合わせた企画やアイテム追加は、開発元のNEXON GT社も乗り気なんです。
直近だとバレンタインデーとホワイトデー。イベントに参加するとREDかBLUEのキャラクターがもらえて、両方参加するとセットでももらえるみたいな感じにしようかなと思ってます。

――ネットカフェ大会もそうですけど、プレイヤーが参加しやすい、気軽に遊べるものを提供していく感じなんですね。開発元もプレイヤー側に歩み寄ろうとしているというか。

坂下その辺はPCゲーム全体に言える話なのかなと思いますね。『サドンアタック』は10年以上前にサービスが始まったゲームです。プレイヤーもPCのFPSタイトルとしてはまだまだ多いほうですが、それでも全盛期ほどではない。その中でどう消化してやっていくか。「いまのプレイヤーが望んでいることは何なのか」を考えていくと、運用チームとマーケティングチームの意見が合ったので、SANCCをたくさんやることにしました。手間はかかるんですけど(笑)。

――費用対効果を考えると、小規模なコミュニティーイベントって難しいですよね。すぐに効果が出るわけではないから。

竹本プレイヤーたちが仲よく遊べる場を提供するのは、長い目で見れば間違いなく重要だと思うんですよ。

――『サドンアタック』はメーカーとプレイヤーの距離感がちょうどいい気がします。長く愛されるためには、バランス感覚が大切ですよね。

坂下eスポーツのブームもあって、派手な大会をやりたがる人はたくさんいます。そういう人にとっては、ああいう大きなステージが魅力的なんでしょうね。僕らも東京ゲームショウなど大きなステージで開催したこともありましたが、いまのプレイヤーたちは何を望んでいるか、もっとプレイヤーに目を向けたいんです。より多くのプレイヤーが参加できることを考えなければいけないなと改めて思っています。

――プレイヤーがちゃんと楽しんで、たくさんプレイして実力をつけてくれないと、大きな箱を用意しても参加してもらえませんしね。

坂下そう思います。いまはストイックにプレイする人の割合が減っているので(ミドル層の)プレイヤー第一かもしれません。PCオンラインゲーム全体のユーザーが増えたらいいなとはもちろん考えていますけど。
大きい大会を開きたい人たちが気にするのは、おそらく一部のトップ選手とそれ目当ての観客ですよね。僕らは一般のプレイヤーたちがどうしたいか、何が好きなのかを考えたい。だから、ゲームタイトルの状況によってはそういう大規模の施策がやりにくくなるんですけど。

竹本とはいえ、まずはアップデートをしっかりやっていくのが第一です。2018年の後半に向けて、新モードや新マップも用意しているんですよ。こんなに新要素が追加されるのは久しぶりなので、昔に戻ったなーという感じですね。まずは1月31日の化学工場。そのつぎは4月中を目途に新規モードが実装予定です。
もちろん全国大会も開催します。2018年1回目のSAJCL(Sudden Attack Japan Champions League)については、3月頃に告知予定です。こちらも楽しみにしていてください。

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