ブースでは複数の試遊台が用意され、列に並ぶことで『2XKO』の最新バージョンを体験できた。今回のバージョンでは新参戦の“イラオイ”をいち早く体験できることもあり、世界各国のプレイヤーたちが試遊を楽しんでいたのが印象的。アンケートに答えてグッズがゲットできたり、公式コスプレイヤーとの記念撮影といったアクティビティも好評な模様だ。
超本格的タッグ格闘が登場!
発売日は2025年を予定しており、基本プレイ無料とのこと。ビジネスモデルはいまのところ不明だ。対応ハードはプレイステーション5(PC)、Xbox Series X|S、PCとなっている。
キャラクターや世界観は『LoL』。要は『LoL』に登場したキャラクター(チャンピオン)を使用できる対戦格闘ゲームなのが、大きな魅力だ。
ルールは2on2のタッグバトルで、バトル中にキャラクターを切り換えながら戦っていき、先に相手チームのふたりを倒したほうが勝利。チーム系の対戦格闘ゲームはラウンドがないこともあるが、本作はラウンド制。試遊台では先に2ラウンド先取したプレイヤーの勝利となった。
操作はスティックによる移動と弱中強攻撃、タッグシステムに関わる“タッグボタン”がメイン。ほかにもダッシュボタンやパリィボタンなども存在する。
必殺技はコマンド入力を必要とせず、スティック入力方向と“スペシャルボタン”で発動する。スペシャルボタンは1と2のふたつがあり、キャラクターそれぞれ複数の技を使用できた。昨今は簡易入力系システムが主流。本作では複雑なコマンド入力自体が排除されている。
簡単コンボ系のシステムは搭載していないが、全キャラクター共通で弱中強攻撃→必殺技が基本コンボ。よりテクニカルなコンボも可能だったので、研究しがいがありそうだ。
また、通常攻撃には“浮かせ技”があり、相手を空中に打ち上げて空中コンボを狙うことも可能。さらに、通常攻撃とタッグボタンを組み合わせれば、交代しながら相手を空中に打ち上げてコンボを狙えたりと、2on2ならではの要素もあった。
基本操作自体はとてもシンプルで遊びやすいが、タッグ部分やディフェンス方法など、システム回りはやや複雑で、慣れるまで少し時間が掛かりそうな印象。キャラクターの性能はそれぞれに個性的なので、それなりに練習が必要になるだろう。
また、システムもかなり多い。バトル前に効果を選択する“ヒューズ”など、短時間の試遊ではつかみ切れない部分も多く、さすがにバトルのすべてを把握することはできなかった。
MOBAである『LoL』を題材にしていることもあり、「格闘ゲームファンよりも『LoL』プレイヤーに遊びやすいように作られているのかな?」と予想していたが、実際触ってみると中身はだいぶゴリゴリの対戦格闘ゲーム。ライアットゲームズが本気で“対戦格闘ゲーム”のジャンルに参入しようとしていることが伝わってきた。
個性的なチャンピオンを使いこなせ!
試遊で体験できたキャラクターたちは全体的に個性が強く、シンプルで扱いやすい性能とは言い難い。よくも悪くも、じっくり遊び込まないと使いこなすのは難しそうだ。
以下、短い試遊時間ながらに、各キャラクターを使用してみた感想をお伝えしよう。
アーリ
“フォックスファイア”は扱いやすい飛び道具だが、最大3つまでチャージでき、撃ち切るとチャージしなくてはならない。移動技“スピリットラッシュ”で移動しながら追撃したり、離れて“フォックスファイア”をチャージするなど、トリッキーな立ち回りを要求されるキャラクターだった。
飛び道具が気軽に撃てないようなシステムになっている点から、本作は飛び道具をバンバン撃つゲームではなく、近距離戦がメインになるように狙っているのかなと感じた。とはいえ、マークスマン系のチャンピオンがいまのところ発表されていないので、もしかしたらそういった性能のキャラクターも今後登場するかも。
エコー
必殺技“タイムワインダー”ではヒットさせた相手が遅くなるスロウ効果を付与可能。もうひとつの必殺技“クロノストライク”は『LoL』のアルティメットスキルのように残像を残せる。ほかの必殺技で残像の位置に戻りながら攻撃できるため、“タイムワインダー”で相手を遅くしつつ、残像を使ってラッシュを仕掛けるようなキャラクターだ。
残像の使い方がポイントというのはすぐに気づくと思うが、さすがに短時間の試遊で使いこなせるわけもなく、極めるのは難しそうな印象受けた。“クロノストライク”はボタン長押しで強化残像を残すことができ、くり出したアクションを同時再生するように攻め込めたりと、やり込み度は高そうだ。
ダリウス
『LoL』でも特徴的な“負傷”がダリウスの特徴。斧を使った一部の攻撃で刃の部分を相手に当てると、相手が負傷状態になる。負傷した相手は、攻撃を食らうと追加ダメージがあるほか、ガードで削りダメージを食らってしまう。『LoL』の“皆殺しの斧(Q)”を再現したような性能を持つ。
必殺技の“捕縛”は、相手を自分の元に引っ張る攻撃。“捕縛”の後は攻撃や投げ技などに派生でき、無理やり近距離戦に持ち込めるのが強力だ。コンボに組み込みやすい必殺技“皆殺しの斧”も追撃派生がある。
5人の中ではシンプルな部類だが、近距離戦に特化した性能だったので、そういった部分では扱うのが難しそう。また、いちばん『LoL』に近い性能を持っているようにも感じた。
ヤスオ
『LoL』の“風殺の壁(W)”を必殺技として使用でき、原作同様に飛び道具をかき消す壁を作り出せる。剣を突き刺す必殺技“抜刀”を“風殺の壁”に当てると“抜刀”が強化されるなど、本作ならではのユニークなアクションも搭載。
ヤスオは必殺技の“凪”の構えを持ち、あらゆる必殺技の動作を中断(いわゆるキャンセル)して、“凪”に移行できる。ここからさまざまな攻撃に移行可能なため、“凪”を駆使して戦うコンボ主体のキャラクターと言えるだろう。
超必殺技では竜巻を起こす“風と舞え”の後に追撃が可能で、竜巻で相手を打ち上げてから追撃するといったこともできた。この辺りのコンボは『LoL』を彷彿とさせる。
イラオイ
必殺技“導きの手”などを当てると地面に触手が召喚される。触手にほかの必殺技などを当てると追撃が発動。触手を叩きつける必殺技“触手の鉄槌”などで、呼び出した触手とともに攻めることができた。
特殊なギミックはあるものの、1発1発が強力なパワーファイターなこともあり、思いのほか初心者向きのようにも感じた。相手に素早く飛び込む必殺技“過酷なる教訓”も、『LoL』ライクでうれしいところ。
なお、魂を引っこ抜く要素は超必殺技(アルティメットスキル)の演出に取り入れられてはいるが、システム的には搭載されていない。
格闘ゲームに新たな風が巻き起こる?
むしろ「『LoL』で見た!」になるのが、やはりうれしいところ。『LoL』プレイヤーであれば、いつも見てきたチャンピオンたちがキビキビと動き回る姿はかなり新鮮かつ魅力的に感じるはずだ。
本作の特徴的な要素として、2on2内でひとりが1キャラクターを操作可能。つまり、プレイヤーも2on2の4人プレイにも対応しているのだ。ブース内の試遊台は全台4人プレイ可能だったようで、本作でとくに押し出している部分なのかもしれない。
あくまで予想だが、もしプロによる競技シーンが走り出すとしたら、タッグチームで挑むゲームになるのではないだろうか。現状の対戦格闘ゲームのプロシーンはひとりで競技に挑むのがメインだと思う。タッグ戦が基本となるなら斬新かつ大きな特徴になるだろう。チームの絆が勝敗を左右するのは『LoL』らしい要素でもあるし。
そして気になるのは、やはり今後参戦するであろうチャンピオンだ。『LoL』には160体以上ものキャラクターが登場しており、今回使えたのはその中から、たった5名。考えるだけでも対戦格闘ゲーム向きのチャンピオン揃いなので、誰が参戦するのか妄想するだけでもワクワクする。あ、個人的には“チョ=ガス”希望。画面の9割を巨体で埋めてほしい。