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【ストV AE】「プロだからこそ勝つことを期待してほしい」まちゃぼーが語るプロツアーでの成長やメンタルコントロール、結婚観【インタビュー】

 2019年3月から始まった“CAPCOM Pro Tour 2019”も残すところ12月13日〜15日に行われる最終予選と決勝大会を残すのみとなった。決勝大会となる“CAPCOM Cup 2019”は昨年度覇者の「ガチくん」を始め、プロツアーを通した成績上位の26名、各地域決勝優勝者4名、最終予選通過者1名を合わせた32名が出場し、今シーズン最強の座を争う。

 そんな中ファミ通AppVS編集部は2019年2月より「よしもとゲーミング」に所属し、プロツアー本格参戦1年目にしてグローバルポイント16位という堂々たる成績で“CAPCOM Cup 2019”への出場を確定させた「まちゃぼー」にインタビューする機会を得た。

 過去には『ギルティギア』シリーズで活躍し、現在“CAPCOM Cup 2019”を間近に控えさらなる磨きを掛けている「まちゃぼー」にプロツアーでのエピソードやファイナル出場に至った要因、さらには最近の話題についてなど多岐にわたって今の気持ちを語ってもらった。

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「自分との向き合い方」を理解出来たのが一番大きな成長

ーー今日はよろしくお願いします。まずはカプコンカップへの出場決定おめでとうございます。

まちゃぼー ありがとうございます。豊泉さんとはプロ達の「練習部屋」ではお会いしますけど、こういった形でお話しするの初めてなんでなんか変な感じですね(笑)

ーーまちゃぼーさんにインタビューをするのは初めてなんで楽しみだったんですよ。まずはカプコンプロツアー周りから伺っていきたいんですけど、ツアーを本格的に周り始めたのって今シーズンからですよね。「よしもとゲーミング」に所属したことでいろいろな大会へのサポートを受けられるようになったと思います。転戦できるようになったことでゲームへの取り組みや心境に変化はありましたか?

まちゃぼー いろいろな大会に参加させてもらえるっていうことはとても光栄なことで、ゲームに対するモチベーションはすごい上がりましたね。今までは視聴者として観戦することしかできなかった世界に入ることができて「どこまで通用するのか」っていう部分がすごい楽しみでした。その一方で「プロになったからには勝たないと」っていうプレッシャーもありましたけど……。

ーーそんなプレッシャーがありながらも4月にシンガポールで行われた“Versus Masters”。以降連続でベスト8以上に入賞するっていうすごい成績だったわけですが、これはどういった要因があったんでしょうか?

まちゃぼー 終わってみるといろいろ思いつくことはあるんですけど、自分が思うには大会を経験してく中で「こうやって試合に臨めば良いんだな」っていう感触や手応えが掴めていったんですよね。試合に負けた時には「メンタルが悪い流れを作ってしまったな」とか「自分の動きがちゃんと出来なかったな」と自分なりの反省点があったんです。

 それを一つずつ解消していくことで徐々に勝てるようになってきて、そこから「このままの取り組みを続けていけば良い結果にも繋がるだろう」っていう自信がついてきたんです。そういった上向きの流れこそが安定して上位に入ることへの要因だったんだと思います。

ーーまちゃぼーさんの実力を知っている我々からしたら「いずれ結果を出すだろうな」って予想してんですけど、それにしても本格参戦の1年目でカプコンカップ出場ってのはスゴイですよね。世界を転戦するっていうのは初めてだったと思うんですけど、その経験を経て一人の人間として「成長できたこと」とか「学べたこと」はありましたか?

まちゃぼー いろいろな経験をすることで「自分のことをより深く理解できた」というのが一番大きい成長でしたね。よく「自分のことは自分が一番理解してる」って言われるじゃないですか?僕もそう思ってたんですけど、今振り返ってみると全然自分のことをわかってなかったんです。

 例えばツアーに参戦した最初の頃って大会直前までにたくさん練習してたんです。みんなが集まっているところに自分も参加して、そこで自分なりに仕上げた上で「さあ大会だ!」って感じで臨んだんですけど、結果は全然ダメでした。

 一方でそういった追い込みをせずにホテルの自室でソシャゲやったり音楽聴いたりとかリラックスすることを重視して自分自身への負担を減らしたら意外にも結果が出たんです!

 大会直前まで根を詰めて練習している周りの人たちを見ると「自分もそうあるべきだ」みたいになっちゃってペースが流されちゃうんですけど、自分には合わなかったんだなって思いましたね。

ーーそれは面白い分析ですね。確かに他のプロプレイヤー達に伺った際にも「大会本番へのメンタルの作り方」っていうのはもみんな重要視してますよね。ルーティンを組んだりとか…

まちゃぼー たまーに「鋼のメンタル」を持ったような人もいるんですけど、多くの人はそこまでじゃないんでコンディションやメンタルを整える取り組みをしていますね。そのやり方ってホント人それぞれで、少なくとも周りに合わせちゃいけないんだなっていうことを学べました。

 ときどさんとかは現地入りしてからもプレイすることで体を馴染ませた方が良いみたいです。なんで僕とは対照的だと思っていて、お互いがお互いの真似をしても良い結果にはならないんだと思います。

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みんなでお酒を飲みながら楽しい時間を過ごすことがリフレッシュになり「次も頑張ろう」って気分になった。

ーープロツアーは一年を通して行われましたが、実際に体験した感想や印象に残ったエピソードはありますか?

まちゃぼー これだけ頻繁に海外へ行く経験がなかったので、身体への負担が大きかったですね。当初は先々の渡航を考えてしまってそれがまた拍車をかけていました。移動はもちろんなんですけど、言語の壁や文化の違いもキツくて…

 僕は日本にいるときも常にマスクしているんですけど、イギリスのコンビニに行った時に黒い服着た警備員に「なんでお前マスクしてんの?」って言われていろいろ問い詰められたんですよ!そういった驚くことも多くていろいろ大変でしたね(笑)

ーー大事な試合のために余計なストレスやトラブルは避けたいところですけど、海外は慣れないと不安だらけですよね。僕も取材で海外行くようになってもう慣れましたけど、飛行機の遅延や現地トラブルとかありましたから…。

まちゃぼー でも海外大会に出るようになったことで良かったことも多くて、特に大会後に他のプレイヤーのみんなと打ち上げで一緒に食事をしたりするのはすごい楽しかったですね。

 もともと僕は大人数のコミュニティに参加して楽しむのとかって苦手なタイプなんです。ですがプロになったことで多くの大会に出られるようになったので、途中からそういったコミュニティの集まりにも積極的に参加するようにしたんです。

 そうしたら交流の中で今まで知らなかったことや次に活かせる話をすることができましたし、大会後の解放感もあってみんなでお酒を飲んだりしながら楽しい時間を過ごすことがリフレッシュに繋がって「次も頑張ろう」って気分になったんですよね。その経験はすごい貴重でありがたいなって思いました。

ーー海外渡航ってそれだけで疲労やストレスたまりますし、結果がついてこないと尚更ですからリフレッシュって大事だと思います。しかもそのポイントが海外渡航の道中にあるっていうのはとても良いですね。

まちゃぼー ストレスや疲労自体を「溜めない」のは土台無理な話なので、上手いこと発散していくのが大事なんだと思います。コミュニティに参加することと合わせて自分の時間を作ることもとても大事で、その両方で上手く調子をコントロールする流れを掴んでから大会でも良い結果が出るようになったと今更ですが思いますね。

「最強になるため」に積んできた経験が「人を楽しませることができるんだ」ってことがわかった。

ーー今シーズンの活躍の一端には「よしもとゲーミング」に所属したことも影響していると思いますが、プロゲーマーとして活動してみていかがでしたか?

まちゃぼー 渡航の際のチケットを始めとして、活動のほとんどをお任せできたっていうのは非常にありがたかったですね。そのおかげでゲームのみに集中することができたので、それらのサポートが今シーズンの結果につながっているのは間違い無いです。

 あとは11月に広島都市学園大学の学園祭に仕事として参加させてもらった時に、いろいろな人たちが僕のプレイを見て想像以上に楽しんでくれたのが嬉しかったですね。過去には「最強になるため」とか「大会で優勝するため」にプレイしていた経験が「人を楽しませることができるんだ」ってことがわかりました。

 このようなイベントへでお仕事をさせていただけたのは、たくさんの方達が活躍されている「よしもと」だからこそ出来たことなので、その一員として活動ができて良かったと思っています。

ーー格闘ゲームがもっと活発になっていくにはもっともっと多くの人に知ってもらうことが必要ですから、「よしもと」の強みというのは大事ですよね。いろいろな経験もされた上でプロゲーマーとして今後のビジョンはありますか?

まちゃぼー まずはやっぱり世界中の格闘ゲーマーの中で最強でありたいですよね。それは今シーズンの結果がどうであれ、プロゲーマーとして、格闘ゲーマーとして僕が間違いなく持ち続ける目標だと思います。

 あとは「ゲーム」というジャンル自体が今以上に浸透して欲しいです。今でこそゲームってかなり受け入れられていると思うんですけど、昔は「ゲームは1日1時間」とか「ゲームのやりすぎは目や身体に悪い」とか言われていたと思うんです。

 でも今はむしろ「脳に良い」とか言われ始めてたりするので、もっともっと多くの人たちがゲームに触れて楽しんでもらえるような活動をしていきたいです。

 格闘ゲームをやらない友達と話をすると、格闘ゲームってやっぱり「難しい」ってイメージを持った人が多いんですよ。 たしかに難しいところがあるのは事実ですけど、実際はそうじゃない部分もたくさんありますよね?どこかワンポイントを知っているかどうか、意識しているかどうかだけで難しいと思ってたことが3分で解決できたりするんですよ。

 そういったことでは今後発売される様々な新作タイトルも積極的にプレイをして、初めての人たちが楽しめるような「初心者講習」とかを行いたいですね。初心者の人の前にあるハードルを取り除く手助けをしたいと思っています。

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一回戦で負けて「よく頑張ったね」って言われても「じゃあ勝つ必要ないじゃん」って思っちゃう。厳しい目で見て欲しい。

ーー様々な経験や活動を経て“CAPCOM Cup 2019”本戦への出場が決まったわけですが今の心境はいかがですか?

まちゃぼー すごい楽しみですね。ちょっと前までは不安というかプレッシャーが大きかったんです。当たり前の話ですけどそこに参加するみんながすごい強いじゃないですか?だからマッチアップした時をイメージすると基本「キツイな…」って考えてしまって(笑)

 でもよくよく考えてみると、「参加している全員誰が勝っても負けてもおかしくない大会」ってなかなか無いんですよ。大抵は本命や対抗がいて、彼らがプール落ちすることもほぼないですから。

 それに気づいてからは「これだけすごい大会で自分がどこまで行けるのか」っていう期待の方が強くなって楽しみになってきたんです。 

ーーカプコンカップのへの取り組みっていうのはどのようにされているんでしょうか?

まちゃぼー 今回のように出場者が決まっているダブルイリミネーショントーナメントってあまり経験が無いので、諸先輩方にアドバイスをもらったんですけど「一番大事なのは一回戦」って仰ってましたね。

 実際32人のダブルイリミネーションで一回戦でルーザーズに落ちると、その後8回勝たないといけないんですね。そもそも強豪しかいない大会でそれは無理だなとすぐ思いました。なので大会に向けた取り組みの7〜8割のリソースを「まず一回戦で勝つ」ことに割いています。

ーー言われてみれば確かに一回戦が超重要ですね。初戦は「Angrybird」とのマッチアップですがこれはいかがですか?

まちゃぼー メインが是空でもしかしたらいぶきを出してくると予想しているんですが、ツアー中だと3回当たって2回勝っているので、十分こちら側に分があると思っていますね。

 トーナメントの配置としては近くに「Punk」がいるんですけど、対戦したことがほとんどないのでもし当たったとしたらお互い探りを入れるところからになると思います。一方でプロツアーを通して複数回負けてしまっている「ボンちゃん」や「ときど」、「藤村」が反対側に纏まっていて、そちらと当たる方がキツいイメージを持って試合に入らなきゃいけないのでそれに比べれば今回の配置は運が良い方だと思っていますね。

ーーカプコンカップは現地や配信で多くの人が観戦しますが、応援してくれる人たちやファンの人たちに「こういったところに注目して見て欲しい」っていうポイントはありますか?

まちゃぼー 今回は自分なりのテーマがあって、それは「自分らしさをちゃんと出す」ってことなんです。プレッシャーに呑まれたり、焦ったりすると前のめりになったりすると思うんですけど、そういった姿勢は試合展開的にすごいキツくなった時に見せようと思っているんです。

 なので前のめりになってしまって対空が出なかったり、コンボをミスったりといった情けない姿は見せたくないんですよ。なので暖かい目で見守って欲しいというよりも、「アイツ今焦ってるな」っていう瞬間がないか厳しい目で見て欲しいですね(笑)

 野球とかサッカーとか観戦してるファンの中で、プレイヤーの動きとか監督の采配とかに厳しい人っているじゃないですか?

 暖かい意見をくれる人は当然嬉しいんですけど、一回戦負けて「よく頑張ったね」って言われても「じゃあ勝つ必要ないじゃん」って思っちゃうんですよ。プロとして戦うからには勝つことを期待されて当然だと思っているので、厳しい意見も欲しいんです。そういった人ほどプレイをよく見ているという見方もあると思うので…

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結婚が話題になるのはe-Sports業界が大きくなってきている証。まさに「スポーツ選手」だと思う。

ーーいろいろ伺ってきましたが、最後は最近の話題について伺っていきます。最近「ふ〜どx倉持由香」の結婚が話題となりましたが、それを知ってまちゃぼーさんとしてはどんなお気持ちでしたか?

まちゃぼー お二人にとってとてもおめでたいことだと思います。そしてプロゲーマーがあのような形で話題になるというのはそれだけe-Sports業界が大きくなってきている証だと思っているので嬉しいですよね。野球選手とかみたいでまさに「スポーツ選手」って感じがして…

ーーまちゃぼーさんには結婚願望とかないんですか?なんか勝手にありそうなイメージ持ってるんですが…。

まちゃ 1mmもないですね(笑)僕はゲームが一番大好きなので、それ以外に時間やエネルギーを掛ける必要がある状態が望ましくないんですよ。周りの格闘ゲーマーが結婚していく中で、それと一番縁遠いのが僕だと思いますよ。今は“CAPCOM Cup 2019”に向けて精一杯取り組んで、来年以降はプロゲーマーとしてさらに成長していきたいと思っています。

ーーやっぱり生粋のゲーマーなんですね。まちゃぼーさんは今とても勢いがあるので、まずは目の前に集中したいんですね。 本日はいろいろ聞かせていただいてありがとうございました。最後にファンの人たちに向けてメッセージをお願いします!

まちゃぼー おかげさまでプロになってからたくさんの人たちから応援していただけてありがたく思っています。プロとして恥ずかしくない戦いをしていきたいと思っていますので、ぜひシビアな目で見ていただきながら応援よろしくお願いします!

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