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大塚食品の新ブランド“BRAIN SPORTS DRINK「e3」”が感じさせる「新しい挑戦」へのエネルギー【インタビュー第1回】「頭を使って戦う人たちを応援していきたい」

大塚食品は、“TOKYO GAME SHOW 2019”に合わせた2019年9月12日、新ブランド飲料「e3(イースリー)」を発表した。「esports生まれの頭のスポーツドリンク」をコンセプトとし、イメージキャラクターには人気格闘ゲーム『ストリートファイターV アーケードエディション』で活躍中のプロゲーマー「ときど」を起用。本製品は2019年9月30日から大手通販サイト『Amazon』にて先行販売が開始されている。

ファミ通AppVS編集部では、販売から約2週間を経過した2019年10月中旬に、大塚食品 飲料事業部 副部長の「小林一志」氏にインタビューを敢行。全2回でお届けするインタビュー企画の第1回として、本稿では新製品発表会の際に説明していただいた内容をもとに、製品開発のきっかけや新製品に掛ける想いを存分に語っていただいた。

新ブランドを確立すべくチャレンジする大塚食品の姿勢は、esportsを盛り上げようと奮闘するプロゲーマーやシーンを支える人たちと重なるものがあり、ゲーマーにとって共感できる部分が多いはずなので、ぜひ最後まで読んで欲しい。

※e3公式サイト

 

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大塚食品株式会社飲料事業部副部長
小林 一志氏

esportsとの出会い/取り組みについて

大塚食品がesports業界に参入したのは2016年。今回新発売となった「e3」より前からesports業界への可能性を見出していた。その参入のきっかけとなったのはさらに前の2014年。小林氏は当時学生を中心に親しまれていたビタミン炭酸飲料の「マッチ」を担当していた。

とある日、取引先の協力会社が仕事とは別に、小林氏を秋葉原のとある施設のオープニングイベントに招待。その施設というのがいまやesportsイベントが盛んに行われる「e-sports SQUARE AKIHABARA」だった。

小林氏は当初「たかがゲームのイベント」という思いがあったそうだが、現地で行われていた『LOL』の大会を観戦し、画面に向かって真剣な表情を見せるプロゲーマーやそのプレイを見て熱狂するファンたちを見てとても驚き、その新しい発見に新鮮な感覚を覚えたという。

そこからしばらくした2016年、大塚食品は「マッチ」の新ライン「マッチ セットポジション」を開発。

この「セットポジション」には「ピッチャーがランナーを背負ったときに、いったん落ち着いてからバッターに立ち向かう」といったイメージから名付けられており、高校生から大学生をメインターゲットにしていたがなかなか順調にはいかず行き詰まってしまったという。

小林氏

当初は『マッチ』ブランドを活かしたくて、「受験」などをキーワードにしていたんですが、しっくりこなかったんですよ。そんなさらなる販売戦略が必要となった時に、秋葉原での体験が記憶として呼び起こされたんです。

esportsというのは野球やサッカーに比べて肉体的な動きが少ないのですが、かといって囲碁や将棋とも異なり、すごいプレイがあったときなどに観戦している人たちの熱狂があってその雰囲気がとても衝撃だったんですよね。そんな雰囲気が「セットポジション」が持つイメージととてもマッチすることに気がついたんです。

その後、すぐさまイベントに招待してくださった協力会社さんに連絡をとって、業界関係者につないでもらった結果プロゲーミングチーム「Detonation Gaming」さんのスポンサーになることを決めました。当時、国内の飲料メーカーがスポンサーになるというのは初めてのことだったと記憶しています。

ーー確かに当時はまだesports元年と呼ばれる少し前のことでした。当時大手企業である大塚食品さんがスポンサーになったと言うのは我々からしても驚きでした。

小林氏

そこからはイベントを協賛したり、現地でサンプリング配布を行うことで一定の効果は出たんですが、新しい問題が生まれてしまいました。今度は元々「マッチ」ブランドが持つ「学生向け」というコンセプトやイメージとの擦り合わせが次第に難しくなってしまったんです。

一方で、esports業界自体は盛り上がりを見せていましたから、それならば「マッチ」ブランドには拘らず、新しいブランドラインを立ち上げようと考えたんです。これが「e3」開発のきっかけですね。

「ブレインスポーツドリンク」というカテゴリーが
これから10年後、20年後に定着することにチャレンジしていきたい。

2014年にesportsの世界に触れ、2016年には企業としてesports業界へ参入を果たし、2019年に新ブランドを立ち上げた小林氏は、当時のesports業界へは大きな可能性を見出していた。

いまでは多くの家電量販店では「esports」専用のコーナーが設けられ、プロゲーマーが実際に使用しているデバイスなどが並ぶ。これらは10年前には無かった光景であり、esportsの隆盛を感じられる一要素だ。

それはさながらプロのサッカー選手のユニフォームやスパイクを、多くの人たちが憧れを基に手にするのと同じであり、そういった本来のスポーツと同じような流れになりつつあるところに小林氏は期待感を持ったという。

しかし、飲料業界の競争は激しく、esports業界ではすでにエナジードリンク大手が参入していた状態。いくら業界が盛り上がろうともその中で頭角を表していくのは簡単ではない。

だが、小林氏は大塚食品が持つ製品開発の歴史とesports業界が辿るであろう未来に共通項を見出した。

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小林氏

現在の飲料業界では新しいブランドを作っても育ちにくいんですね。しかし、大塚食品を含めた大塚グループは、「ポカリスエット」や「カロリーメイト」、「ボンカレー」といった「新しいカテゴリー」を開拓し、定着させていったパイオニアとしての実績があるんです。

ーー確かに、言われてみればそうですね。

小林氏

「マッチ セットポジション」のつぎに開発する製品は、「新しいカテゴリー」を創出するものにしたいと考えたんです。

では、実際にどのようなカテゴリーにするかを検討したところ、esportsが「頭のスポーツ」と呼ばれることを起点に「頭を使って戦う」シーンや人のために、“ブレインスポーツドリンク”というカテゴリーにすることを決めました

ーースポーツドリンクとエナジードリンクに違いというのはあるんでしょうか?

小林氏

じつは明確な定義というのはありません。ただ、一般的なイメージというものはあって、スポーツドリンクは“電解質”が入っていたり、エナジードリンクでは瞬間的なパフォーマンスの向上を期待して“アルギニン”や“カフェイン”が入っている傾向があります。この一般的なイメージというのが重要だと考えています。

現状は「e3」もエナジードリンクと同じように捉えられているかと思いますので、まずはそのイメージを払拭して新しいカテゴリーとして周知していくことが課題ですね。

そして、ゆくゆくは「ブレインスポーツドリンク」というカテゴリーが10年後、20年後にも続き、その中で「e3」が定着していくような流れを作っていくことが我々にとってのチャレンジなんです。エナジードリンクも昔は聞かない言葉でしたし。

esports業界もまだまだこれから先どうなるかはわからない世界ですよね? 「新しい分野」を作ってみんなの力で定着させていこうという熱意は、esports業界にいらっしゃるみなさんと同じだと思っています。

※第2回は記事はこちら

 

※「e3」公式サイト
※「e3」Amazon公式サイト

取材・編集:豊泉ライター:ベックス

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