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【レインボーシックス シージ】APAC Final “野良連合 vs Aerowolf”解説 野良連合をもう一度世界で見るために

野良連合は今期プロリーグにてメンバーチェンジを経て、苦しみながらも成長と変化を遂げようとしている。世界大会へ何度も挑戦し変革を必要としているようだ。

そうでなければ、野良連合のような世界へ挑戦し続けるチームが大きくスタイルを変化させ戦うことに説明がつかない。本稿では野良連合が目指している姿や、世界一位の座を目指す為に現状の強さを捨て、痛みを伴う進化を遂げる姿を解説していく。

前提として今回戦ったAerowolfについて少し解説をする。AerowolfはFnaticのように世界大会での知名度が高くはない。しかしながら、APAC地域で毎回鬼門となるチームでありFnaticや野良連合、また昔を振り返ればFAVgamingの前身となるeiNsを苦しめてきたチームだ。

Aerowolfは昨年まで闘争の塊のようなチームであったためか、何事も撃ち合いで解決し個人技で猛威を振るわせていた。なお、今シーズンは闘争と戦略を組み合わせることに成功。弱点であった防衛の完成度の低さを、THATCHERをBANすることによって相手に手順を踏ませる中でピークし撃ち合うタイミングを多く作り出すことで、防衛の完成度を高めて解決した。

圧倒的な攻撃取得率の理由は、情報把握の速さ、そして驚異的な緩急と隙の少ないコンパクトな攻めを多用することにある。

今試合、野良連合は圧倒的な差がついての敗北となった。Aerowolfの完成された戦略に対して、明確なアンサーを得ることが出来ずに国境は2-7、ヴィラは1-7という結果と試合内容から見ると、野良連合は落とし穴にハマってしまった感じかもしれない。そんな野良連合にとって厳しい試合を、野良連合の目線に立って追っていく。

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試合後のインタビューでは、「メンタルの強さには自信があるし、人数不利を背負ってもクラッチチャンスがきたと思ってる。

だけど、Aerowolfには完敗したのでいま試合についてなにも言えない。Aeroは強すぎた」と、敗北の悔しさをあらわにした野良連合(文:編集部)

国境の落とし穴

野良連合の得意MAPと言われる国境は大差での敗北となったが、そこにはいくつかの理由がある。現在のAerowolfは、攻撃に非常に特徴があり成功率が高いチームだ。野良連合のPickマップである国境で、Aerowolfは攻撃側を選択しておりその自信を伺わせる。

何より、Aerowolfの相手に合わせた攻撃速度とそれに加えて緩急をつけることで野良連合は翻弄されてしまっていた。具体的に言えば、AerowolfがDay1で見せたライブドローンによる高速な展開は、野良連合に対しては多く使うことはなかった。

一方で野良連合としては、Day1でAerowolfが見せてきた超攻撃的を想定した守りの戦略を用いていたように思える。野良連合戦でAerowolfは、どちらかと言えば遅めの囲い込みや、ゆっくりと圧をかける遅攻で野良連合を攻め立てることを選択した。

上は、ただリスキルしているYoshiNNGOのVALKYRIEに対して誰もいなかっただけのシーンに見える。とても簡単に言えば、野良連合の防衛は序盤から個人のピークなどで相手の攻撃を乱すことで優位を取ることが多い。

Aerowolfはそれを嫌ってゆっくりと進行、とくにリスキルを警戒しミスを減らすことでラウンド勝利に繋なげていた。これは単純に、‟リスキルしているであろう場所には走っていかない”というだけのことなのだが、実際にリスキルによって野良連合は一度も先手を取ることが出来なかった。この後も、Aerowolfは余計なリスクを避けリスキルを回避し、野良連合の防衛スタイルに対する対策を張り続けていく。

野良連合は通常の守り方では優位が取れないことを鑑みて、3ラウンド目、4ラウンド目は窓口・トイレ守りを選択した。しかし、ここが落とし穴であったと考える。

そもそも窓口・トイレは意表をついた防衛ポイントであり手堅いとは言えない、しかしながら野良連合の作戦は恐らく多くのチームに有効であり、とくに日本に在籍する多くのチームには有効な作戦であったのではないだろうか。

だがAerowolfの素早いエントリーの軸は、ライブドローンとSpeakEasyのエントリーがあるからこそで、それが遊撃処理に有効であり、広く守る野良連合の遊撃を素早く処理することができる。そして人数有利をいかし十分に余りある時間をかけて囲い込むことで、窓口・トイレを手堅く攻めることが出来たと言えるだろう。

全体に渡って国境では野良連合が個人技で1人倒せても必ずと言っていいほどカバーされてトレードに持ち込まれていたことや、ゆっくりとした確実な囲い込みが野良連合の撃ち合いやピークを完全に押さえつけたことが大差をつけた原因であろう。

ヴィラの落とし穴

そしてAerowolfのPickマップだったヴィラにも、罠がしかけてあった。ひとつはDay1でもAerowolfはFnaticとの試合でヴィラをプレイしていたことだ。AerowolfはFnaticに対してライブドローンとSpeakEasyの高速なエントリーを繰り返し、ただただ撃ち合いで制したかのような高速な試合展開でFnaticと戦っていた。しかしながら国境から引き続き徹底して丁寧な処理に徹するのがAerowolfであり、野良連合とは徹底して戦わない。このような明確な意思表示が野良連合を苦しめていく試合展開になる。

 

遊撃の処理から丁寧な囲い込みをするAerowolfの攻撃だが、明らかにゆっくりとした丁寧な展開である。遊撃していたプレイヤーを確実にロックするか倒しに行く選択をし、コンパクトに書斎から攻めていた。コンパクトだが時間をかけて、そしてなるべく野良連合との撃ち合いを避けながら囲い込みをしている。

次の2ラウンド目なども含めて、野良連合の圧倒的な撃ち合いをしっかりと警戒しAerowolfがラウンドをとった。野良連合は撃ち合いを重視した闘争と知的に考えつくされた戦略の狭間で迷ってしまっているかのように、どちらともつかない防衛をしてしまっている。Aerowolfのリズムに呑まれていく野良連合といったところだろうか。

Aerowolfの防衛は少しばかりXavier Esportsを思わせる部分がある。意味がよくわらかないローミングやピークタイミング、しかしながらポイントはしっかりと人数を抑えてシンプルに正面からの撃ち合いで侵入を許さない。野良連合の4-1で別れてエントリーしていく動きが、完全に読まれてしまっていてることが良く分かる。Merieuxの動きを完全に封じられた野良連合は、攻撃では手も足も出ないままラウンドを取得されてしまうことになる。

おわりに

体調管理もプロなら出来て当然ではあるが、今回のAPAC Finalに初挑戦となったMaaviは体調不良だったため、野良連合としてはいつも以上に厳しい戦いとなった。

その上で撃ち合いはイーブンとしても、戦略で大きな差をつけられた野良連合は、その差を試合中に埋めることは出来なかった。

しかし野良連合はいま確実に進化しようとしている。その為には敗北が必要不可欠だ。野良連合はその日がくる為に、「いま一歩一歩着実に歩を進めているところ」と私には見えた。

日本プロリーグ シーズン10の戦いの中でも、野良連合は苦しんでいたように思える。そんな中でメンバーチェンジを交えながらもタクティクス・戦略性の力を高めてきた。今までの野良連合の持つ闘争の力と高い戦略性が組み合わさったとき、また日本を代表する最強チームとして立ち上がる日がくるだろう。Kizokuのダンスを再び世界で見れる日はそう遠くはないはずだ。

(文:amenbo)

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