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【ストV AE】Cygames Beast所属のイギリス人プロゲーマー・Infexiousインタビュー「ウメハラのストイックさと何事にも動じない姿に憧れた。」【Cygames Beast】

先日、千葉・幕張で行われた“CAPCOM PRO TOUR 2019 アジアプレミア”。本大会は“EVO2019”と同じスーパープレミア大会であり、唯一の国内オフライン大会という事で世界各国から強豪プレイヤーが集結。

編集部では“EVO 2019”の『ストV』部門で3位入賞を果たしたイギリスのプロゲーマー・Infexiousにインタビューを敢行。2019年6月に『Cygames Beast』に加入して以来目覚ましい活躍を見せる氏に、格闘ゲーム始めたきっかけからオリジナリティあふれるプレイスタイルへの想い、さらにはこれからの展望などを語ってもらった。

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Infexious(インフェクシャス)
Twitter:@infexiousdc
所属チーム:@CygamesBeast
Twitchチャンネル:twitch.tv/infexiousdc

イギリス在住のプロゲーマー。2019年6月にウメハラやふ~どが所属する『Cygames Beast』に加入。『ストリートファイターV アーケードエディション』を中心に活躍する。世界のトッププレイヤーを招待して行う“Red Bull Kumite 2017”では3位入賞。“CAPCOM PRO TOUR 2019”ではスーパープレミア大会“EVO 2019”での3位入賞を筆頭にオンライン大会“Online Event: Europe West”で優勝、ランキング大会“Sonic Boom 2019”で準優勝の実績を誇る。是空をメインキャラクターとしており、他のプレイヤーと違い「老」スタイルをメインにした非常に堅実なプレイスタイルが特徴。

格闘ゲームの魅力は勝敗が自己責任なこと。ハードルを越えた時の達成感が気持ち良い

ーーまずは格闘ゲームに触れたきっかけから教えてください。

Infexious 格闘ゲームは子供の頃からプレイしていました。初めて触ったのは『ストリートファイターⅡ』ですね。その後『デッドオアアライブ』シリーズでフレームなどのデータについて学び、『ストリートファイターIV』シリーズから競技としてプレイし始めました。

ーー対戦ゲームといっても今やFPSやMOBAなど様々なジャンルがありますが、格闘ゲームに注力したのはなぜでしょうか?

Infexious いろいろなジャンルの対戦ゲームをプレイしましたが、格闘ゲームの「1対1」の勝負という部分にもっとも魅力を感じました。FPSなどのようにチームを組んでプレイすることももちろん楽しいんですが、負けた時にチームメイトのせいにできてしまうんですよ。その点において、格闘ゲームの場合は勝っても負けても自己責任なのでそこが性に合っていました。

加えて、いままで勝てなかった相手に努力して勝てたときが快感なんです。困難を乗り越えた時の達成感にも惹かれて格闘ゲームを選びました。

ーー自己責任なところが魅力というのはとてもストイックなところがあるんですね。現在は「Cygames Beast」のメンバーとして活動をされていますが、プロになるまでの経緯を教えてください。

Infexious 自分の性格として「ひとつのことにしか集中できない」ところがあるんです。もともとゲームは楽しむ程度にプレイしていて、本業は学業だったんですよ。始めは大学の法学部に入って弁護士を目指していました。卒業後も弁護士事務所に入って下積みをしていたんですが、その世界が自分が思い描いていたものとは違ったんですよね。そこで弁護士の道を諦めて、今度は数学の教師になるために学校に入り直したんです。その末にようやく資格を手に入れられました。

ーー弁護士や数学の教師を目指すというのは素晴らしい目標ですね。そういった前提があってゲームの世界に飛び込むのは意外に思えます。

Infexious  プロゲーマーの話をいただけたのはタイミングがよかったんです。そもそもプロというのは全然意識していなかったんですよ。資格を取ることができたことで将来への不安がなくなり、その他にもいろいろな巡り合わせが重なった折にプロのお話をいただいたんです。

どんなキャリアになるかはまったく想像できませんでしたが、せっかくのチャンスですし「やれるところまでやり切ろう」って決意してプロのお話を受けました。

ウメハラのストイックさや何事にも動じない姿に憧れた

ーー実際にウメハラやふ〜どと同じチームメンバーになることができたことについてはどんなお気持ちですか?

Infexious 『ストIV』シリーズをプレイし始めた時にウメハラやときど、ふ〜どの対戦を見て、そのプレイに憧れを持っていたので、彼らと同じ舞台に立つことができるようになってうれしいですね。

ーーメンバー同士で交流などはあるんでしょうか?

Infexious Gamer BeeやPR Barlogとは大会で会った時に会話しますね。ウメハラやふ〜どとは言葉の壁があるのでコミュニケーションは図れないですが、大会で一緒になった時にチームで食事をとることはあります。

ーーウメハラやふ〜どに実際に会った印象はいかがでしたか?

Infexious 僕はもともとウメハラがプロとして活躍し始めた当初のストイックな取り組み方や、試合中何事にも動じない立ち振舞いに憧れて本格的に格闘ゲームに取り組む中で、「僕もそうなりたい」と決意しました。

ーーもしかしてInfexiousさんが対戦中にほとんど表情を変えないところに関係しているんですか?

Infexious 僕自身はプレイ中とそれ以外の時の二面性があって、ちょうどメインキャラクターの是空みたいな感じです(笑)。プレイ中は集中しているのもあってあまり感情を表に出さないんですが、ふだんはどちらかというと陽気な方だと思いますよ。さきほども言いましたが、ウメハラの立ち振る舞いに憧れていたので、試合中のポーカーフェイスはウメハラの影響があります。ただ、その当時から比べるといまのウメハラはだいぶ変わって表情が豊かになりましたけど(笑)。もちろん、いまのウメハラはウメハラですごく魅力的だと思います。

ーーあのポーカーフェイスはウメハラが影響を与えていたんですね。それが同じチームになって会ってみたらかなり変わってしまっていたというのは面白い話ですね(笑)

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ポーカーフェイスのイメージのあるInfexiousだが、
インタビュー中は素敵な笑顔を見せてくれた。

他人のスタイルに流されるのではなく、自分のビジョンに懸けようと思った

ーーちょうど是空の話が出ましたので『ストV』について伺っていきます。Infexiousさんが大会にで始めた『ストⅣ』シリーズの時はアーケードコントローラーを使っていたと思うんですが、『ストV』になってからはパッドでプレイされていますよね?

Infexious 『ストⅣ』シリーズを始めた時はアーケードコントローラーでしたね。当時は操作で複雑なところがありましたから。それと比べて『ストV』は操作がシンプルですので、パッドでも十分にプレイできると考えました。大会を回ることを考えるとできるだけ荷物はコンパクトにしたかったので、パッドに変更しました。

ーーシーズン4ではウメハラがレバーレスコントローラーに変更しました。デバイスの変更はかなり勇気がいることだと思いますが、不安や苦労はありませんでしたか?

Infexious 不安はなかったですね。それが自分にとって正しいことだと思っていましたから。1〜2ヶ月くらい集中して取り組めばできるようになると思っていたんですよ。決して簡単ではありませんでしたが、諦めずに続けることでやりきることができました。

ーーお話が進むにつれ、Infexiousさんは何事にも意志を強くお持ちなことがわかってきました。同じような質問ですが、『ストV』は当初ネカリを使っていましたが、その後是空に変えましたよね?

Infexious ネカリはVトリガーを発動するまでがどうしても後手に回りがちで性に合ってなかったんです。それと比べて是空は序盤から様々な選択肢が与えられているので、おもしろいと思いました。

ーー若をメインに使うプレイヤーが多い中、Infexiousさんの是空は老をメインに立ち回っています。他のプレイヤーとは違うスタイルですが、参考にしたりはしなかったんですか?

Infexious 当然参考にはしましたが、自分のスタイルについてビジョンを持っていたんです。

ーーウメハラもシーズン4のスタート時に是空を使っていました。当初は老メインのスタイルも検討していたようなんですが、難しすぎて断念したとおっしゃっていました。

Infexious そうなんですね。自分自身でも思っていましたが、ウメハラが言うくらいだからやっぱり難しいですよね(笑)。でも自分の中には実現できるプランがあったので、他のプレイヤーのスタイルに流されることなく、自分のビジョンにかけようと思って取り組みました。

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大きな手でパッドを使いこなすInfexious

練習する時間以外は音楽を聞いたり、友達と一緒にクラブに行ったりする

ーー自分のビジョンに懸けるというのはすごくカッコイイですね!しかもそれが実現出来ているのはとても素晴らしい。普段の練習はどのようにされているんですか?

Infexious オンライン対戦が中心ですね。イギリスは国の面積に比べると、割と多くのコミュニティーが各地にあると思います。南はロンドンがオフラインイベントなどがあって活発で、北は私が住んでいるマンチェスターを中心にコミュニティーが点在しています。北側はあまりオフラインイベントがないので、自然とオンラインがメインになりますね。

ーーInfexiousさんのレベルともなると実力を高めるための練習相手を捜すのが大変に見えるのですが、いかがでしょうか?

Infexious まず、イギリスを含めたヨーロッパのコミュニティーは、日本やアメリカと違って国を越えて協力しています。ヨーロッパコミュニティーはTwitterなどのSNSを使って連絡を取り合って、ラウンジ対戦を行ったり、攻略情報の交換をしています。ヨーロッパではイギリスのほかにフランスが活発で、最近はドイツなどのレベルも上がってきていますし、西欧から北欧にかけてはネットワークも比較的整備されていますので、完璧な環境ではありませんが練習にはなります。

ーー取り組み方や時間の使い方はどのようにされていますか?

Infexious 練習は「トレーニングモード〜オンライン対戦〜リプレイの見直し〜YouTubeでの研究」といったサイクルですね。取り組む時間は大会前とそれ以外で結構変わりますが、平均して毎日6〜8時間は費やしています。

ーー毎日6〜8時間ってことだと立派な仕事ですよね。余暇はどうされてるんですか?

Infexious ゲームをプレイしない時は音楽を聴いてますね。あとは家族と時間を過ごしたり、友達と夜にクラブに行ったりしますよ。その辺りは他の人たちと変わらないですね。日本のゲーマーはクラブとかが苦手な印象があるので、その辺りに違いを感じます(笑)

今後の大会は対策される側。でもその困難を乗り越えるのも楽しみのひとつ

ーー確かに日本のゲーマーはクラブにはあまり行かないような気がします(笑)。いろいろとお話を伺いましたが、最後はこれからの展望について聞かせてください。プロゲーマーとしてこの先のビジョンはありますか?

Infexious 今年6月に「Cygames Beast」に加入して以来、“CAPCOM PRO TOUR 2019”をまわり始め、幸いにも早い段階で結果を出すことができました。そのおかげで“CAPCOM CUP 2019”へ出場できそうなことがとても嬉しいんです。

いまは“CAPCOM CUP 2019”に向けた長い道のりが少しでもいいものになるように、着実な取り組みをする時期だと考えています。ですので、大会の結果を追い求めすぎず、大会経験が次に活きるように「目の前の目標」をいくつも設定してひとつずつクリアーしていくことを考えています。まずは過去の大会でボンちゃんに2回も負けているので、つぎは絶対に勝ちたいと考えています。

ーーツアーへの参加が他のプレイヤーより遅かったのに、現時点で“CAPCOM CUP 2019”への出場確定ラインに居るというのは驚異的です。今後は注目プレイヤーとして対策されるようになることが予想されますが、プレッシャーなどはありませんか?

Infexious プレッシャーや不安は感じていません。むしろモチベーションがすごく高いんですよ。確かに、これからはどんどん対策されて勝つことが難しくなってくると思います。でも、その困難を乗り越えて結果を出せれば大きな達成感が得られるんじゃないでしょうか。ですので、ナーバスなるよりかはアグレッシブに楽しんでいきたいですね。まだまだチャレンジャーの気持ちです。

ーー困難も楽しみというのはInfexiousさんらしい考え方ですね。ふ~どさんも「対策されても勝つことができたら本当のプロ」とインタビューで仰っていましたので、ぜひがんばってほしいです。最後に日本ファンへ向けてのメッセージをいただけますか?

Infexious 世界のファンやプレイヤーから応援していただけるようになってとても光栄です。特に日本のプレイヤーにはチームに入ってからいろいろとサポートやアドバイスをしてもらって感謝しています。今後も活躍していけるように頑張っていきますのでよろしくお願いします!

 

編集:豊泉ライター:ベックス

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