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【レインボーシックス シージ】プロリーグシーズン10“GUTS vs USG”解説 “流行”の裏をかき続けるUSGと、オールラウンダーGUTSの戦略の幅広さを解説

ユービーアイソフトより発売中のタクティカルシューター『レインボーシックス シージ』PC版プロリーグ シーズン10。本稿では、Day12に行われたUnsold Stuff Gaming vs GUTS Gamingを解説する。

突然だが、本作『レインボーシックス シージ』には“流行”という観念が存在する。マップ研究などによって、誰かが見出した各シーズン各マップでの攻守の方法が、いつしかプレイヤー間でのメジャーな共通認識、それがすなわち“流行”として確立される。

今試合では、Unsold Stuff Gaming (以下、USG)とGUTS Gaming (以下、GUTS)ともに“流行”に対してカウンターを浴びせるような試合を展開していた。本稿では、今シーズンでの“流行”に沿ったスタンダードな方法と共に、マップ毎に、一風変わった両チームの攻守を解説していく。

① クラブハウス地下 USG攻撃編

まずは、今シーズンのスタンダードな地下への攻め方の傾向だが、武器保管室ではなく祭壇へ詰めるプランが多い。

理由としては、KAIDというオペレーターのガジェットとインパクトグレネードによる補強ハッチ破壊の無効化が大きいだろう。これにより、従来まであったキッチンからの突発的なエントリーが許されなくなってしまい、詰める前に対策がされやすくなってしまった。そのため、最近は祭壇W側の補強を破壊して射線を増やし、収納室側からもクロスを組んで、祭壇側のプレイヤーを壊滅させる作戦を、今シーズン様々なチームが行っている。

だがUSGの攻めは、キッチン上からの突き下げ1名、収納室側へ2名、トンネルから1名が武器保管室に圧をかけることでハッチを守れなくさせる戦術を試みていた。4ラウンド目のサッチャーの動きに注目すると、トンネルを守っていた選手に対してガレージ側の超ロングでクロスを組んでおり、マップの理解度がかなり深い事も窺える。

こうした比較的珍しい攻め方の利点としては初見で対応しづらいこともあるが、もう一つ、「想定と違うポイントを攻めることで相手に新たな“選択肢”を生み出すことができ、ピックや人員配置などで読み合いに持ち込むことができる」といった点が挙げられる。択を増やされることで、一つ一つの行動に迷いを生じさせることは、このゲームでは明確なアドバンテージになるだろう。

しかし、GUTSの対応には微塵も抜かりはなかった。武器保管室を取った次のラウンドではUSGは祭壇攻めに切り替えるも、GUTSは前回のラウンドを引きずることなく祭壇守りを遂行した。地下守りで遊撃を展開するなど、チームとしての手数の多さも見てとれた。

② クラブハウス地下 GUTS編

そしてこの試合で最も驚かされたのは、GUTSも武器保管室攻めを選択していたことである。しかもUSGが見せたような攻めとはまた違い、トンネルが一方通行なのを利用し、無理矢理人数有利の獲得やカバーを行って、ハッチの補強の有無に関わらず、一気にトンネルから雪崩のように押し寄せる形であった。

一見するとゴリ押しのように見えるが、USGと同じように武器保管室を突き下げして敵をE側に追いやり、収納室側の人間とクロスを組む基本プロセスは変わらない。実際武器保管室を殲滅することができれば、防衛側のリテイクを防ぐ射線も少ないため、理にかなった作戦と言えるだろう。

予め用意していたか、はたまたUSGの動きに触発されたかは定かではないが、ここでもGUTSは手数の多さを披露することが出来ていた。

USGはトンネルにアクティブ・ディフェンス・システムを設置するなど、かなり武器保管室に偏った防衛を行っていたが、それでもGUTSの巧みなカバーの前ではなすすべがなかった。

次の試合のカフェでもそうなのだが、USG防衛は一貫してピークによるキルで人数を削り続け、ラウンドを完結させようとする節がある。防衛側がどこにいるか攻撃側から分かりやすいため、安直なピークでは不利である。更に、遊撃に構う必要もあまりない攻めであったため、USGの地下防衛スタイルはあまり刺さらなかった。個人的には武器保管室へ偏らせるならば、スモークやエラなど、相手の歩みを遅らせるオペレーターを積極的にピックして前線で戦わせるのも、対抗策の一種であると筆者は考える。

少し話が脱線してしまったが、両チームとも、今の“流行”とは異なった武器保管室攻めであり、筆者も観戦していてかなり楽しかった。

本稿ではあまり触れないが、USGは地下以外の攻めでも綺麗な詰めを見せており、3ラウンド目を見てみると、チーム全体で変則的な緩急をつけることで、目標へ直接通じる補強壁が割れていないにもかかわらず、ラウンドの奪取に成功している。是非注目していただきたい。

二試合目のカフェでも、あまり日本プロリーグでは見られないような、珍しい攻防を見ることができたため、内容をピックアップして解説していく。

③ カフェ USG攻撃編

リワークしてからの読書室と暖炉ホール、バーとカクテルラウンジ攻めの現在の“流行”は、W側からの進行に重きを置いた攻めである。簡潔に説明すると、シガー側を抑えた後、ガジェットを使いながらバーと白い通路どちらかを進行する動きである。カフェで1の動きをするプレイヤーはどのチームにも大体いるが、部隊を分担して動くチームはあまり見ない。

しかし、USGは最終的にはE側2人、シガー進行3人と、カクテル側に重点的に圧をかける攻め方だった。カクテル側に動きを制限させることで、動きづらくなっているところをWと一緒に殲滅しにかかるプレイスタイルだった。シガー側をそこまで守らず現地を固めているGUTSの守りには効果覿面であり、対応に困っている場面も見受けられた。

このUSGの攻め自体はGUTSに刺さっていたが、2ラウンド目で見られた、洗面台をショックワイヤーで餅つきするなどのGUTS側の大胆な機転の利かせ方や、USG側でところどころに見受けられた射線の被り、終盤での時間不足によりラウンド3-3でUSG攻撃は幕を閉じた。

④ カフェ USG防衛編

ここではあえてGUTS攻撃ではなくUSG防衛と書き記した。というのも、このラウンドにおいて先に仕掛けたのはUSGだったからである。展開型シールドをふんだんに使って、GUTSのエントリーに対して狂気とも捉えられるほどの闘争心で打ち合い勝負を挑んでいった。シガー側を守るチームは多くみかけるが、ここまで積極的なピークをするチームは珍しかった。

しかしこの作戦を行うにあたって重要な、ピークの引き際をUSGは設定していなかった。そうなった場合、一方的に有利を取れるのは攻撃側のGUTSである。

このシーンを見てみると、残り時間は50秒、バー倉庫もヒートチャージが貼られていない状況である。ここで防衛側は、敵が見ているかもしれない場所へピークして、リスクを背負う意味はほぼないと言っていい。

このようにカフェ防衛では、USGは目先の敵にしか意識が向かっておらず、試合全体の流れを無視するような動きが目立った。メリットとデメリットをそれぞれ天秤にかけることのない動きは、必然的に負けへ直結する。

“流行”に沿った戦略も、カウンターとなる戦略も、どちらも立ち回りの基礎に則って作られている。わざわざ自ら、デメリットの多い撃ち合いに挑んでゆくことは作戦とは言いがたい。ロスター変更して間もないUSG、奇をてらっただけのような作戦ではなく、今一度カフェ防衛だけでなく他マップでも、クラブハウスやカフェ攻めのようなしっかりとした、かつ意外性を持つ戦略を組み立てられれば、今後も更なる躍進が望めるだろう。

ここまでUSGの批判となってしまったが、同時にGUTSの攻撃の組み立て方は素晴らしかった。丁寧な正攻法でありながら、かつ敵プレイヤーの意識の外からも攻めることができる、万能な攻めを見せてくれた。

ドローンで敵の枚数を確認した後、9ラウンド目のような素早いプランターのハッチ降りや、11ラウンド目のような、攻めるベクトルの素早い変更など、GUTSに元々定評のあった防衛での情報共有能力と統率力が、攻撃にも如実に現れ始めている。今シーズン著しい成長を遂げているGUTS、次シーズンも楽しみだ。

終わりに

本稿の④ではUSGの作戦の誤りを重点的に挙げてしまったが、前述したような、従来のセオリーを壊すような攻守をアクティブに行うチームは、シーンの成長において貴重である。

新鮮なアイデアの試行錯誤が“流行”を生み出していく。USGだけでなく、各日本チームが日々研鑽し、やがては日本プロリーグが新しい“流行”を築くことができるようになれる日を、筆者としても強く待ち望んでいる。

文:NAOTO

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