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【ストV AE】マルチに活躍するプロゲーマー・ふ〜どインタビュー「先が見えないからこそおもしろい」【Cygames Beast】

人気対戦格闘ゲーム『ストリートファイターV アーケードエディション』を中心に活躍するプロゲーマー・ふ〜ど。“EVO 2011”の『スーパーストリートファイターⅣ アーケードエディション』での優勝を筆頭に多くの実績を残している日本筆頭の格闘ゲームプレイヤーだ。

編集部は今なおトップを走り続けるふ〜どにインタビューを敢行。強さの秘訣となる考え方や強者ならではの悩み、プロゲーマーとしてのこれからやesports業界への思いなど多くを語ってもらった。

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ふ〜ど
Twitter:@TheFuudo
所属チーム:@CygamesBeast
Twitchチャンネル:DaigotheBeasTV

Cygames Beast所属のプロゲーマーであり、『ストV AE』を中心に世界のトッププレイヤーとして活躍する。過去には『バーチャファイター』シリーズや『ガンスリンガーストラトス』など多方面の対戦ゲームでトップの成績を収めている。また、ウメハラのTwitchチャンネル「DaigotheBeasTV」で、視聴者参加型番組「ジコケンTV」の配信を精力的に行なっている。

強くなるための継続的な努力が大事

ーー“CPT 2019”ではグローバルポイントランキング7位、1460Pt(9月時点)とかなりの好成績を残していますが、ご自身としての評価はいかがですか?

ふ〜ど まずはツアーの序盤からポイントを稼ぐことができて“CAPCOM CUP 2019”への出場が確定ラインにいるので、そこは良かったですよね。ただ僕って2018年に香港で行われた“Esports Festival Hong Kong 2018”を最後に、優勝がないんですよ。そこは少し気にしてますね。

ーー確かにふ〜どさんは常に上位にいるものの、優勝の機会が少ないように思います。それに対して何か対策をされていますか?

ふ〜ど 成績に関して気にしてはいますけど、あまり気負わずに長い目で見てます。っていうのも大会の結果って水物じゃないですか。日頃からプレイングを見直して試合内容をよくしたり、練習したりといった「強くなるための具体的な取り組み」を継続することが大事なんですよね。僕はそれを正しいと思って欠かさず続けているので、「そのうち結果はついてくるだろう」っていう心境なんです。ただ、最近はその長い目で見ることが勝ちきれない要因の一つかもと考えていて、滝行に行ったりといった今までやってこなかった「オカルト」に挑戦したりしてますね(笑)

ーー滝行はユニークで今までのふ〜どさんらしからぬ取り組みですね(笑)シーズン4ではバーディーを投入して、最初の大型大会“EVO Japan 2019”で準優勝でした。ふ〜どさんは過去の実績からも短期間で上達するイメージが強いんですけど、どのような取り組み方をされているんでしょうか?

ふ〜ど まわりからは器用って思われることもあるんですけど、そんなことは全然なくて・・・。シンプルな話で「費やした時間」が違うんだと思いますね。持論なんですけど、そもそも「器用」って取り組みに費やした時間に対して結果がどうだったのかって話だと思うんですよ。でも費やした時間って他の人には見えないとこですよね。僕の場合バーディーを死ぬほど練習していたんですよ。普段は出来るだけオフラインで練習するようにしているんですが、バーディーに関してはオンライン対戦もかなりやりました。

そもそも使い始めたのも“CAPCOM Cup 2018”のクリスT対策でしたし、シーズン4になってから使い始めたわけじゃないんです。僕の場合「これはイイ!」って思ったことに迷わず時間を費やせるんですよ。その思い切りの良さと集中力が周りのプロゲーマーと比較した時の特性だと考えていますね。

昔の大会は優勝以外認められなかったけど、今はアベレージが評価される

ーープロたるものやっぱり見えないところでたくさんの努力をされているんですね。周りのプロゲーマーという言葉がありましたが、“CPT 2019”全体を通した印象というのは例年と比べていかがでしょうか?

ふ〜ど それほど大差ないですね。強い人がきちんと結果を出していてメンツが安定しています。変わったところで言えばシーズン3までって海外のプレイヤー、特に若手が目立ってきていたと思うんですよ。それと比較してシーズン4は日本の若手プレイヤーがかなり強くなってきていると思いますね。

今までって若手プレイヤーがプレミア大会でトップ8に入ったりすると「スゴイじゃん!よくやったね!」って感じだったんですけど、最近ってそれが自然になりつつあって。それってしっかり実力を伸ばしてきたからこその結果だから、良い傾向だと思いますね。

ーー確かに若手については今や取り立てて騒ぐことではなくなって来ていると今気づきました。一方でふ〜どさんを含めたトッププレイヤーは安定しているような情勢ですが、そこからさらなる取り組みを続けるというのはモチベーション的にどうなんでしょうか?

ふ〜ど 昔の大会はそもそも優勝しか価値が認められてなかったんですよね。それが今はツアー形式なこともあって「アベレージが高い」っていうのが評価されるようになってきています。

それ自体はありがたいんですけど、現状はポイントはもういらないじゃないですか? 必要な時って9位とかでも嬉しいんですけど、今はもう2位でも嬉しくない。だからいまの僕にとっては結局優勝しか価値がないんですよ。すごく悔しいし、もどかしいです。じつは目標って小さいものが多くあるほど幸せなことだなあって思うんですよ。

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結果がついてきていたのは自分が「理屈」でプレイしているから

ーーそれはふ〜どさんみたいな強者だからこそ抱える悩みですね。ふ~どさんは現在メインでプレイしていないタイトルでも強さを保っているイメージがあります。強さを保てるのはなぜでしょうか?

ふ〜ど 僕の場合、「この状況はこうする」とか「予め答えを決めて、それを選択する」という「理屈」の部分でまずは戦うんですね。それって「手先の精度」と違ってゲームが変わらない限り不変じゃないですか? だから期間が空いても劣化しないんですよね。もしそれで勝てなくなったとするとそれは相手の「理屈」が上回っているわけで、こちらが本質的に弱くなっているわけではないんですよ。そうなった時はこっちもさらにアップデートすれば良いわけです。

ーー話を聞くとシンプルですけど、なかなかそれを実践できる人っていない気がします……。でもその考え方や取り組み方が『ストリートファイター』や『バーチャファイター』シリーズなど、さまざまなタイトルで活躍できるポイントなんでしょうか?

ふ〜ど 『バーチャ』についてはもう新規が入ってこないですからね。実質同窓会です(笑)。『バーチャ』は今でも好きなんですよ。今や『鉄拳』シリーズが3D格闘ゲームの筆頭ですけど、『バーチャ』にもその時代はあったわけじゃないですか? 『バーチャ』が盛り上がっていた時代が今のesports隆盛の時代とリンクしていれば、僕の立場ってまた全然違ったものだった気がするんですよね。ぜひ新作が出て欲しいですね。

まずはスポーツが通ってきた道を踏襲しようと考えて、アナリストとデータ分析を始めた

ーーふ〜どさんは数少ない2Dと3Dの両方で結果を出しているプレイヤーですから、確かに違った未来もあったように思います。仰る通り昨今はesportsが盛り上がって、多くの人に浸透してきていますが、その中で今後はどのような活動をしていくおつもりでしょうか?

ふ〜ど 僕は自分自身の今のプロゲーマーとしての環境ってかなりベストに近いものだと考えているんですよ。なので「どうやって続けていくか」がテーマなんです。プロゲーマーとして生き残るために、大会で活躍する以外にも、配信であったりとかこういったインタビュー、あとは他の人に教えたりといった「露出を多くする」、「影響力を高める」ことが必要だと思っていますね。

ーー確かに最近は配信などで新しい企画を精力的に行なっていますよね。その中でも「データ分析」の企画はとても新鮮でした。

ふ〜ど データ分析を始めた発端は、今後e-Sportsがきちんとスポーツとして成長していくために必要だなってところからなんですよね。今までは格闘ゲームをプレイするっていうのは遊びだったわけで、適当だったんですよ。でもそれがスポーツであったりビジネスであったりって変わっていくのであればより厳密になっていくべきなんですよね。なので、今はスポーツが通ってきた道を踏襲するっていう意識がありますね。

ーーデータ分析っていうのは現代スポーツでも必須とされていますからね。FAV Gamingでも『レインボーシックスシージ』でデータ分析というのは行なっていますが、格闘ゲームで実際に行なってみてどうでしたか?

ふ〜ど 配信を応援してくれている有志のアナリストがやってくれているんですけど、全くゲームを知らない人からアドバイスをもらうっていうのは新鮮でしたね。「この状況の後ってこういう行動とって負けてますよ」とか言われて……。それが対戦相手だったら素直に受け取れずに「コイツ自分が勝つための布石じゃないだろうな?」とか考えちゃうんですけど、データって100%客観的じゃないですか。だから参考にする上ではとても良いものでしたね。

企画自体はまだ始めたばっかりで「なんのデータが必要か」すら明確じゃないんですよ。だから一通り試合内容をチェックしてデータを作った後に「やっぱりこのデータも欲しい」とかどんどん変わったり増えたりして・・・。そうなるとまた最初からチェックしなきゃいけないんで途方も無い作業なんですよね。でもそういった形でサポートしてくれる人がいるっていうのは正に応援になっていて、そのやり取りの過程でファンと親密になることができることに気づけたのもやって良かったって思えるポイントでしたね。

ーーファンが推しのプレイヤーのためにできることって実は色々あるんですね。その他の新しい取り組みということだと、“TOKYO GAME SHOW 2019”で発表された倉持さんがプロデュースする女性ゲーミングチーム『G-STAR  Gaming』に特別講師として参加されましたね。

ふ〜ど 『G-STAR』についても頑張っていきたいですね。テレビゲームって老若男女が参加できるところが魅力の一つじゃ無いですか? でも今の格闘ゲームって圧倒的に男性の方が活躍しているんですよ。将棋もそういう傾向なんですけど、でも本来的にそういった男女の差ってないと思っているんで、僕が講師として携わることによってその辺りを明らかにしていきたいんですよね。

ーー教えるのっていうのはふ〜どさんご自身の活動もある中でなかなか難しそうですね。

ふ~ど 昔のゲーセン文化って現役のプレイヤー同士が情報交換っていう形で教えあってたんですよ。今は家庭用が主流になってきてそれも変わってきましたが、なるべく講師とプレイヤーっていう上下関係じゃなくてフラットな感じでいきたいですね。

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先駆者として新しい道を作るのが醍醐味

ーープロゲーマーとしての取り組みについて色々お伺いしました。最後になりますが、e-Sports業界の発展に関連してご自身のキャリアビジョンはありますか?

ふ〜ど 目の前の目標っていうことだと今までお話しした取り組みを頑張るってことですね。格闘ゲームで言えばウメハラさんの功績は偉大なわけですけど、それはなぞれないんですよね。そもそもなぞるのって好きじゃ無いし。だったら楽しいことややり方を選んだ上で「こういう形でもプロとして生きていけるかもしれないよ」というところを見せていきたいんですよ。それがプロゲーマーっていう仕事の醍醐味だと思ってますね。

ーー新しい道を作る立場であることが醍醐味っていうのは先駆者ならではのお考えですね。今後e-Sports業界が発展していくために必要なことはなんでしょうか?

ふ〜ど 格闘ゲームは、僕らの世代やもう少し上の世代で流行だったんですよね。そこからすると、新しい世代って格闘ゲームが主流じゃ無いから始める理由がないんですよ。

現行の大会は「最強プレイヤーを決める」という競技性を追求していますが、今後は「多くの人が参加する」とか「たくさんのスポンサーがつく」という部分を追求した大会作りも大事だと思っています。なぜなら、多くの人が参加することで、その分すごい才能が発掘される可能性が上がるし、さらにそれを伸ばすこともできて、結果的に業界がさらに盛り上がると思います。

そういったことでは今までと違う形式での大会である“ストリートファイターリーグ”や2020年にインテルが開催する国際eSports大会“Intel World Open”に期待したいですね。

編集:豊泉、ライター:ベックス

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