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いつでもesportsを楽しめるカフェ‟ACADEMIA” 実店舗とプロチームの運営を行う訳とは

2019年8月5日、大阪心斎橋に‟E-Sports Cafe ACADEMIA(イー スポーツ カフェ アカデミア)”がオープンした。このesportsカフェは、観戦専用のカウンター席もあり、ゲームをプレイする人とトーナメントを視聴したい人どちらも楽しめる施設になっている。

オープンを前に行われた内部の見学イベントに赴き、店長の西森氏にインタビューを敢行した。また、アカデミアが運営するプロゲーミングチーム‟Team Selector”所属の‟きのこゲンジ”にも話を聞いた。

充実の貸出し機材、女性席の完備

店内には、全12席のプレイ席と観戦が楽しめるバーカウンター7席、マウスやキーボードなどの様々な貸し出し機器が用意されている。機材の中には、スポンサーであるスウェーデンのesports機器ブランド‟Xtrfy”の日本未発売モデル(8月5日時点)もあり、アカデミアならではの体験ができるようになっている。また、プレイ席のうち3席が女性専用で、使用機器も女性向けにセレクトするというこだわりも見えた。

各席に設置してある最新型ゲーミングPCでは、『Apex Legends』、『PUBG』、『Fortnite』のバトルロイヤルをはじめ、『Leage of Legends』や『Rainbow Six Siege』といった人気esportsタイトルがプレイ可能だ。今後は、『CS:GO』、『鉄拳』、『シャドウバース』なども順次実装していくとのこと。

店舗内でイベントを開催する予定もあるようで、関西におけるesportsの拠点のひとつとして機能していくのではないだろうか。

sub5_compressed大阪のアメ村付近にある。カジュアルで、誰でも入りやすい雰囲気
sub4プレイ席の一部。奥には、電動式昇降ゲーミングデスクが見える
(写真は、プレスリリースより引用)

店長の西森氏インタビュー

実店舗を構えたきっかけ、esportsに興味を持ち開店に至るまでの道のりや『Apex Legends』部門、『PUBG Mobile』部門、ストリーマー部門がある‟Team Selector”の運営を並行することについて伺った。また、過去のオーナーを務めていた‟Avengers”、今後の展望も聞くことができた。

西森さん店長の西森さん

――まず、店舗を作り、運営しようと思われたきっかけをお聞かせください。

西森氏 元々、自分が『PUBG』のAvengersというチームのオーナーをやっていて、選手のセカンドライフの確立をしたい気持ちがありました。そこで、esportsカフェを作れば引退後の受け皿になると、少し軽い気持ちで考え始めたのが最初のきっかけですね。

一時期、Twitter上で、どれだけ頑張ってもチームから数万円程度の報酬しか出ない、今はよくても未来がない、というような発言を見かけたり、そういったことが書かれた記事を読んでいました。

会社を経営、PCの修理の仕事をしていたんですが、専門的な技術やその習得までの時間が必要な職業は難しいかもしれないと考え、esportsカフェに行きつきました。店舗に大会に出ていた選手がいたら、知っている人は会いたくなるかもしれないですし、面白いかなと。

――その構想は、どれぐらい前からされてたのでしょうか。

西森氏 去年の9月、10月あたりですね。東京ゲームショウのPJSステージにAvengersが出場して、結果はプール落ちでしたが。試合を配信で視聴したり、活躍しているのを直で見てきて、今後のことで何か協力できたらいいなと感じていました。実際に雇用している方の中にも、Avengersの選手だった子がいます。

カフェ名義のTwitterアカウントを作ったのが、同年の11月か12月で、そこからは実現させたいなぁと思っていました。でも、お金もないですし、どうすればいいのかと悩んでいました。そこにオーナーの金井が、「私もesports を盛り上げたいから一緒にお店をやろう」と言ってくださって実現しました。

――チームのオーナーをされていたという事ですが、esportsに興味を持たれたのはいつ頃ですか?

西森氏 『PUBG』からです。自分自身そこそこ上手かったのかなと……。一般プレイヤーにしては上手い程度のですが(笑)
スクリムに参加していたりしていて、競技シーンに憧れはあったんですが、仕事もあったので、自分が競技に出るというのは考えられなかったんですよね。一方で、周りのフレンドが有名な大会とかで勝っているのを見て、いいなぁと思ってました。

――ご自身が選手になるという選択肢を考えたりされませんでしたか?

西森氏 スクリムに出ていたのも半分遊び感覚で、素人に毛が生えたくらいでしたし。でも、そこで選手の皆と知り合えたのはよかったです。

――元選手だった人がチームを持ったり、色々な形で市場に参入するのはよく耳にしますが、いちプレイヤーから本格的な店舗を開店するのは中々の気概が必要ですよね。

西森氏 費用は大分かかっていますが、かなりわがままなので、凝りに凝ってます(笑)

ちょっと言い方が悪くなりますが、他のesportsカフェを見たとき、ネットカフェよりちょっと良いPCを置いて、マウスも普通のものだったり、esportsじゃないなぁと感じました。
‟スポーツ”というからには、しっかりしたデバイスを揃えると思うんですよ。サッカーならスパイク、野球ならグローブとバットと、道具にこだわらない選手はいないですし。

その手助けではないですが、貸出しデバイスを数多く取り揃えているのも、「このデバイス良いな、買いたいな」とお客様に感じてもらう為です。自分に最適な環境を見つけられるように、ここで体験して貰えれば嬉しいですね。

ゲーミングチェア、モニター、ヘッドセット、マウスとキーボードも全部にこだわっています。というより、逆にこだわってない部分がないくらいです。

マウス貸出貸出し機器のマウス
キーボード貸出貸出し機器のキーボード
ファイナルマウス貸出
人気のファイナルマウス

――短期間でこれほどまでのesportsカフェを開店されましたが、グランドオープンを控えた今の心境はいかがでしょう。(取材日はオープン前)

西森氏 店舗を作った達成感の反面、お客様がどれぐらい来てくれるのか不安なこともあります。他店を訪問したときのお客様の様子や、自身が30分~1時間で満足してしまったりしたので、少し心配なところもありました。

ただ、Xtrfyの方も店舗に来てくださった際、「長居したくなる」というコメントをいただいたんですが、そういう施設になるよう心掛けていますし、これからも継続していきます。

――現代の環境下では、ゲームをするだけならオンライン上で完結してしまいますが、店舗に来たいと思える設計がされてるんですね。

西森氏 PCを持っている人が、うちに来たいと感じてもらえるような環境にする必要がありました。ネットカフェに行って、自宅スペックの方が良い、デバイスも自分の物だしと言う人も、ざらにいらっしゃると思うんですよ。
そうなった時に付加価値をどうやって見出すかと考えて、すべての機材にこだわって、1席あたり原価でも50万円くらい掛けています。この環境を学生が買えるかというと、皆がみんな買える訳じゃないですし、PCを持っている人、持ってない人問わず、店舗に来てもらいスペックの高さを感じ、自分に最適な環境を探って欲しいです。

――ゲームタイトルも増やすとのことですが、座席や店舗設備もアップデートされるのでしょうか。

西森氏 8月中旬あたりにクラウドファンディングをしようかなと思っています。座席を増やすのはもちろん、まだまだデバイスの数が少ないので、もっと多くの種類を揃えようとしています。
そこで協力していただける方を募って、現在から10席拡張して、22席まで増やそうと計画しています。

店内2
観戦も可能なバーカウンター
ここで世界大会を見たりしたら、大勢で盛り上がれそう

――esportsカフェとプロチーム‟Team Selector”を並行して運営されてますよね。『Apex Legends』部門は日本1位のきのこゲンジさんを擁しています。

西森氏 『Apex Legends』部門にきのこゲンジ君を招き入れたのは、単純にきのこゲンジ君と仲良いという事もあるんですが、正直なところ、彼を有名にしたかったんですよ。きのこゲンジ君がいたら、チームだけじゃなくて選手の宣伝にもなるかなぁと。

esportsチームに関する噂話なども耳にしますが、現状の選手を取り巻く環境を変えるためにも、お店自体が彼らのインフルエンサーになったり、今後の手助けも出来れば、嬉しいですね。

――所属されている‟きのこゲンジ”さんとは、いつ知り合われたんですか?

西森氏 『PUBG』のフレンドの繋がりで、いっしょにパーティを組んだ時ですね。この子上手いなと感じつつ、声が若いので何歳か聞いたら、「小学6年生ですよ」と返事がきて、思わず嘘やろと言ってしまいました(笑)いまでも、礼儀も正しくて、謙虚な子という印象があります。

――以前インタビューさせていただきましたが、とても礼儀正しく丁寧な方だと感じました。
少し話は変わりますが、『PUBG Mobile』部門、モバイルに展開した経緯をお聞かせください。

西森氏 元々Avengersにも『PUBG Mobile』の部門があったのですが、Avengersが解散してしまっていて……。
選手たちのことを尊敬していましたし、世界大会に出たいと言っていたこともあり、うちの部門として持つことを決めました。昨年のPMSCで1位になったSaltGea君もいて、Team Selectorの部門になりました。

――Avengersさんは、ファミ通主催のイベントにも出場していただいたことを覚えています。

西森氏 そうでしたね。ただ、その頃は、『PUBG Mobile』部門を持っているチームがあまりなかったんですよね。『PUBG』はモバイル版もやってましたし、情報も集めていたので、今後の競技シーンに発展すると感じていて。
じゃぁ、いまの内に強いプレイヤーを揃えたいと思い、Twitterでぽろっと言ったところ、DMをしてくれた子たちがいたんです。

PC版のAvengersを見ていて、Erangelのスクリムで負けたことありません、といった内容をとても丁寧な文章を送ってくれたんですよ。そこから面接して、入ってもらいました。

――Team Selectorを立ち上げ、『Apex Legends』部門で日本一になり、ポーランドで行われる国際イベントにも出場が決定しています。

西森氏 過去Avengersに所属していた選手の中には、世界大会に行った選手もいますし、本当に人に恵まれています。

カフェを作るのにも周りの方に援助していただいていて、僕一人では無理だったことが出来ているので、すごく感謝しています。テナントのオーナーさん、デバイスや周辺機器のメーカーさん、色々な方にご協力いただき、提供していただけると思ってもいない物まで提供してもらっています。本当に有り難いです。

――冒頭に「受け皿を作りたい」というお話をされていましたが、今後はどのような展開をされていくのでしょうか。

西森氏 ゆくゆくは、2店舗目、3店舗目と増やしていき、大阪から有名な選手を輩出できたらいいなと思います。
Team Selectorも実店舗もすごいと認めて貰えるようにしていきたいです。

Team Selector所属‟きのこゲンジ”

以前、‟FPSの申し子”として紹介した、きのこゲンジ。『Apex Legends』の日本サーバーでランク1位(8月3日時点)を獲得するだけでなく、オクタンのキル数において世界記録を保持したりと、14歳とは思えない規格外の実力の持ち主。

今回は、アカデミアで行われたイベントに登場した後、実際にPCや機材を使ってみた感想や国際大会などについて聞いた。

e23eqe_compressedきのこゲンジ: Twitter

――きのこゲンジさんは、Team Selectorがプロチームとして初めての活動ですよね。チームに所属して環境は変わりましたか?

きのこゲンジ PCの環境面では、Xtrfy様やBenQ様からデバイスをご提供していただいています。メーカー様に認めてもらえるのは、プロとしてとても嬉しいです。チームとしてサポートしてもらえて、大会なども積極的に参加させてもらえますし、僕が求めていたものがここにあります。

――西森さんもきのこゲンジさんのプレイセンスを絶賛していました。『Apex Legends』で日本サーバーランク1位など中学生にしてトッププレイヤーですが、普段のプレイで意識されていることはありますか?

きのこゲンジ 楽しくやるという意識を持ち続けていたい反面、結果が全ての世界なので、常に勝つにはどうするかも考えなけれななりません。

僕は、個人プレイが上達すれば、チームも強くなると考えています。強い3人が連携したら、当然ながら強大なチームになると。強い個人は連携も言うまでもなく上手い。いざ1人になっても、戦況をひっくり返す力が絶対に必要だと思っています。なので、多数の敵と一人で戦う意識をいつも持っています。『Apex Legends』に実装されたソロモードは、僕にとって、その練習をする絶好の機会でした。

――店舗に初めて来て、色々なデバイスが揃えてあったり、直接チームの方と会ったりした印象はいかがでしょう。

きのこゲンジ 高性能な機材が揃っていて、とても良い環境でした。近くにあったら時間があるときに行ってみたいと思える場所です。これだけデバイスが揃っているのは、すごいと感じました。どれも高価なものなので、試せるのは嬉しいですね。自分にあったものを選べ、失敗を防げるのも大きいです。

今回、人前でプレイすることに関して、最初は少し緊張しましたが、実際はそれほど気になりませんでした。次は、もっと大きなステージでプレイしてみたいです。

――今後、アカデミアさんやスポンサーさん、ご両親のバックアップの下でプロとして活動されると思いますが、どんな目標を掲げていらっしゃるのでしょうか。

きのこゲンジ 僕はオーナーに誘われたとき、「世界を目指すチームを作る、きのこがそのゲームとメンバーを選んで」と言われました。そして3か月で世界の切符を掴み取りました。

もちろん、僕が1人で掴んだのではなく、チームメンバーやオーナーの努力あっての結果です。今回、僕は参加できませんでしたが、諦めた訳ではありません。世界に、「日本にはKinokoGenjiがいる」と言われるような、強いプレイヤーになりたいです。

▼ きのこゲンジ氏を紹介した記事はこちら!▼

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