ソニー・インタラクティブエンタテインメントよりプレイステーション4版が発売中のミリタリーFPS『コール オブ デューティ ブラックオプス 4』。本タイトルにおいて日本で最強チームを決める戦い‟CoD:BO4 日本最強決定戦”が、8月10日に行われた。
全4回の‟CWL 日本代表決定戦”の戦績上位の‟Libalent Vertex”、‟CYCLOPS athlete gaming”、‟Rush Gaming”、‟Unsold Stuff Gaming”が出場した。この4チームが日本最強の座と賞金総額1000万円をかけて戦った。
王者の意地、最強の称号をその手に

海外のCWLオープン部門への挑戦権をかけて行われた‟CWL日本代表決定戦”は、今シーズン合計4回行われた。その全てを無敗で優勝したのがLibalent Vertex(以下、Libalent)だ。『CoD: BO4』の集大成となる‟日本最強決定戦”を優勝し、シーズン完全制覇を成し遂げた。
しかし、そんな彼らも第4回日本代表決定戦のGrand Finalの舞台で、CYCLOPS athlete Gaming(CAG)戦で得意としていたマップ、‟Arsenal”のサーチアンドデストロイ(SND)をついに落とすこととなった。今大会では、Arsenalの同ゲームモードを含め、Libalent対策をしてくるであろうチームとどのように戦っていくか、絶対王者の座を死守できるのかが注目されていた。今回は彼らを中心として大会ハイライトと優勝チームインタビューをお届けする。
Winners Final ‟Libalent Vertex vs. Rush Gaming”

■試合結果:Libalent Vertex 3 – 2 Rush Gaming
これまでの大会でも幾度となく見てきた対戦カードが本大会のWinners Finalで再び実現した。結果だけを見ればLibalentの勝利だが、Rush Gaming(Rush)の団結力、粘りも見ることができた。
1マップ目のArsenalハードポイントの序盤は、Rushのペースで試合が進み主導権を握るも、2周目の3拠点目で、Libalent Inabaの‟ビジョンパルス”とsitimentyoの‟ウォーマシーン”の組み合わせで食らいていく。最後は、粘りのRushがスペシャリストを同時に切ることで大量得点し、今シーズンで初めてRushがLibalent相手にハードポイントを勝利した。
そして、接戦の末にマップカウント2-2で迎えたArsenalのSND。Libalentがラウンドカウント3-0まで連取し、やはり一方的な展開となるかと思われたが、ここでもRushの粘りが発揮され3-3のイーブンに戻す。7ラウンド目のLibalentの攻撃におけるInabaの裏取りが効果的に作用したことに加え、その後のGenGarとRush HuntのSMGの一騎打ちをGengarが勝ったことで、Libalentが流れを完全に掌握。結果は6-3でSNDを奪取した。
Grand Final ‟Libalent Vertex vs. CYCLOPS athlete Gaming”

■ 試合結果: Libalent 3 – 1 CAG
Grand Finalは前回大会に引き続き、Libalent vs CAGとなった。最初の拠点でNicochanが6連続キルするなど、CAGが良い滑り出しをしたものの、2周目からはLibalentのペースに。その後も取っては取られの試合展開で、お互いの全力をぶつけ合う死闘を繰り広げた。
勝負を決める拠点では、CAG Leisiaが放とうとした‟グラブスラム”をLibalent Aliceがテンペストで止め、xAxSyがCAGの最後の攻撃を4連続キルで跳ね返すというビッグプレーの応酬を見せた。
続いては件のArsenalのSND。前大会で勝利している自信からか、CAGがLibalent相手にラウンドカウント4-0と先手し、ついにLibalentを攻略したかに見えた。だが、絶対王者ともいわれるLibalentだけあり、3-5まで巻き返すと、迎えた9ラウンド目にAliceのスナイパー3連続キルを起点に流れを引き寄せ、そのまま6-5でLibalentが逆転勝利している。
コントロールではCAGの作戦がはまりラウンド数3-0でCAGが余裕の勝利。マップカウント2-1で4マップ目のSeasideハードポイントへ突入する。
ここでも、CAGが中盤にペースをつかみLibalentに対して60点差をつけていた。苦戦を強いられるLibalentだったが、チームの強さである連携と個人技や、実況のk4sen氏から‟最後の切り札”と呼び声の高かったLibalent Aliceのテンペストで逆転の糸口を見出す。一気に点差を詰めよるLibalentと必死の抵抗を見せるCAGの攻防が続く。
命運を分ける3拠点目の有利なリスポーン地点を確保したCAG陣営だったが、Libalentがコンカッションで拠点内のプレイヤーの行動を止めると、全員で攻め込みすぐさま奪い返す。そのまま拠点を堅守したLibalentがハードポイントに勝利、シーズン完全制覇を成し遂げた。
Libalent Vertex優勝インタビュー

大会が終了した直後のLibalentに大会5連覇の感想や海外挑戦をしたことに関しての感想をインタビューした。強さの秘訣や次回作についてもコメントがあった。
――おめでとうございます。5連覇を達成された要因として1番何が大きいですか?
sitimentyo やっぱりメンバーですかね。それぞれが強かったです。
――今回武器の変更がありましたが、理由をお伺いできますか?
Inaba UR sitimentyoがSMG(サブマシンガン)を持ちたいと言い始めて、僕が代わりにICRを持ちました。
sitimentyo 結構ハマってたとは思うけどね!
――次にいま話題になっている次回作についてどう考えているかお伺いしたいです。
Alicewonderland 僕はめちゃくちゃ楽しみです。
Inaba UR CoDは毎作楽しみです。CoDシリーズはとりあえずやってみます。
xAxSy ちょっと変わりすぎかなと思いますが、CoDなのでやりたいと思います。
sitimentyo 今はCoDの競技シーンで勝つことがすごく楽しいので、競技シーンがある限りはプレイすると思います。
――今シーズンから海外挑戦できるようになりましたが、それに関してはどうでしたか。
sitimentyo 僕はプロになったからには海外を目指していたので、やっと目指せる場所、スタート地点に立てたという気持ちでした。海外に行くことで自分達も成長できますので、もし来シーズンもチャンスを頂けるなら挑戦したいです。
――ファンの皆さんに一言お願いします。
sitimentyo もっと海外の大会にも出場して、結果を残して日本のCoDシーンを盛り上げるので、見るだけじゃなくどんどんプレイして欲しいと思います。今シーズン応援ありがとうございました。
――ありがとうございました。来シーズンを楽しみにしています。
記者の目
今シーズンの大会上位4チームのみが選出された日本最強決定戦というだけあり、記事でとり上げることのできなかった対戦カードも白熱した試合が多く、CoDプロシーンの盛り上がりを肌で感じることができた。また会場にファンが入ることで、選手のモチベーションや調子に影響するということを感じた大会でもあった。
また、来シーズンのCoDのタイトルが発表されてからの大会ということもあり、プロプレイヤーからのコメントを聞くことができてとても有意義だった。特にCAG Nicochaaaan選手が言っていた「次回作からは架空の銃ではなく存在する銃で戦えるのも魅力的です」というコメントもとても興味深かった。
来シーズンは、今の上位チームの編成もルールもどうなるかはまだ不透明だが、楽しみに待ちたいと思える大会だった。
取材/文: 長尾太陽
※本大会で使用されているゲームモードには、「CERO:Z(18才以上のみ対象)」に該当する表現は含まれません。
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