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【ストV AE】CAPCOM Pro Tour(カプコンプロツアー)のルール改定とEVO2019での新情報、今後の展望を綾野智章氏に直撃取材!!

2019年7月12日、カプコンは本社(大阪)にて「eスポーツ記者説明会」を実施した。本説明会では同社のeスポーツへの取り組みや今後の展望、戦略、課題についての取り組みが語られた。

※カプコン“eスポーツ記者説明会”リポート。“未来のスポーツ”とも呼ばれるeスポーツ。カプコンが長年取り組んでいる施策の全貌を語る!

その直後となる7月18日にCAPCOM Pro Tour(カプコンプロツアー)の公式規定に改定が行われた。

我々はすぐさま「eスポーツ記者説明会」にも登壇した『ストリートファイター』シリーズプロモーションプロデューサー兼、eスポーツプロデューサーの綾野智章氏の元に赴き、詳細を伺うと同時に直前に迫っている“EVO 2019”での新情報発表や『ストリートファイターV』の今後の展望についてインタビューを行った。

※CAPCOM Pro Tour公式規定 2019(最終更新日2019年7月18日v 1.1)

FIX2
カプコン
綾野智章氏

CAPCOM Pro Tourのルール改定について

まず、今回確認できたCAPCOM Pro Tourのルール改定のポイントは

1、コントローラーのカスタマイズについて
2、国内プロライセンスの有無による賞金額の上限について

の2点である。

コントローラーのカスタマイズについて

1については、まず5月に行われた“コンボブレイカー”直前にCAPCOM Pro Tour運営が公式Twitter(@CapcomFighters)で発表した内容を確認してほしい。

※CAPCOM Pro Tour公式Twitter

 

 

いわゆる「改造レバーレスコントローラー」が物議を醸し出したこの問題であるが、この発表の後CAPCOM Pro Tourの運営元であるCAPCOM Media Ventures(カプコン・メディア・ベンチャーズ)では改めてルールを以下のように定めた。

(引用開始)

CPTにおけるコントローラー利用の理念
CAPCOM MVはコントローラーを選択したり、またはカスタマイズしたりすることを阻害しない。これは選手の置かれた環境や、身体的な特徴、個性、その他やむを得ない理由によって、そうせざるを得ない事象が有ることを認めるからである。ただし、これは公平性が担保された範囲でのみ、その多様性が認められる。

カスタマイズとはボタンやレバーの物理的な場所の変更や、コントローラーそのものを作り出すことを指す。その場合PS4標準コントローラーである、DUALSHOCK 4の機械的な能力を超えたカスタマイズは推奨されない。

もしもCPT大会会場でコントローラー利用の理念に反する物が見受けられた場合は、現地大会運営者の判断により該当コントローラーの使用停止と、コントローラー利用概要に準じた代替コントローラーの提案がなされる場合がある。その際、大会運営者は選手に対して十分な説明を行う必要がある。

コントローラーのカスタマイズ
公平性の担保としてカスタマイズが認められる範囲は以下の通りとなる。

1. 攻撃行動として使用できる入力系統は最大8個までとする。ただし同じ攻撃行動を複数の入力系統に割り当てることはできない。例えば、弱Pボタンを2つ以上設置することは認められない。攻撃行動の入力系統が8個を超えるコントローラーを使用する場合は事前に不要な入力系統を攻撃行動として使用できないようにする措置を行わなければならない。
なお、ゲーム中の『コントローラー設定』で攻撃行動の入力として使用できないボタン(DUALSHOCK 4のL3、R3ボタン等)については上記対象とならない。

2. 移動行動として使用できる入力系統は最大4個までとする。同じ移動行動を複数の入力系統に割り当てることはできない。例えば、上方向キー入力ボタンを2つ以上設置することは認められない。

3. 移動行動を方向キーやレバー、アナログスティックではなく、ボタンとして適応したものを移動ボタンと言う。移動ボタンとレバーは共存して設置することができるが、その場合は対価として、対応する移動行動のキー入力を失わなければならない。例えば、上方向キーだけを移動ボタン化した場合、レバーの上方向の入力は無効化しなければならない。

4. 移動行動ができる方向キー、レバー、移動ボタンと、アナログスティックは共存して設置することができる。ただしアナログ入力による移動行動はアナログ情報のまま入力を行わねばならない。例えば、アナログスティックをボタン化したりレバー化したりする等の機械能力の変換を行うことは認められない。

5. 左右の方向キーが同時に入力された場合は、両方の入力を維持、もしくは両方の入力を不成立とする必要がある。

1. 同様に上下の方向キーが同時に入力された場合は両方の入力を維持、もしくは両方の入力を不成立とすることが推奨される。しかし、上方向のみの入力として出力されることは、ファイティングゲームコミュニティやCPTの運営の歴史に鑑みると排除されるべきではないため、特例的に認める。ただしCAPCOM MVはCPTにおいてこの特例を破棄する権限を有す。

6. 上記はコントローラーのみならず、キーボードでも同様にルールが適応される。
(引用終わり)
(引用元:Rules | CAPCOM Pro Tourサイト 添付B
 CAPCOM Pro Tour 2019 公式大会ルール コントローラー利用概要)

要点を抽出すると

・攻撃の入力系統(キー、ボタン)などは8個まで。ただし弱パンチを2つ以上設置するなどはできない。
・移動についての入力系統は4つまで。攻撃の入力系統と同じく左入力の複数設置などはできない。
・移動ボタンなどにより左右が同時入力された際には「両方の入力を維持、もしくは不成立」(=ニュートラル状態)にしなければならない。
→上下の同時入力についても同様だが、上入力として認識されることについては今のところ特例として認められる。

といったところだ。

この変更について綾野氏は、

・「コントローラーを改造することは、多様性に鑑みて禁止としない」

・「コントローラーのカスタマイズについてはストIVシリーズの「小パン辻」を発端として考えるようになり、豪鬼の天衝海轢刃を出すためのボタン増設を見たときに本格的な対応の必要性を感じた」。

・「当時はプレイヤー側がCAPCOM Pro Tourやプロシーンに則った配慮をしてくれたことでルールへのメスは入らなかったが、今回はルール改定の必要性が出てきたため、迅速に対応した」。

・「CAPCOM Pro Tourのルールは「性善説」に基づいている。無闇にルールが増えていくことはなるべくなら避けたい」。

・「イベントが成立し、CAPCOM Pro Tourやeスポーツ全体が活性化していくにはメーカーとイベントオーガナイザー、プレイヤー達がそれぞれ協力しあうことが必要だと思う」。

と語り、運営側としてルールの制定の必要性を感じつつも、それがどんどんと増えてしまう事によりイベントオーガナイザーやプレイヤーが窮屈になってしまう事態を憂慮していた。

fix

国内プロライセンスの有無による賞金額の上限について

続いて2について、同じく公式規定で以下のように改定された。

(引用開始)

褒賞は、賞金を受け取る選手が所属する国や地域、あるいは大会関係者やそれらの所属する団体などの法律や独自に定めるルールに遵守されて付与される。場合によっては全額付与されないことも想定される。その場合該当選手には大会関係者により適切に連絡される。

CAPCOM JAPANおよびCAPCOM MVが主催、又はCAPCOM MVが賞金サポートをする大会の賞金額については、以下のとおりとする。

なお、CAPCOM JAPANおよびCAPCOM MVが主催する大会には「CAPCOM Pro Tour」におけるスーパープレミア大会と「CAPCOM CUP 2019」が相当し、CAPCOM MVが賞金サポートをする大会には「CAPCOM Pro Tour」における地域オープン大会、地域決勝大会、スーパープレミア大会及びグローバルプレミア大会が相当する。

1. 賞金受領権を獲得した者が日本国内の在住者である場合(※1)

1. 賞金受領権を獲得した者が大会当日にJeSUが発行する「ジャパン・eスポーツ・プロライセンス」を保有している場合、大会規定の金額が支払われる。

2. 賞金受領権を獲得した者が大会当日にJeSUが発行する「ジャパン・eスポーツ・プロライセンス」を保有していない場合、大会規定の金額にかかわらず賞金の最高額は10万円とする。(※2)なお、出場選手に対して旅費・宿泊費のサポートが行われた場合、当該旅費・宿泊費は賞金の一部とみなされ、大会規定の賞金金額と当該旅費・宿泊費を合算した金額の最高額を10万円とする。

2. ※1 賞金受領権を獲得した者が13歳以上15歳未満の場合は大会開催地域及びJeSUが発行する「ジャパン・eスポーツ・ジュニアライセンス 」の保有の有無に関わらず、賞金は支払われない。
※2 CAPCOM JAPANおよびCAPCOM MV以外が主催する大会で、当該大会の主催者から提供される賞金については獲得できる金額に上限は課せられない。

3. 賞金受領権を獲得した者が日本国外の在住者である場合大会規定の金額が支払われる。
※本件は、CPTルールに追記更新した2019年7月18日以降より適用するものとする。
(引用終わり)

(引用元:Rules | CAPCOM Pro Tourサイト 13.褒章)より引用

こちらの要点としては
・CAPCOM Pro Tour対象の大会において、Jesu(日本eスポーツ連合)が発行するプロライセンスの保有者が上位入賞をした場合は褒章を満額で受け取れるが、保有していない場合は褒章が「上限10万円」となる。
・適用される大会は「CAPCOM Cup 2019」、「スーパープレミア大会」、「プレミア大会」、「地域決勝大会、「地域オープン大会」。
→「地域ランキング大会」については主催や賞金サポートを行なっていないため対象外となる。
・適用されるのは7月18日以降。
→“EVO 2019”はもちろんのこと、7月20〜21日にイギリスで行われた“VSFighting 2019”にも適用。

といった内容である。

この「賞金問題」についても今まで方々で議論がなされてきた内容であるが、正式にCAPCOM Pro Tourのルールとして制定することで運営側としての姿勢を明らかにしたことになる。

この話題について綾野氏は、

・「我々はCAPCOM Pro Tourの運営において法令遵守を最優先としている。その立場から改定の必要があると判断した。プロツアーの途中の変更になることに特別な含みはなく、反復的なチェックを行った結果としてこのタイミングになった」。

・「プロライセンスの発行自体はJeSUの管轄であるが、カプコンとしてはもっと多くの人に付与してあげたい」。

・「プロライセンス自体は何かしらの義務を負わせるものではない。一定以上の規模の大会で優秀な成績を納めたプレイヤーに発行されるので、その際にはプロライセンスを受け取ってほしい」。

と語り、アマチュアのプレイヤーには制限が掛かるものの、今後の取り組みでプロライセンス保有者を増やしていきたい意向を見せていた。

EVO 2019&ストVの今後の展望について

CAPCOM Pro Tourのルールについてお話を伺った後、せっかくの機会ということでストVに関する様々なことを伺ってみた。

EVO 2019について

ーーEVO 2019の『ストV AE』部門のエントリー数は1929名。2018年の2484名と比べると-555名、-22%と減ってはいるものの、EVO2019全体としては2番目にエントリー数の多いタイトルとなっています。このエントリー数の推移についてはどうとらえていらっしゃいますか?

綾野 2016年から続いているタイトルでありながら、メインタイトルの中で『スマブラ』の新作に次ぐ2番目のエントリー数ということでたいへんありがたく思っています。参加ユーザー数の減少は、自然現象だと思っています。

ーー新規参入への取り組みということでは、2019年は「ストリートファイターリーグ」などのイベント運営に力を入れていますよね。一方で新キャラクターの追加がなく、少し寂しい感じもあります。

綾野 期待されているのは新キャラクターの追加だったり、バランス調整ですよね? まあ例年で行ったら、EVOは新情報発表の場としての意味合いもありますね。(含み笑)

ーーということは、相撲取りだとか、飛んで降りてくる双子とか、ソドムとか期待していいんですか!?

綾野 ソドムだけダイレクトに名前でてますが……。現時点でお伝えできる新情報はありませんが、我々としては2019年も『ストV』を盛り上げていきたいという思いは間違いなくあります。ですので、その辺りはぜひ“EVO 2019″を楽しみにして頂ければと。

ストVの今後の展望について

ーー今後も『ストV』を盛り上げていくとのことですが、具体的な展望と言うのはあるのでしょうか?

綾野 まずは格闘ゲームのフラッグシップであり続けたいですね。僕個人的としては、格闘ゲームの括りだけではなく、シューターやMOBAも含めた「esports」としてのトップを目指していきたいと思っています。

ーー具体的な戦略はあるのでしょうか?

綾野 ここ最近になって「esports」という言葉が多く使われるようになり、いろいろなところでビジネスやコミュニティー、文化としての「esportsの可能性」が提示されているじゃないですか? それらが実際にうまくいくかどうかは別として、我々はそういった可能性を実現するための一翼を担っていると自覚しています。

具体的な戦略としてはさまざまなものがあるのですが、まずは「eスポーツ記者説明会」でお話したように、イベントに対する「カプコン公認証」を発行し、「カプコンに公認されているイベントなら参加しよう」というような流れを作り出していく予定です。それがプレイヤーにとって参加可否判断の1つになってくれれば嬉しいですね。

ーーそれはイベントオーガナイザーにとっても集客のきっかけになりそうですね。

綾野 そうなんです。『ストV』がここまで盛り上がっているのは我々の努力だけでなく、草の根で活動をされているみなさんの助力があってこそなことを理解しています。ですので、企業としての利益追求も大事ですが、そういった活動がきちんと報われ、プレイヤーたちにも還元されることで、esports業界全体の活性化を目指しています。

ーー「eスポーツ記者説明会」でお話をされていた「今はまだ投資フェイズである」というのはそういったところからなんですね。ゲーミングチームも数多く立ち上がりましたが、ほとんどのチームが資金調達に苦労している背景があります。そういったところのフォローもお願いしたいところです。

綾野 ゲーミングチームの実情ももちろん把握しています。いま勢いのあるesportsの熱が冷めていかないように急いでがんばります。これからも『ストリートファイターV』をよろしくお願いします。

 

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