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【レインボーシックス シージ】プロリーグ‟CAG vs 父ノ背中”解説 苦戦する父背の問題点を探る

ユービーアイソフトより発売中のタクティカルシューター『レインボーシックス シージ』PC版プロリーグ シーズン10。本稿では、Day8に行われたCYCLOPS athlete Gaming vs 父ノ背中を解説する。

父ノ背中はCYCLOPS athlete gaming(以下、CAG)戦で完敗と言える結果で、シーズン10では未だ勝ち点がないという厳しい立ち上がり。対戦相手がCAG、FAVGaming、GUTSGamingと上位チームではあるものの、前回シーズン9ではこれらすべての対戦相手から勝ち点を獲得していたことを考えると、なにか問題が生じているのは間違いないだろう。

首位を走りSixMajor APAC Finalにも出場を決めているCAGとの戦いを参考に、対応の精度と多様さを対比しつつその問題について探っていこうと思う。

情報の取得、そしてその利用の質

この試合で印象に残った点といえば、まず少人数戦でのCAGの圧倒的勝率だ。BlackRay選手やSuzuC選手のクラッチがまず浮かぶだろうが、ラウンド終盤での戦いを制したのは、ほとんどがCAGであった。

では、この勝敗の要因はなんであるだろうか。もちろん個人スキルの違いはあるだろうが、そこに要因を求めるのであれば解説など意味をなさない。一般的に勝敗を分ける要因として、ガジェット・時間・情報・射線・エントリールートなどが挙げられるが、この試合を見て一番考えられるのは情報である

父ノ背中はいままでの3試合合計で防衛28ラウンド中27ラウンドでヴァルキリーをピックしており、この試合でも8ラウンドすべてでピックしていた。情報を得ることには積極的だった。対してCAGも防衛10ラウンド中8ラウンドでヴァルキリーをピックしており、使用したラウンドの数は一致している。

ヴァルキリーはカメラを設置することによって相手の情報を得られるオペレーターであり、また本作において情報は非常に大きい武器となる。相手の枚数配分を把握することでチームとしての動きを決めたり、使いたいポジションのキープに使う、拾えるキルを探したりと使い方は多種多様、何をするにも情報が必要なのだ。

その中で上記の終盤での少人数戦に有利に働くのは、敵の位置を把握し、それに応じた見る方向や深さの調整等の味方との連携であるが、これに関しては観戦カメラでは追えない部分であり推測の域を超えないため、観戦でわかる範囲で情報の使い方の上手さが分かるCAGのクリップを紹介しよう。

このようにCAGがカメラを活かしてキルを拾うような場面が多々あった一方で、父ノ背中にはそれがあまりなかった。数字としてわかりやすいのがC4キルであるが、CAGの5キルに対して、父ノ背中は1キルと大きく下回っている。

観戦で分かる範囲での違いを紹介したが、父ノ背中はCAG戦以外でも、同数程度の敵にポイントを崩されてしまうようなラウンドが多くあり、情報の取得、そして報告や連携に問題があるのは明らかであるだろう。逆に言えばそこを修正さえすれば取れるラウンドが多くあるということだ。

対応力と引き出し

父ノ背中は前線のラインを変えたり、遊撃に対して全員でカバーに向かったりと複数の戦い方を見せたものの、結局の所、人数をかけて相手の主導隊と正面的にぶつかり合う、または耐えるというものが主であった。

また、対応と言うよりは、前ラウンドで通らなかったためとりあえず変化を加えてみるといったような印象を受けた

それに対してCAGの防衛はハードピークや逆ラッシュ、序盤で低リスクにキルを拾い横槍を入れる戦法、リテイクなど挙げればキリがないほど引き出しが多く、ラウンド中のどこでアクションを仕掛けてくるのか、狙いはどこなのかという部分も変化するため非常に読みづらいものとなっていた

ラウンド中でも情報に応じた対応を見せていたが、ラウンド間でも前ラウンドの情報を踏まえた対応を見せていた。 そして決定的な違いは、CAGはその行動に視線誘導など各プレイヤーの連携、意思の統一が見られ、単純な枚数以上の相乗効果を生んでいることだ。

父ノ背中は形を変えてはいたものの、あらゆる行動が個人の足し算の域を超えていないように思われた。

▲父ノ背中が最終的に書斎側に枚数を割くため彫刻室側は枚数が減る、という前ラウンドの情報を踏まえた逆ラッシュ

国境ではCAGのハードピークに対して割職の代わりに撃ち合いの強いオペレーターをピックするなどの対応を見せたものの、序盤での人数不利を奪われ続けた。 枚数やガジェットを割いてもなお主導隊が崩されるというのは、上記のような情報・報告の部分に問題があり試合中に、練度・強度を増すのも難しい。その場で出来る対応としては、キルを目当てに戦ってくる相手に対して、自分たちもキルだけを目的に主導隊を無くしてしまうなどの攻め方も、一手であっただろう。

なにせシーズンは短く、一戦一戦しっかりと勝ち点をもぎ取らなければ降格が見えてくる。準備してきたものが通用しなければ試合中に変化を加えるほかに手はないのだ。

 

「何をするにも情報が必要である」と前述したとおり、上記の2点には繋がりがある。ラウンド中、ラウンド間での対応も情報がなければ、そしてそれを上手く利用できなければ不可能なのだ。

情報を得てそれを共有し、いかに利用するか。コミュニケーションを取り、チームで目的を統一するか。すべての行動に影響を与える本作の根幹とも言えるこの部分に、父ノ背中は問題を抱えているように見える。

もちろんこれには2度のメンバーチェンジの影響もあるだろう。ドローニングやポジショニングなど、基礎的な部分の練度を上げるのにも、コミュニケーションの質を上げるのにも時間が必要だ。

しかし、リーグは待ってはくれない。いかに早くその問題を修正するかの戦いだ。昨季見せたような相手ごとにチームスタイルを変える柔軟性を見せるか、また他のスタイルであっても、勝ち点を積み上げる父ノ背中を心待ちにしているのは筆者だけではないだろう。

終わりに

早くも前半戦全15試合を消化し、残すところは延期となっている父ノ背中 vs UnsoldStuffGaming戦のみ。後半戦開幕は2ヵ月後の9月18日(水)からとなる。

プロリーグ シーズン10 全チームすべての試合を見て、“戦い方の質”は前回のシーズン9よりも落ちているような印象を受けた

 

世界的にハードピークメタであるのは間違いないのだが、理由のない撃ち合いの勝敗に再現性はない。相手に対してどういうピークが刺さるのか、どのタイミングだとキルがしやすいのか、はたまたリスクを取らずとも守れるのか。こういった‟なぜその行動が可能なのか”という理由を考えて、チームでプレイしているのだろうか。思考を停止して、逃げるように個人のピークに頼ってはいないだろうか。

 

このオフシーズンで多くのチームが成長し、ファンを楽しませるような面白い試合を見せてくれることを、そして日本のチームが世界で輝くことを切に願う。

 

(文:okamoto   編集:工藤エイム)

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