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【レインボーシックス シージ】プロリーグ ‟CYCLOPS athlete Gaming vs GUTSGaming”解説 分析と対策に裏付けされたCAGの‟対策力”と、試合中に成長するGUTSの‟対策力”

ユービーアイソフトより発売中のタクティカルシューター『レインボーシックス シージ』PC版プロリーグ シーズン10。本稿では、Day5に行われたCYCLOPS athlete Gaming vs GUTSGaming戦を解説する。

DAY5に至るまで全勝してきたCYCLOPS athlete Gaming(以下、CAG)とGUTSGaming(以下、GUTS)。無敗全勝のチームどうしによる激突は2-1の結果となった。引き分けは発生したものの、CAGが一歩勝る形となった。

引き分けに終わった第1マップ領事館だが、先にマッチポイントを取ったのはGUTS。それに対して第2マップ銀行では、CAGがラウンドスコア7-3と圧勝した。

チームの強みを互いに発揮しながら対策や対応が苛烈に行われた本試合。GUTSが領事館で優位に立てた理由、そしてCAGが領事館を引き分けに持ち込み、銀行では圧倒した理由を、以下に解説していく。

①進化するGUTSの対応力。対応のためなら自らの型を崩すことを躊躇しない。

領事館でGUTSが優位に立てた理由を一言で説明するなら、「成長を続けるGUTSの対応力」ということになる。

このことを説明するために、1、2ラウンド目でCAGが行った完成度の高い地下攻めに触れる。

領事館の1,2ラウンドでは、地下とトイレを固く守るGUTSの防衛に対して、CAGは素早くトイレを制圧して突き下げを行っている。GUTSの行うすべてのリテイクは封じられ、CAGのペースで試合は進んでいった。

CAGは突き下げによって生じた射線を使って、誰がどこの飛び出しを倒すかという役割分担が完璧に整えられており、ライブドローンによる情報収集、裏の‟1の動き”を担当するgatorada選手の立ち回りを含めて、抗いようのない戦術が組み立てられていた。

▲ライブドローン、工事を含めたCAGの完璧な攻撃布陣。リテイク予防の役割分担が素晴らしい。

3ラウンド目はSixShooter選手の活躍もあってGUTSがラウンド取得したが、試合の流れは依然としてCAGペースであった。GUTSの防衛は、CAGの戦術に対して受け身で耐える形だったと言える。

しかし、流れが変わったのは4ラウンド目、GUTSはチームとして急激な変化を見せている。正面以外から積極的に勝負を仕掛けることで、CAGの準備が整う前に戦術を崩壊させる戦い方に変わったのだ。

CAGの鉄壁の包囲が構築される前に戦うことで、人数を削って戦術的なアプローチができないようにした。その変化はまるで別チームであるかのようだった。
以下に例を示そう。

4ラウンド目

GUTS4_R

1分経過の段階で行われた3人がかりのリテイク。情報系オペレーターが無いため、分析と読みによる対策だと思われる。また、1階でのリテイクが始まったと同時に防衛拠点からもハードピークしている。(JJ選手ミラの2キル)

CAGは状況の変化に対応する前にチームで攻勢を仕掛けており、たいしてGUTSはCAGの完璧に構築されたセットプレイが始まる前に戦うことで、1人ずつキルを獲得してラウンドに勝利した。それまでの地下を固く守るスタイルから大きく変化している。

5ラウンド目、6ラウンド目

GUTS5__R
会議室ラペリングに対して領事オフィスから室外への飛び出し。
GUTS6_R6ラウンド目に関しては1ラウンドに2回行った。1回目はCAGが対策したが、2回目までは予測できていなかった。
CAGの包囲を外から攻撃することで対応を許さず、人数を削ることで包囲を崩せている。

そのほかにも、GUTSはニトロセルによる突き上げなどを行って、人数を序盤で削ることに成功し、CAGの包囲やセットプレイを崩壊させた。最初の2ラウンドから学習して即座に修正を行ってきたのだ。

CAGはクリアリングやエントリーが非常に素早い。それによって本命のアプローチに多くの時間を費やすことができる。しかしそれは、丁寧なクリアリングやリテイク予防のロックを犠牲にしていることは否定できない。また、包囲するような戦術は単独行動が多くなるだろう。GUTSはそれらを逆手に取って、序盤から攻勢を行うことで有利を積み重ねていった。

そして重要なのは、CAGの戦術に対応するためなら、自分たちの正攻法の型を崩すことを躊躇しなかった点だ。領事館における室外への飛び出しは正攻法の範囲ではあるが、ここまでの多用は珍しい。

「対応のためなら自らの型を崩すことを躊躇しない」

これはGUTSが最近になって見せ始めている新たな姿である。チャレンジャーリーグ参戦時は正攻法‟だけ”と言うこともできるチームだったが、いまやそうではない。プロリーグに参戦してから急激な成長を遂げている。

成長を続ける対応力/修正力はCAGの想定を越え、領事館を勝利寸前まで持ち込むことに成功したのだ。

②分析と対策を基にしたCAGの豊富な戦術。個人技が戦術を増やし、数多くの戦術が個人技の発揮を促進させる。

CAGが領事館にてGUTSに優位を取られながらも引き分けまで持ち込めた理由、そして銀行で圧倒した理由は「分析と対策を基にした豊富な戦術」にある。

GUTSの攻撃はカバーと連携を厚くして丁寧に作戦を進め、最後の段階で全員の力を結集してラッシュのような形でアプローチしてくるスタイル。それに対してCAGは非常に多彩な戦術を用意して迎え撃った。

領事館

7ラウンド目:時間を稼いでGUTSのラッシュを正面から受け止める形

CAGは固く籠り守る防衛。キャッスルによって時間を稼ぎ、無理して勝負することなく引いていった。GUTSは30秒切った段階でようやくトイレを確保したところであり、綿密なアプローチを組み立てる時間が無かった。

時間を稼げばGUTSのラッシュは雑になる可能性が高く、真正面から迎え撃つことも容易になる。

銀行

5ラウンド目:攻勢の準備が整う前の積極的なリテイク+ラッシュと同時に逆に包囲する形

銀行では一変して個人によるリテイクも見せている。状況の変化に合わせてGUTSの準備が整う前に勝負してダブルキルを獲得した。

CAG5_R

補強壁が割れたと同時に吹き抜けリテイク。戦術が次のステップに進むタイミングでの奇襲。GUTSの人数をかけての戦術が強力なことに対して、序盤にキルを発生させることで得意とするラッシュを弱体化させた。

その後はGUTSのプラントアプローチを逆に包囲することで殲滅に成功している。ラッシュに合わせて囲むようにアプローチしてGUTSの対応力を一つに絞らせなかった。

GUTSの一つの目標に対するラッシュが強力なら、真正面からは付き合わずに外側から攻撃しようという選択だ。プラントアプローチと同時の逆包囲によって、ラッシュを無効化すると共に、ラッシュする側とラッシュされる側の立場を逆転させた。

 

そのほかにも、CAGは多彩なアプローチを見せている。二人がかりの吹き抜けリテイクや遊撃でキルを取ったら素早く引いて人数有利を保つ形、ラウンド序盤のニトロセルによる突き上げなどだ。

CAGの戦いはラウンド単体で見ると、個人技による勝利に見えることも多い。もちろん個人技は彼らの戦術を支えているが、多くのラウンドを並べるとその多彩な戦術に気がつくことができる。

 

上記した戦術はどれもGUTSの攻撃スタイルへの対策だ。ラッシュ力の高いGUTSに対して時間を稼ぐ、序盤で人数を削る、ラッシュに正面から付き合わずに逆に包囲するなど、複数の戦術を用意できている。CAGの分析力と対策力が優れている証拠だろう。

CAGは選手の個人技が高いことによって、撃ち合いを前提としたものを含めた多くの戦術を用意できる。さらに多様な戦術は戦いの予測を困難にし、個人技の発揮を促進させている。
どれだけ個人技が強力でも、同じ戦術をくり返せば咎められる可能性は高い。CAGは多くの戦術を用意することで個人を活かし、個人が活きることで戦術が多彩になっていく。そんな好循環を生み出せているチームと言えよう。優れた分析力と対策力がそれをさらに支えている。

ラウンドが変わるたびに異なった戦術を用いることができるCAG。その多様な戦術はGUTSを翻弄し、対応力/修正力を封じることに成功した。それによって領事館は2-4から引き分けに持ち込まれ、銀行は防衛で5ラウンドを獲得して圧勝へと繋がった。

終わりに

GUTSの対応力は修正力に優れ、CAGの対応力は分析・対策力を基にした豊富な戦術が優れていると言えるだろう。
GUTSは正攻法”だけ”のチームではなくなりつつある。高い対応力/修正力は、正攻法を基にした柔軟なスタイルへと変貌を始めている。強みを維持したままにさらなる強みを獲得し始めている。

CAGは分析と対策を基にした豊富な戦術により、試合の状況を見て柔軟に戦い方を変えることができている。それによって優位を保ちながら勝利へと繋げることができるはずだ。

GUTSとCAGは両チーム共に強力な個人技とチーム特性を持ち、日本プロリーグの上位チームだと言えるのは間違いない。しかし、成長を続ける野良連合、DreamHackでEUの強豪チームChaosと激戦を繰り広げた父ノ背中、いまだ多くの作戦を秘めているFAVなど、ほかのチームも日毎に強くなってきている。

どのチームがAPAC Finalまで駒を進めるのか推測することは難しい。今後の日本プロリーグも見逃せない戦いが待っている。

(文: @Fuji3_R6/編集:工藤エイム)

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