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【レインボーシックス シージ】シーズン9 Finals決勝 Evil Geniuses vs Team Empire解説

シーズン9 Finals決勝戦に勝ち上がったのは、Year1から強豪として名高く、いままで苦渋を舐めさせられてきた宿敵‟G2 Esports”のいない今大会こそ優勝が期待されたEvil Geniuses(以下、EG)と、正反対に今シーズンにプロリーグに昇格してきて評価を上げ続けてきている新星‟Team Empire”(以下、Empire)の2チームとなった。

 

EGが1マップ目を7-5で先取。そして2マップ目も6-3と、あと一歩というところまでたどり着いたが、最後の1ラウンドが遠かった。延長に持ち込まれ6-8でマップを落とし、3マップ目ではリードを取れないまま3-7という結果に。決勝戦はTeam Empireが2-1で勝ち、優勝した。

 

この決勝戦において何が勝敗を分けたのか、両チームの特色から試合の構図を紐解いて解説していく。

(文:okamoto/編集:工藤エイム)

自分たちを貫き通すEmpireと、手札の多さで勝負するEG

Empireは、防衛でのJoystickの活用法を除いては、基本的に「論理的に組み立てられた1つの戦術」で勝負するチームであり、その1つ先述は異常なまでの完成度の高さだった。

一方EGは、同様にロジカルな部分を得意としているものの、複数の作戦を持っており、「手札の多さで戦う」といったチームであった。そしてシーズン9 Finals(とくにFaze Clan戦など)では、さらにリスクをいとわないような根幹から違ったような攻め方も見せていた。

常軌を逸したJoyStiCKの強さ

やはりEmpireを語る上で、絶対的エースJoystickを外すことはできないだろう。もちろんKarzhekaやScytherなど、ほか選手もエース級の強さを誇りはするが、彼らはほかの選手でもできることの精度が高いに過ぎない。

一方でJoyStiCKは、‟彼にしかできないこと”をやってのけるのだ。そしてそれを上手く作戦に組み込むことで、Empireの強さを生み出している。

防衛においては時折遊撃に出る程度で、それ以外ではほかチームと根本的な違いはない。だが攻撃では、構造的にほかのチームがやりたくてもできない戦術を行うことを、Team Empireは可能としているのだ。

例としてEmpireのクラブハウスの地下攻めを挙げる。

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▲クラブハウス(地下):祭壇、武器保管室守り

一般的に収納室のポジション(画像赤点)というのは強いポジションとされ、ガジェットによって潰すなど二人がかりで攻めることが一般的であるが、JoyStiCKは一人で攻めることができる。

この収納室を確保できれば、祭壇を攻めるにあたって潰したい複数のポジション(画像赤点)に対して斜線が通り、攻撃としては相当有利だ。

さらに一人で取り切ることができるので、キッチンに人員を配置でき、武器庫のW側(画像青点)から祭壇前への斜線も排除可能、逆に武器庫の敵に対して収納室からの斜線とクロスを組むことも出来る。

祭壇W側の3枚補強壁を割れずとも、収納室からの斜線によりクロスを組み、武器保管庫中からのカバーすらも消し、祭壇の中を完全孤立、かつ蜂の巣状態にしてしまうという理想的な攻め方なのだ。

前提として一人で収納室を取れる選手が必要なのではあるが……JoyStiCKはそれを平然とやってのけるのである。

 

構図としてはEmpireにEGが挑むような形に

上述した通り、Empireは1つのスタイルを変えない。そのため、‟EGがいかにそれを崩すか”という構図の試合となった。

Empireの防衛に対しては、一般的な方策である程度の成功率(攻撃成功率53%)を収められたが、彼らの攻撃を崩すことにおいては、普段以上のアグレッシブさを求められ続けた。

実際にEGが防衛ラウンドを取得したのはほとんどが、Empireの攻撃のどこかの要所を能動的に潰すことに成功したラウンドであり、EGは防衛でも常に攻撃をせざるを得なかった


その中でも、リテイクや飛び出しなど、理論にマップの要所を潰す選択のみをしていたため、Empireとしては理解・対応しやすかったのだろう。そのため、EGがラウンド有利を築いても、長引けば長引くほど逆に追い込まれていくような印象を受けた。

また、クラブハウスというマップが常識的・論理的に考えると防衛として戦いづらい構造をしていることも勝敗に大きく影響しただろう。

 

Six Invitational 2019でG2が見せたように、序盤で枚数を削ることで攻撃を潰す、逆にまったく撃ち合うことなくガジェットによって時間切れを狙うなど、ラインを変えたり、根本的な狙いを変えたりと、別の部分での揺さぶりをかけることができていれば、ラウンド有利が精神的優位に繋がり、最後の1ラウンドまで取りきることが出来たかもしれない。

 

まとめて言えば、JoyStiCKという常識を覆すプレイヤーを有するEmpireに対しては、‟常識を持って戦うべきではない”という話であるが、EGは正攻法で戦っても十分に優勝できる試合運びではあった。オレゴンの6-4で迎えた3vs2は、勝って然るべきラウンドであったのだ。

メンタルや勝負強さなど、解説し難い話になってしまうため今回は別の視点で解説したが、いつしかその壁を超え、EGが再度トロフィーを掲げる瞬間を世界中のファンは心待ちにしているだろう。

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一方、シーズン9で新星として現れ、瞬く間に世界を征服したEmpire。Danの加入によって、オフラインでの強さも増したように感じられる。恐らく彼らはその戦い方から考えると、BO1で行われるレギュラーシーズンで大きく躓くことはないだろう。

今後の世界大会で、ほかチームがいかにEmpireを崩していくことができるか楽しみである。

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