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【鉄拳7】Arslan Ashの強さとは? パキスタンスタイルの全貌に迫る【knee、破壊王、レジェンダーに聞く】

格闘ゲーム大会“EVO Japan 2019”『鉄拳7』部門の覇者となり、世界にその名をとどろかせたパキスタンのArslan Ash(アルスラーン・アッシュ)。2019年5月4日より有志によるクラウドファンディングを利用して来日し、日本のトッププレイヤーや韓国のプロゲーマーkneeと“10先”(10試合先取)を実施。

Ashと対戦した選手のうち、Ashに勝利した韓国のknee、今回の来日で最初に対戦したレジェンダー、10:9の壮絶な試合をくり広げた破壊王の3人に、対戦した感想を伺いAshのすごさを紐解きたい。

Ashに唯一勝利したknee

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■対Ash戦績
knee(デビル仁) 10-8 Ash(一美)
knee(スティーブ) 3-10 Ash(ギース)
knee(デビル仁) 10-6 Ash(ギース)

――Ashと対戦した感想を教えてください。

knee これまでAsh選手にはとても多くの敗北を経験させられ、自分のプレイに対して悩んだ時期もありました。なぜなら、彼はいままで戦ったどの選手ともプレイスタイルが異なっていたので、「どうしたら彼に勝てるのか?」と、今日の試合を迎えるまでにたくさんの準備をしてきました。ですから、彼を倒すために準備してきたことがある程度通用したので、とても気分がいいです。ただ、スコアはわずかな差だから実力は同じくらいなんじゃないかと思います。Ashとはもっとたくさん対戦したいですね。

――Ash選手のすごいところはどんなところなのでしょうか?

knee Ashはハイキックでカウンターを取るのがとてもうまいです。彼のハイキックを打つタイミングは、韓国、日本、ヨーロッパなど、世界のどの国の選手とも完全に異なり、“パキスタンスタイル”と言えるような彼らだけのタイミングを持っています。

また、Ashはガードがものすごくうまい。自分の場合は試合の終盤で勝ち急いで逆転負けすることがありますが、彼はガードを固めつつ最後まで落ち着いて試合を運べるのがすごいところです。デビル仁は中段と下段の揺さぶりがすごいのに、Ashは高い確率で防御してくる。彼の防御能力を見ていると、『鉄拳7』は攻撃よりも防御が重要なゲームなんじゃないかと考えさせられました。

日本勢で最初にAsh選手との10先に挑んだレジェンダー

■対Ash戦績
レジェンダー(豪鬼) 0-10 Ash(ギース)

――結果は、10-0の完封でした。

レジェンダー チクリンさんら強豪プレイヤーでギースを使ってる方が多いので、対策はしていたのですがあれはギースではなく……Ashでした(笑)。豪鬼は下段からの崩しが優秀なキャラクターなので、それを当てるように立ちまわっていたんですけど、Ashは“左手”を使った操作、つまり前後移動や横移動を駆使した間合い取りが絶妙で、下段攻撃が効果を発揮しにくい位置をずっと保っていて、それで下段攻撃を使った崩しが成立しませんでした。あまりにも当たらなくて「どうしようかな?」とリーチの長い2RKを振ってみると「見えているのか?」というくらいの確率でガードしてきて……。発生が早いほうの下段攻撃なので見てからしゃがんでいるわけではないと思うんですけど、まったく当たらないから中段攻撃が多くなってしまい、効率負けしてしまいました。

――ほかのプレイヤーとAshが違うと感じた部分はどこですか?

レジェンダー “距離感”ですね。ずっと僕が嫌な距離を維持していて、やることなくて完全に詰まされました。焦ってはいなかったんですけど、「引き出しがもうない……」という状態でした。Ashのように“山ステ”がうまく、下段からの崩しが成立しない相手にどう対応するかしっかり考えていかないといけないと思いました。僕とは完全にステージが違いました。

――Ashは世界の強豪と比べても間違いなく最強クラスのプレイヤー?

レジェンダー ブック、ナップス、kneeくらいしか対戦したことがないんですけど、こんなに詰まされたのは初めてでした。遊ばれたって感じですね(笑)。パキスタンにも豪鬼使いがいるから慣れているのかもしれませんが、僕の手に負えるような相手ではありませんでした。

最終戦フルラウンドまで追い込んだ破壊王

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フルセットの激闘の末、惜しくも破壊王が敗れる

■対Ash戦績
破壊王(キング) 9-10 Ash(一美)

――Ashとの対戦はいかがでしたか?

破壊王 メチャメチャ楽しかったです。昨日のKneeに続いてこれだけ強い相手と対戦できて、なおかつ対等に渡り合えてる実感があったので、ここ最近自分の成長を感じていたんですけど、上位プレイヤーに通用するようにはなってきたという手ごたえがありました。

――キングと一美はどんな組み合わせなんでしょうか?

破壊王 小技は一美のほうが圧倒的に優秀なのでペースを握りやすいんですけど、逆転力はキングのほうが高いので、「少しだけ一美のほうがやりやすいかな?」という感じで、そこまで差のある組み合わせではないと思っています。

――前半はかなり押されていましたよね。

破壊王 Ash選手は“ファジーガード”がものすごくうまいですし、かと言って防御だけではなく攻めもうまくて、すべてがハイレベル。「これはどうしようかな?」と思いながら戦っていました。でも、「こうすれば通用するかな?」と押されながらも対応策を考えながら戦っていたら、少しずつついていけるようになっていきました。

――中盤で得意の神殿ステージが選ばれました。

破壊王 あれは運がよかったですね。あれがなかったら9-9までいかなかったと思いますけど、運も実力のうちということで(笑)

――最後に怒涛の連勝で9-9のフルラウンドまでもつれ込みました。

破壊王 4連勝して追いついてからフルラウンドまでいって……あのシーンは正直手が震えました(笑)。途中、大きくリードされましたが、「弱気になったら負けなので、強気にいこう」と、押し返していったのがよかったんだと思います。でも、あと1歩足りませんでした。

――実際に対戦してみて、アッシュ選手のすごいところはどこだと思いましたか?

破壊王 とにかく反応がメチャメチャ速くて、ローキックがスカるだけでもほぼ“スカし確定”が来ますし、横移動も正確で、とにかく“左手”のレバー操作がうまいですね。攻めも細かいんですけど、反撃するところはしっかり横移動から反撃。こっちが切り返すときは技が当たらない。そういった感じでした。

――knee選手が「アッシュ選手には“16フレーム”以上の下段攻撃が通用しない」と言っていたようなのですが、いかがでしたか?

破壊王 完全に見えているわけではないと思うんですけど、守りに意識を割いているときは下段攻撃がほぼ通りませんでした。そこは僕も同じ印象です。ステップからの投げも中段も当たらないし……もうローリスクローリターンの技でチクチク削って、これでもかというくらい意識付けさせないと絶対に崩せないですね。でも、ガードが堅いだけじゃないのが厄介で、前に出てくるときは一気に出てきますし、その切り替えをとらえるのが難しかったです。

――ハイキックの使いどころもうまい印象がありました。

破壊王 相手の心理を読み取るのがうまいのか、こっちが前に出るところにハイキックが置いてあるんですよ。僕は事前にAshの動きを見ていたにも関わらず3割くらいカウンターをもらっているので、初見だったら6、7割は当たるんじゃないですかね。出しどころが相当うまいですよ。

――世界最強クラスのプレイヤーと連日対戦していかがでしたか?

破壊王 正直、kneeさんに勝てたのはすごくうれしいですし、Ash選手に負けたのは悔しかったです。やっぱり鉄拳はおもしろいですね(笑)。

――キング総会も画面の向こうで応援していたはずですよ

破壊王 そうですね。キング総会の応援はマジで心強いので、うれしいですね。EVOで結果を残せるようにがんばります。

Ashのすごいところまとめ

・防御能力がものすごく高い by knee
・ハイキックの使い方が誰とも異なり、その彼らだけのタイミングは“パキスタンスタイル”と呼べる by knee
・試合の最後まで落ち着いている by knee
・間合い取りがすごい by レジェンダー
・左手がすごい(横移動、山ステなどのレバー操作) by レジェンダー
・すべての能力がハイレベル by 破壊王
・ファジーガードがものすごくうまい by 破壊王
・(横移動、山ステなど)左手のレバー操作がすごい by 破壊王
・スカ確の精度がすごい by破壊王

これらの証言をまとめると、前提として反応などを含めたすべての基礎力がハイレベルというのがあり、さらに卓越した間合い取りと精度の高いファジーガードなどを駆使した鉄壁の防御を誇りつつ、相手が焦ったところで“スカ確”やハイキックでカウンターを取るのがものすごくうまいということになる。この鉄壁の防御と独特のカウンターの取り方が、パキスタンスタイルなのかもしれない。

実際にどのような試合をしているのかは、ぜひ黒黒氏のTwitchチャンネル(アーカイブはサブスクライバー限定)で確かめてみよう。

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対戦後の記念写真

取材:豊泉

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