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【ストV AE】PUNKとジョニィ、日米の若手かりん使いが見せる“CAPCOM Pro tour 2019”に対する熱意と展望

“CAPCOM Pro tour 2019”は今までと一味違う展開が期待できそうだ。2019年3月15日〜17日にアメリカ・アトランタで行われた“Final Round 2019”。「ストリートファイターV」部門は“CAPCOM Pro tour 2019”の初戦となっており、地元アメリカ勢のPUNKが優勝した。

PUNKの優勝だけなら「2017年の再来か?」といった予測も立つが2019年はそうではない。3位となったのは「Fudoh(不動)」所属の日本人若手プレイヤーの「ジョニィ」である。奇しくも同じ「かりん使い」として活躍した両プレイヤー。今回は彼らふたりにフォーカスをして“Final Round 2019”の振り返りと“CAPCOM Pro tour 2019”について考察する。

PUNKとジョニィが活躍した理由は?

まず今大会では2018年までにベスト8常連だったプレイヤーがあまり上位に残らなかった。ベスト8に残った中では台湾の最強ラシード使いであるOil Kingやシンガポールを代表するプレイヤーのXianといった海外勢はしっかりと残ったが、日本人は“EVO Japan 2019”の優勝から引き続き高いレベルの仕上がりを見せたももちのみ。前回の“Final Round 2018”ではときど、ガチくん、ネモ、藤村がベスト8に残っており、これと比べると今年の異質さが際立つだろう。

格闘ゲームは「勝負」であり、水物なのだから当然そういったこともあるかもしれない。しかし、試合内容を見ていくと、今回の結果はそういった「偶然」や「巡り合わせ」のような不確定なものではなく、もっとしっかりとした「勝つべくして勝った理由」があるように思えた。

その一つが「やり込みによる練度」だ。

PUNKとジョニィの共通点は「かりん使い」ということだけではない。彼らはシーズン1の頃からかりんを「使い続けている」のだ。“Final Round 2019”はプロツアー初戦ということもあり、世界各国のプレイヤーが集まり新シーズンに対してどのような準備をしてきているのかが注目ポイントの一つであった。

当然キャラクターの変更もそこに含まれていたが、PUNKとジョニィは継続してかりんを選択。その「継続力」が自信となり、結果に結びついたのではないだろうか。現に他のベスト8のプレイヤーを見てもキャラクター変更をしたプレイヤーは少なく、新シリーズといえど今までの「やり込み」が重要なポイントとなっていた。

若手の熱意とベテランの思考

しかし「継続力」であれば今までのベテラン陣にも当てはまる。先に挙げたときど、ガチくん、ネモ、藤村のいずれにもキャラクター変更は見られなかった。

もし違いがあるのだとすれば、憶測ではあるが「プロツアー初戦」に対する考え方ではないだろうか。ベテラン陣は当然経験が豊富で“CAPCOM Cup”への出場経験もある。だからこそプロツアー全体を俯瞰してみることが出来るのではないだろうか。だからこそ今大会では自分と他者の差を冷静に分析することでまずは「自分の立ち位置を知る」といった思考もあったように感じられる。

その点若手選手はやはり「一球入魂」だ。

一つ一つの戦いで実績を残し、それを次に繋げていくことに必死だ。現にジョニィの試合を見ると、そのひたむきさが強く感じられるだろう。

■ベスト8(ウィナーズセミファイナル) Brian_F(バイソン)VSジョニィ(かりん)

↑バイソンのクラッシュカウンターを狙った強攻撃に苦戦するものの、後手に回ることなく果敢に差し込みを狙う。その狙いが功を奏し、体力を先行することでBrian_Fを撃破。

目指すは“CAPCOM Cup”、プロツアーにおける「強さ」とは

今大会は今後の若手の台頭が期待される結果となったが、“CAPCOM Cup”と続く道のりは始まったばかり。プロツアーを戦い抜くにはゲーム内の強さだけでは無く、多くの「強さ」が必要だ。海外諸国を周り、その時々にポテンシャルを発揮する体力、精神力、対応力、時の運などなど。

今やアメリカのストVはPUNKを始めとして、若手が世代交代とも言えるレベルで台頭してきている。もしアメリカ代表を選ぶのであればPUNKは筆頭候補となる「強さ」を持っている。

一方で日本はまだまだベテランが根強く、若手が上位に入賞することはあるものの、真にその存在を脅かすには至っていないように感じられる。

■ウィナーズファイナル ももち(是空)VSジョニィ(かりん)

↑忍ism師弟対決となる一戦。序盤から「プロの世界の厳しさ」を伝えるが如く是空の苛烈な攻めが続く。かりんも一度ペースを取り戻すものの、その強すぎる「勝気」を冷静に感じ取った是空が無敵技で切り返しももちが勝利。師匠越えは惜しくも成らなかった。

「若手」からの脱却と「コミュニティを牽引する力」

ここまで「ベテラン」や「若手」といった分け方をしてきたが、果たして「若手」はいつまで「若手」なのだろうか? ストVもシーズン4になり対戦ゲームとして成熟した。バランス調整についても今までに比べると微細に感じられ、メーカーが考える対戦ゲームとしての完成度は高まりつつある。プレイヤー側もストVという一つのゲームの知識や経験であれば、年々差は縮まりつつあるのだ。

PUNKが強いのはその人間性能もさることながら、もはや若手とは呼べない「実績」と「アメリカ勢筆頭としての自負」も兼ね備えているからだろう。

2017年のプロツアー序盤は間違いなくPUNKが最強だった。それが夏まで続き“EVO 2017”も獲るかと思いきや立ちはだかったのは最強豪鬼であり日本の筆頭で在り続けるときど。

その敗戦でPUNKはシンプルなゲームの強さではなく「何かを担う力」を感じたのではないだろうか?

一方のジョニィもシーズン4の最初のプレミア大会で3位と十分すぎる実績を獲得した。この結果は“CAPCOM Cup 2019”進出へ向けて大きな可能性を持たせている。しかしこれからはベテラン陣も黙っていない。それぞれが調子を上げ、次々にジョニィに難題を吹っかけることになるだろう。それらを乗り越えるのに必要なのはゲームの強さだけではない。人間として成長し「自分自身が未来を作り出していく力」が必要だ。

先人の作った道を歩きその後ろをなぞるだけはなく、その先の新しい道を作り自分や周りを牽引していく力。“Final Round 2019”準優勝であるももちを間に挟んで結果が分かたれた二人にはこの辺りに違いがあるのでは無いだろうか。

■ルーザーズファイナル PUNK(かりん)VSジョニィ(かりん)

↑惜しくも破れてしまったジョニィだが、同キャラ戦の内容からは差をほとんど感じられない。師であるももち、同キャラ使いにして実績で先を行くPUNKとの敗戦を経てこれから更に伸びていくことができるか。

地域間の戦いと世代の戦い、そして“CAPCOM Pro tour 2019”への期待と展望

今大会ではPUNKが優勝し、それ以外にも3人のアメリカ勢がベスト8に残るというアメリカの勢いを感じる結果だった。一方でウィナーズファイナルという大舞台で忍ismの師弟対決が見られたのはとても熱い展開だった。また、直接対決には至らなかったもののFAV gamingのSakoとりゅうせいも同じプールに配置され、よもや同門対決という期待があったり見所はとても多い大会だったと思う。

りゅうせいを始めとして2019年シーズンは今まで以上に若手が世界を周るだろう。そして彼らがひたむきに努力と経験を積めば、今回以上に活躍する大会があっても全くおかしくは無い。

次はアジア大会であるマレーシアの“FV x SEA Major 2019”だ。

“CAPCOM Pro tour 2019”シーズンは、地域間もさることながら世代間の戦いにも目を向けていく。若手が「若手なりの」といった努力や活躍では無く、猛者が群雄割拠するプロツアーの一選手として「“CAPCOM Cup 2019”優勝」を目指すことで、「ストリートファイターV」ひいては「格闘ゲーム業界全体」がさらに盛り上がるような展開を期待していきたい。

■グランドファイナル PUNK(かりん)VSももち(是空)

↑大会を通してPUNKらしい強さが際立つ。グランドファイナルもそれに漏れず、差し込みからの正確な状況確認と技を振ることさえ躊躇われるほどの差し返しにももちでさえプレッシャーに圧倒される。シーズン4最初のプレミア大会はPUNKのかりんが優勝。

 

編集:豊泉、ライター:ベックス

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