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「esportsという言葉がひとり歩きしてくれてもいい」第4回:OooDa(後編) 【ゲームキャスターリレーインタビュー】

日ごろゲーム大会の実況や解説などで活躍する、ゲームキャスター。彼らが語るゲームや選手の話は聞く機会が多いのに、彼ら自身の人となりや、彼ら自身の意見については、公の場で訊ける機会は少なかったのではないだろうか。

そこで、ファミ通では取材機会が少なかったゲームキャスターひとりひとりに、キャリアの歩み、ゲームキャスターという仕事について、そしてesportsについての意見を聞きたいと思う。なお、次のインタビュー対象も指定してもらう形式のリレーインタビューを採用している。

第4回は、OooDa氏。前編では氏のあまりにアバンギャルドな半生と、そこからゲームキャスター兼イベント運営の会社員となるまでのきっかけなど、驚くべき事実を明かしてもらった。

後編では、独特のいきさつと立場を持つ氏ならではのゲームキャスター観と、その視点から見るesports周辺の現状と今後についてを伺っていく。

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OooDa
『Counter-Strike Online』公式大会の実況を担当して以来、『サドンアタック』などさまざまなFPSタイトルの実況を担当し、今では『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS(PUBG)』や『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』の公式実況も務めるオールラウンダーキャスター。堅苦しくなくゆるすぎもせず、選手や解説を大いにいじってドラマを伝えていくその実況が持ち味。

――OooDaさんが、勉強などはしていない現場たたき上げのおしゃべりお兄さんと分かってしまったわけですが……。ゲームキャスターとしての努力とか心得とかそういうのが、記事的にはすごく訊きづらくなってしまいました。

OooDa たしかに、ゲームキャスターという仕事をどうやっていきたいかと聞かれると、答えるのはすごく難しいんですよね。ゲームって、試合の状況だけを伝えただけでは視聴者には伝わらないと思っています。実況はあくまで非現実世界のゲーム画面を見ながら、それについて話すものなんですよね。でも、それを操作しているのは選手たちなんです。

――非現実のものだけど、現実の選手が存在しているという二面性があるわけですね。

OooDa そこを面白おかしくつまんでいかないと、ゲームでの操作のすごさは視聴者には伝わらないし、選手のドラマは見えてこないんだと思います。正解はまだ見えていないんですけど、そこの面白さを伝える仕事こそがゲームキャスターだと思っています。

――スポーツの他に、囲碁などの実況番組も最近は増えてきていますけど、観ていますか?

OooDa 昔は観ていましたね、特に競馬の番組やスポーツ中継などを。ただ、僕の思っているゲーム実況とはまったく違うものだと感じました。同じ雰囲気でやっていいタイトルや大会もあるとは思いますが、実況全体をスポーツ中継に寄せていったら、面白いものは生まれないと思います。

――それは、なぜでしょうか?

OooDa スポーツなどと異なり、僕らが実況しているのはあくまで非現実の存在で、その“ゲーム”という非現実存在の面白さを伝えるところに、競技という要素が加わって、さらにそれを操作している人がいる、そのすべてを伝えないといけないと思うからです。マラソンなら、目の前に走っている選手そのものがいて、今走っている選手はこれこれこう言う選手で、今の順位はいくつです、と詰めていけばいいですよね。

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――それはもう、それだけで視聴者もリアルにマラソン選手を感じ取れますしね。本人が見えていますし。

OooDa ところがゲームの場合は、ぱっと目の前で観たときに、たとえば『Overwatch』などではいろいろなキャラクターが画面内にいて、非現実な空間や挙動で対戦を繰り広げていて、一見すると何を見せられているのか理解できないじゃないですか。まずはその状況を説明しつつ、状況だけでなくそのゲームの面白さについても情報を乗せていったり、アルティメットを使うタイミングのすごさなども伝えないといけませんし、視聴者からは見えないけど、画面外ではそれらを操作している人がいることも伝えないといけないんです。

後は、いかに選手をおいしくするかを普段から意識しています。例えば、名前を印象づけるとか、変わった行動、名前が面白い、ファニーなプレーなどを伝えてあげることですね。ここに関しては、目の前でプレイを行うスポーツ競技とは違い、基本的にはゲーム画面(非現実の世界を視聴しております)その中で、「実際に操作をしているのは人なんだよ! こんな事ができる人物(選手)なんですよ!と」強く伝える必要があると考えて意識しています。

――マラソンと違って見えない相手ですから、伝えるのにもひと手間かかりますね。

OooDa 全部を伝えるのは当然難しいですから、それらをうまく刻んで伝えていって、ゲームキャスターとしての仕事が初めて成立するんだと思います。当然選手についての情報などは大量に用意しますが、もちろん試合中の限られた時間に全部言えるわけじゃないですから、ここぞという場面で「実はこの人、このチームに元所属していていまはライバル関係なんです」などと、おもしろさの一環として伝えるわけです。

――たしかに、単に「●●選手がチームを倒しました」などと単純に伝えても、おもしろさは生まれないですね。

OooDa あとはゲームの実況に大切なこととしては、たとえば『PUBG』でAチームとBチームがこういう銃を使ってこの距離で撃ち合っていて、そこに別方角から3チーム目が現れて挟み撃ちに! などといった状況を、目をつぶっていても聞けば分かる実況、というのが理想形だと思うんですよ。競馬の実況とか、ラジオで聞いているだけで全部伝わりますしね。

――野球などもそうですね。実況というのは、本来そういうものなのかもしれません。

OooDa でも、僕の中ではそれだけでは無い気もしていて、瞬発力と言葉選び、おもしろさも意識しています。さっきの例だと、AとBが撃ち合っています、おおっとここで後ろから3チーム目のファイターが参戦です!」と、『スマブラ』風に言ってみたりすると、聞いている方もクスッとしてくれるじゃないですか。

事細かに説明する場面も重要ですけど、それだけじゃなくて場面次第で簡単な説明にしたりした方が、観ている人の頭にスッと情報が入ることもあるかと思います。

あとはゲームならではのおもしろさの伝え方ですね。僕の『PUBG』実況で例を出せば、パルスに飲まれて走っている人を指して、映画『フォレスト・ガンプ』などにたとえて「走って●●!」と、分かる人にしか分からない表現をしたりもします。

――あれ、『フォレスト・ガンプ』が由来だったのですか?

※『フォレスト・ガンプ/一期一会』:1994年にアメリカで(日本では1995年に)公開された映画。純真だが知能指数が低い主人公フォレスト・ガンプの、周囲に支えられつつ駆け抜けたサクセスストーリーを描く。主演のトム・ハンクス氏が劇中でやたら走っていた印象があるとは、OooDa氏の弁。

OooDa これは僕にそう見えちゃったから言ってるんですけど。ゲームは非現実世界なので、それを真剣に状況説明するのか、それを取り巻くさまざまな要素を視聴者にどうおもしろく伝えるのかなど、そこを意識していますね。なのでスポーツ実況とは、まったく異なるものと考えるわけです。

――eyesさんにお話を伺ったときには、カジュアル寄りとコア寄りというお話も出ていましたが、その辺は視聴者層に合わせて意識したことはありますか?

OooDa 基本的には、ないです。バラエティー番組や緩やかな大会か、本気の大会かといった雰囲気には合わせますけど、自分の実況スタイルを変えたことはありません。自分は面白おかしく話しつつ、分かりやすく状況を伝えて、あとは解説の人に話してもらう、というスタイルを徹底しています。

すごいシーンが出たと思ったら、解説の人と「このシーンすごかったですね!」と話しますけど、コア向けやカジュアル向けというのは意識したことがないですね。東京ゲームショウなどでの、そのゲームを初めて知ってもらう人向けのイベントでは、だいぶ優しめでしたけど。

――スコアやキルログの見方など、一から説明されていましたね。

OooDa そこまでいくとカジュアル寄りじゃなくて、そういうチュートリアルみたいなコンテンツですよね。大会に関しては、どっち寄りというのはまったく意識していないです。あとはもう、解説の人にしゃべらせます(笑)。

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“PUBG JAPAN SERIES”αリーグの一幕

――よく話振りますよね。

OooDa スポーツ中継とかだと実況がぐわーっとしゃべって、解説はゲストみたいにちょっとガヤ入れる程度だったりすることもありますね。韓国のプロリーグなどでもそうですけど、ゲーム実況だと実況と解説が会話形式でわいわいやり取りしているのがスタンダードになっていますね。そこを目指している……というわけでもないんですけど。

むしろ僕がしゃべるより、解説の人の方がそのゲームに詳しいわけですし、説得力あるわけですし。そりゃもう、詳しくはそっちにしゃべってもらいますよね。

esportsはもっと好き勝手に! でも将来は大事よ。

――OooDaさんはゲーム運営のお仕事を長らく続けてこられて、昨今はesportsブームで実況や運営のお仕事も増えてきているかと思いますが。

OooDa いやもう、ありがたい! の一言ですね。これで僕もご飯が食べられる!

――たしかに、会社員の立場としてはそうなりますよね(笑)。

OooDa 出演者としても、イベント会社としても仕事が成り立って育ちますし、ゲーム会社も盛り上がってくれますしね。選手たちも、昔は賞品にデバイスひとつでももらえればうれしいくらいだったのに、今ではお給料をもらいつつ練習もしていけるわけですし。

いまではストリーマーも、自分も楽しみつつゲームの面白さをみんなに知ってもらって、それで収益も得られるわけですし、本当にありがたいですよね。esportsという単語がひとり歩きしたというか、してくれたおかげだと思います。

CSGO

――ひとり歩きを問題視する人も多いですけど、たしかにひとり歩きしてくれたからこその利点も多かったですね。

OooDa 現状はひとり歩きというか、esportsが“自由”じゃないですか。とりあえず「esportsって言っとけ」みたいな。どこもかしこも、好き放題にやっていますよね。その状況もまた、いいんじゃないかと思います。全部制御するのは無理ですし、いいことも悪いことも広げていってもらって、母体を増やして認知を増やして、もっと知ってもらうべき段階なんだと思います

そして何年後かには派閥が生まれたり、それを経験してこれが失敗だった、これが成功だったと各々が感じ取って、最終的にはまとまっていくと思います。飲み屋とかで、「あんたのやり方は間違ってるよ!」とか、「あそこほんとに最悪だよね!」とか、堂々と言えるくらいに業界内が精査されていくんじゃないかなと。

――それで最後に生き残っていく人が、業界を引っ張っていく、と。

OooDa そうですね。なのでいまは、ああした方がいい、こうした方がいいと言うよりは、「もっとゲーム大会! esports!」と、暴れまわってくれた方がいいと思います。流行語に選ばれたり、オリンピックに採用されたりとか、その辺はもう成否はどうでもよくて、それで皆が盛り上がってくれさえすればと

――たしかに、まずは盛り上がらないと始まらないですね。

OooDa 文句もあるかと思うんですよ。僕も最初のころは「先人の積み上げたものを大事にしてほしい」と思っていまして、そこに急にesportsと声高に叫びながらスポンサーもついてきて、「何このグチャグチャな状況……みんなすぐ撤退しちゃうわ」などと思ったものです。でも、いま現在は自分たちの仕事が増えていることも含めて、その当時にesportsと言ってくれていた人たちのおかげなんですよね。

――なるほど。たしかに結果的にはあのころの混沌も、いまはいい方向に働いているようにも感じます。

OooDa この前なんて、某子ども向けテレビ番組から出演オファーをいただきましたからね。ほかのお仕事が先に入っていたので、ものすごく引き受けたかったんですが断ることになりましたが。

――地上波放送でお見掛けできたのかもしれないと!

OooDa 次またチャンスがあれば、必ずお引き受けしたいですけどね。esports番組とはまた違う、子どものころから観ていた番組ですから、「ここまで来たかぁ」と思いつつ、受けられなかったのが非常にショックでした。

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――OooDaさんは、お茶の間的な雰囲気も似合うと思います。ちなみに、テレビやWebなどすべて含めて、メディアに対してもっとこうしてほしい、といったご意見などはありますか?

OooDa 最近は大会の現場に自ら足を運んでくれるメディアの皆さんも多いですし、大会とは切り離した選手その人へのインタビューなどもしてくれたりと、幅広くスポットライトを当ててくれているのがうれしいですね。このままメディアさんには、“現場”の情報を大切に新鮮な情報を挙げていってもらえればと思います。あとは単に「●●選手と●●選手が対戦した」などで終わらず、「●●と過去こういうことがあった」など、ドラマや因縁、過去の対戦成績なども書いてもらえると、その記事からおもしろさが読者にも見えてくるかと思います。

――努力させていただきます。

OooDa ちょっと昔の話に戻りますけど、昔はヒップホップもずっと日の目を見ていなくて、それがいまではフリースタイルが流行してきて、高校生のラップ選手権なども爆発的人気を呼んで、テレビなどの番組も視聴者数が大幅に増えているんですよね。サブカルがこうして高みに上がっていくには、メディアさんも含めていろいろな場面から母体数を増やして、広げていってもらうしかないとは思います。

――ゲームなら、すでにスマホでその辺で遊んでいたりと目に止まる機会も多いですから、広がるチャンスは多そうですね。

OooDa あとはそこでそのゲームで対戦し、競技していくことが、エンターテイメントとしても昇華されていくとなおいいですね。もっとみんな、好き勝手やってください! あまりにひどいイベントなら僕は出ませんけど(笑)。

――直球ですが、ひどい運営会社とかありました?

OooDa ないことはないと思いますけ、そこでも僕がきつかった時期があったように、業界全体にマンパワーが足りなくて回せていないんだなぁ、と思うばかりでしたね。イベントのプロである芸能関連などから、もっといろんな企業や制作会社が入ってきてほしいですね。

――Abemaさんとか、まさにその精鋭ですよね。

OooDa あとはRIZeSTさんとかも、PANDASTUDIOさんと連携することで機材が充実していますし、すごいですよね。グランドステージさん、JCGさんを含め、ウェルプレイドさんなども、最近とくに頑張ってくださっていますよね。僕が務めているE5も、負けずに頑張っていかなくてはならないです。

――そういえば、OooDaさんってE5所属の会社員というイメージがあんまりないですよね。

OooDa こちらとしても、聞かれたら答える、という程度ですからね。
※E5 esports Works:OooDaさんが勤務している、イベント会社。成の社員を中心とし、池袋LFS esports Arenaの運営会社としても知られる。

E5はLFSのオープンと同時に設立されていて、まだ半年くらいの新会社です。ただ、僕は会社に所属しつつ、特定のメーカーとの固定タイアップなどはしない主義でやっています。

――なるほど、そういう状況だから、会社員ながらほぼフリーで活動できているわけですね。

OooDa 完全にフリーになっても相応に利点はあるんですが、会社を辞めちゃう人との出会いが少なくなってしまいますし、ある意味イベント回しや、若手の育成が自分の強みにもなっていて、この仕事でこそ見えてくる視点というのもあると思うんです。あと、「福利厚生がしっかりしてるなー、フリーだといくつまでやれるんだろうなー、ボーナスもあるし頑張ろうかなー」とか(笑)。

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――リアルな話ですね。フリーでガンガンやっていくのもゲームキャスターとしてはいいと思いますが、ちゃんと業界で自分の将来を考えながらやってくれるキャスターも増えるといいかと思います。

OooDa これからは将来が不安だという若いゲームキャスターの皆さんを、何らかの形で若手育成として、引っ張ってあげられるとなおいいですね。

――ゲームキャスターにはフリーの形態しかない、という考え方をしている人も多そうですから、こういう形態や考え方についても広まってくれるといいですね。

OooDa まぁ、僕のような形態になれば、実況の仕事なかったらイベントの仕事してこいとか、LFSの店員やってこいとか、いろいろフォローもできますしね(笑)。

――ゲームキャスターとしてやっていくにしても何にしても、お金のこともちゃんと考えないといけませんよね。

OooDa そうですね、人生の話ですから。

――まさかラッパーの話から、こんなリアルで深い話になるとは思いませんでした(笑)。

そのメガネ(伊達)が映す、業界の未来図

――ちなみに実況をご担当されている、『PUBG』の公式リーグ『PUBG JAPAN SERIES』については現状をどうお考えですか?

OooDa モバイル版のおかげでアクティブ視聴者数も格段に上がってきまして、PS4版も出たことでさらに増えていくのではと期待しています。ステージ上での絵の出し方のパターンやランキングの出し方なども変わってきて、さらにTPP視点がなくなってFPP視点形式になったり、20チーム制から16チーム制になるなど、変更も多いですね。日本の大きな大会の中のひとつの見本として、いい方向への変化に期待できると思います。

――大会などの視聴者数は、いまなお右肩上がりですしね。

OooDa ただ少しだけ気になるのは、視聴者数は増えているんですが、プレイしている人口はそれと同じ比率で増えているわけではないので、将来これがどう影響してくるかですね。

“PUBG JAPAN SERIES”βリーグ
“PUBG JAPAN SERIES”βリーグの一幕

 

――すべてのゲームがいま抱えている問題ですよね。ゲームを観る、という楽しみ方が広がる以上、付きまとう問題ではないかと。

OooDa ただ、野球やサッカーを観戦しているファンの皆さんに実際に野球やサッカーをやっているかと聞けば、ほとんどの人はやってないと思うんですよね。そのように興行、エンターテイメントとして観てくれる人が増えていくことは、まったく問題ないことだと思うんですよ。そこからマネタイズして、イベントを興行として回す方法は将来的には確立していかないといけませんよね。

――チケット代を設けたり、配信が有料になったり、どんな形になるかは分かりませんけど、興行として成り立つように努力している企業は多いと思います。

OooDa 通常ゲームタイトルは、販売本数や総プレイ時間などは年月とともに減少していきますし、僕らがゲームを続けられるように、考えていかなくてはいけない点ですね。ちょうど『Counter-Strike Online』サービス終了の話を聞いて、より思うところがあります。

仕方ないけど、やっぱり悲しいですよね。そこで重要になってくるのは、ストリーマーや選手自身だと思います。視聴者や応援してくれる人も大事ですけど、まずはこのふたつをしっかり育てて活動してもらえば、ゲームを盛り上げてもらえると思います。そこを大手の企業が今後どうサポートしてくれるか、間に入るサポーターがきちんと教えられるかが大事かと。

――闇雲にesportsチームを持ちましょうよ、などと呼びかけるだけでは、将来も考えると駄目なんですね。

OooDa そこまでやっても、ゲーム各タイトル自体は野球やサッカーのようにはいかず、いつかは必ず終わるものです。大会という存在がそれを延命しつつ、そのあとへとつなげていく存在になってくれるといいですね。

――ゲームを実際に遊んでみた方が、大会を観ても楽しいと思うんですよね。その点、モバイルですぐに触れられる『PUBG』と『PJS』は、強みがありますよね。

OooDa モバイルやPS4から『PUBG』を知ってもらって、そこからPC版の‟PJS”の高みを目指してもらえる、そんな流れができればいいですね。

――では次に、ゲームキャスターを目指す方や、ゲームに関わるお仕事につきたいと考えている皆さんに、伝えておきたいことはありますか?

OooDa 僕自身もそうでしたが、とりあえずやってみる、ということですね。で、飽きたら止めて(笑)。

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――前編のお話があるので、ものすごく説得力があります。

OooDa ただ、どこかで自分にがっちりとはまるものが見つかったら、どんなに苦しいことがあっても止めずに続けられるはずです。「これだ!」と思ったら忍耐強くやってみてほしいですね。企画から運営から、プロゲーマーからキャスターからと、なんでもやってみていいんじゃないでしょうか。

――いまは業界全体が、群雄割拠の状態でもありますしね。メディアもですが。

OooDa いろんなところが「esports!」って言ってますよね。自分がどの軍勢に加わろうと思っても、様子見しつつその辺の森の中で修行しててもいいと思います。ちゃんと今の自分を俯瞰で見て、ここに居続ける、という立ち位置を見つけておかないと、今後苦しいかと。

いまはこの業界は盛り上がっていて、あちこちで仕事があります。でも、ふわっとした感じでそれらを受けてやっていくと、将来的にはどこかが生き残ったときに、選ばれた人以外が呼ばれない状況に焦ることになると思うんですよ。今後は戦場になりますので、将来を見据えないと食べていけないぞ、と。

――そこはやっていくには、多少ずる賢く考えることも必要そうですよね。

OooDa 今度はいろんなメディアやタレントさん、芸人さんも入ってきて、僕たち既存のゲームキャスターがいる中で生きていくのは、本当に厳しいはずです。月2、3回のお仕事がもらえるからと、バイト感覚でつけあがってはいけないと思います。続けたいなら明確なビジョンや自分ならではの強みや、相談できる場所や人がいないと、このブームの終わりとともに業界を去ることになってしまうかと。

――なんとなく始めて続けている人でも、圧倒的に面白ければそれ自体が強みになって生き残れるでしょうけどね。

OooDa あとは相談できる人や先輩がいれば、将来を見据える助けになりますよね。まぁ、僕は後輩に相談されても突っぱねちゃうかも知れませんが(笑)。

――そんな厳しい話も出ているゲームキャスターですけど、続けているのはどのような点に魅力を感じるからでしょうか?

OooDa 魅力はないと思ったんですよね。僕の場合は魅力というよりは楽しいからで、中毒みたいなところがあるかと思います。いろいろやってきて諦めてきた中で、唯一続けていることですから。やめなかったから、ずっとやっているんでしょうね。

ほかにも、昔いっしょにゲームをしていた子やライバルチームにいた子だったり、昔僕が実況していた時は中学生の子達がタイトルは違えどプロ選手などになり、注目されているのをみると本当に嬉しいですね。何だろ? いとこ的な感覚ですね(笑)。「でかくなったな小僧!」って感じです。プレイヤーとしてだけでなく、ゲームキャスターとしてずっとesportsシーンを追っているからこそ、思えるのかなと。
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“SAJCL 2018 Summer”

 

――お金をもらい始める前から、ずっと続けていたことですしね。

OooDa よそのインタビューでも触れましたけど、多分業界が終わって仕事として受け入れられなくなっても、コミュニティーイベントなどで「しゃべりに来てくださいよ!」と言われたら、「いいよいいよー」と向かうと思います。天職というほどではないですが、この実況の仕事が好きなんでしょうね。仕事としては、ほかのものに興味が湧かないというか。

本当はもっとこう、選手を輝かせたいからとか、ゲームの面白さを伝えたいからとか、カッコいいことを言いたいんですけどね。

――伊達メガネでカッコつけてるのに。

OooDa 最近はステージで照明を反射しちゃうんで、レンズも取っちゃいましたけどね!

――では、最後にまとめとして……E5で韻を踏んだフリースタイルを見せていただけますか?

OooDa 違うでしょ!? えーと、E5(イーファイブ)に就職していいサイフ……とか?

――ありがとうございました!

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ライター:カイゼルちくわ 編集:工藤エイム、佐藤ユースケ

※次回インタビュー対象者は後日お知らせいたします。

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