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【オーバーウォッチ】ディレクター ジェフ・カプラン氏インタビュー アッシュとマクリーの関係、そしてエコーとは何者なのか?

2018年11月2日~3日(現地時間)にアメリカ・アナハイムで行われたBlizzard Entertainmentのイベント‟BlizzCon 2018”にて、『オーバーウォッチ』ディレクターのジェフ・カプラン氏合同インタビューがおこなわれた。以下にて、BlizzCon 2018で発表されたアッシュの詳細およびプレイリポートとともに、インタビューをお届けする。

▲BlizzConの会場には、早くもアッシュのコスプレイヤーがいた。どうやって衣装用意したの⁉ と思ったが、どうやら公式コスプレイヤーとのこと。

アッシュは、かつてのマクリーの相棒。デッドロックギャングと呼ばれるギャング団のリーダーで、39歳。裕福な家庭で育つも、両親からは放任され育ち、唯一そばにいたボブと呼ばれるオムニックが面倒を見ていたようだ。後に、マクリーと出会い犯罪に手を染め、獲物を出し抜く爽快感とお目当てを奪って逃走するスリルに目覚めた彼女は、アウトローの世界にどっぷりはまっていったと言う。

アッシュは、これまで使い勝手の良い強力なアビリティを備えたモイラといったヒーローとは違い、ウェポンベースのキャラクターとなる。

メイン武器はライフル。腰だめ撃ちで高速射撃を行えるが、オートライフルではないので高速射撃をするにはいわゆる‟タップ撃ち”の技術が必要。右クリックでサイトを覗くと、高精度・大ダメージを与えることができる。

スナイパーの部類に近いので、かなりプレイヤースキルが求められるキャラクターだろう。ウィドウメイカーほどのロングレンジを持ち合わせてはいないが、コーチ・ガンで敵をノックバックするほか、自身もコーチ・ガンの爆風でジャンプができる‟ロケットジャンプ”が行えるので、それなりに俊敏に動くことは可能だ。

ジェフ氏曰く「ウィドウメイカーとマクリーの中間を補う役職」とのことで、ロングレンジも、ショートレンジでもプレイヤースキルさえ高ければかなり活躍できそうだ。

アビリティ

  • ザ・ヴァイパー:連射力に優れたセミオートライフル。照準器を利用することで、よりダメージの高い、精密な攻撃を繰り出すこともできる。
  • ダイナマイト:時間差で起爆する爆弾を投げる。なお、爆弾を撃つことで即座に起爆することも可能。ダイナマイトの爆発ダメージに加え、炎による継続ダメージを与える。
  • コーチ・ガン:前方にいる敵をノックバックして遠ざける。自身をノックバックし、移動や脱出に利用することも可能。
  • アルティメット・アビリティ B.O.B.:長年の相棒、オムニックのボブを呼び出す。ボブは前方に突進して敵を空中にノックバックした後、両腕のキャノンで制圧射撃を行う。

 

同じく公開されたアニメーション「リユニオン」では、アッシュとマクリーの出会い、そして女性型のロボット‟エコー”が登場する。また、アッシュのバイクにはマクリーとのツーショット写真が飾られていたりと、二人の関係が気になるだろう。

以下ジェフ氏のインタビューでは、アッシュとマクリーの関係とエコー、そしてOverwatch World Cup開催に合わせてテスト実装された‟Overwatch World Cup ビューワ”について伺った。

マクリーとアッシュの関係は、ヒーローどうしの掛け合いから少し明らかになる

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『オーバーウォッチ』ディレクター ジェフ・カプラン氏

――新ヒーローのアッシュをプレイさせていただきましたが、非常に魅力的なキャラクターだと感じました。今回スナイパーを追加した理由はなんでしょうか?

ジェフ 開発チームの中で話し合い、ユーザーからのフィードバックを受けたところ、アビリティではなくウェポンベースのキャラクター、武器をメインに運用するヒーローが望まれている。たとえば、ドゥームフェスト、モイラなどは武器ではなく、アビリティの組み合わせで戦って行く格闘ゲームに登場するヒーローのようなキャラクターですが、プレイヤーはウェポンベースのヒーローを欲しがっていると感じたのでその様に作り上げました。

今回追加でされたアッシュは、マクリーのミドルレンジ、ウィドウメイカーのロングレンジの中間に位置するキャラクターです。既に存在は明かされているので、‟彼女のキャラクターからどのようなヒーローにするかデザインされて行った”過程は、ほかヒーローと異なる点ですね。

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――アニメーションで元相棒であるマクリーと再会を果たしました。過去に喧嘩別れしたようにも見えますが、アッシュにバイクには彼女とマクリーの写真が飾られていました。ズバリ、マクリーとアッシュはどういった関係なのでしょうか?

ジェフ 詳しくは語れませんが、関係は今後明らかになって行きます。アッシュはマクリーよりも年上で39歳です。彼女がデッドロックギャングのリーダーであり創設者ですが、マクリーとアッシュが会った時はマクリーはまだ若かった。2人の関係についてはまだ言えないですが、ぜひ楽しみにして頂ければと思います。

すぐに分かる点で言うと、ゲーム内のヒーローどうしの掛け合いから、ふたりの関係性が少し明らかになるはずです。その後は、過去に2人の間であったいざこざの部分も明らかにしていければと思います

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――今回公開された短編アニメ「リユニオン」に込めたメッセージは?

ジェフ いい質問ですね。リユニオンには3つのメッセージを込めています。1つ目は開発陣が幼少期から見ていたマカロニウェスタン(1960年代から1970年代前半に作られたイタリア製西部劇)へのラブレター(オマージュ)です。2つ目は、デッドロックギャングについて存在は明かしていたが、詳しく語られることはなかったので、リユニオンで紹介することにしました。

3つ目は、最初に出したシネマティックトレーラーの「リコール」でウィンストンがオーバーウォッチに再結成を求めますが、それについてのマクリーからの返答を表しています。

オーバーウォッチは既に解散しており、ウィンストンが再結成したいとヒーローにメッセージを出しますよね? メイはそのメッセージを受け取って、オーバーウォッチに戻りますが、一方マクリーもウィンストンのメッセージを受け取っているのです。ですが、彼は自身がオーバーウォッチに戻るのではなくて、最後に出てきたエコーというオムニックを解放しウィンストンの元に行くように伝えます。マクリーにとって自分がオーバーウォッチに戻るよりもエコーをオーバーウォッチに戻すほうが最善であると考えてて、エコーを解放することが彼なりのウィンストンへの返答であるのです。

 

――エコーは、ウィンストンが作成したAIの‟アテナ”と同一人物でしょうか?

ジェフ いいえ、別人です。エコーとアテナはともにAIですが、同一人物ではありません。実は、エコーは2014年にリードアーティストが描いたコンセプトアートですでお披露目されて、初期コンセプトアートでは額にウィンストンが作成したAI‟アテナ”のロゴが描かれていたことから、「彼女がアテナだ!」とミスリードさせてしまいましたが、彼女らは別人です。

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――アッシュの側にいるオムニックのボブも、なかなかいいキャラクターだと思います。彼はどのようにして生まれたのでしょうか?

ジェフ アッシュはステレオタイプなウェスタンですが、『オーバーウォッチ』らしい世界感を表現するために、ステレオとは対照的である近未来のオムニックを取り上げました。『オーバーウォッチ』の世界では人類とオムニックの対立が再激化していて、今後抗争を少しずつ描いていく上で、オムニックは重要なキャラクター・要素です。

 

――いちプレイヤーからすると、ボブの性能もなかなかで、彼を操作したいと思いました。アッシュのアルティメットアビリティで既に登場してはいますが、彼がプレイアブルヒーローになる可能性は? 特別なイベントでさわれたら嬉しいですね。

ジェフ いいアイデアですね(笑)。もしかしたら将来的にPvEのプレイアブルヒーローとして実装されるかも? でも、一番重要なキャラクターはアッシュであることは変わりません。

今回、ふたりのアーティストが彼女をどういうヒーローにするかデザインしましたが、2人ともボブをアルティメットアビリティで召喚するというアイデアを持っていました。ですので、採用に至ったわけです。

この「リユニオン」では手下のギャングの3人組などが登場していますが、我々はそういったキャラクターについても、プレイアブルヒーローとして実装するならどんなヒーローになるか常に考えて開発を行っています。

 

――ボブはアッシュの手下のようですが、もとは執事として接していましたね。彼のバックストーリーを教えていただけますか?

ジェフ 『オーバーウォッチ』リードライターであるマイケル・チュウ氏曰く、ボブは名前ではなく、“Big omnic Butler”の略(BOB)という豆知識があります。アッシュにオリジンストーリー動画でお伝えしている通り、彼女は裕福な家庭に生まれたが両親には放置されていて、誕生日会を開いても両親はいない代わりに常にボブがいたわけです。警察に捕まったときもボブが迎えに来ていますよね。アッシュにとっていなくてはならない存在で、ボブは常に彼女を支えています。でも、執事である以上、主従関係があるのでアッシュはボブをこき使ったり、命令口調ではあります。

 

――では、アッシュはいつPTR(テストサーバー)で遊べますか?

ジェフ 早ければ115日(現地時間)にPTRで公開されます。

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esports観戦に新体験を与える「Overwatch World Cup ビューア」

――Overwatch World Cup ビューア」はesports観戦をする上でとても便利なツールですが、これはどういう経緯で開発されたのでしょうか? 将来的にOverwatch Leagueや全プレイヤーにも対応予定でしょうか?

ジェフ 「Overwatch World Cup ビューア」は、見た目はひとつの機能ですが実際には2つの機能を含んでいます。

1つは、観戦機能です。これまではカスタムゲームで最大4人までしかゲーム内観戦として入れることができませんでしたが、「Overwatch World Cup ビューア」によって、より大勢の人が同時に視聴することが可能です。

2つ目はインスタントリプレイ機能です。これまではリアルタイムで試合を見れなかった場合、アーカイブビデオを見るしかありませんでしたが、ビューアのインスタントリプレイで観戦できるようになります。さらに、観戦カメラを自分で動かして好きな視点で見ることも可能ですし、早送りして必要ないシーンを飛ばすこともできるます。さらに、プレイヤーの視点で見たりできるところが優秀な点です。

いまはワールカップ限定の機能ですが、将来的に『オーバーウォッチ』の全プレイでこの機能を使うことができれば、敵にボコボコにされたら、その敵の視点で自分の動きを見て勉強することも可能でしょう。

ビューアの“オーバーウォッチリーグ”への対応に関しては現段階では明言できません。

――Overwatch World Cup ビューア」はどういった作りになっているのでしょうか? 動画データを読み込んで再生していたり?

ジェフ ビューアは動画データを使用するのではなく、マッチそのもののデータを読み込んでいます。つまり、プレイヤーの位置や弾道もデータを元に再現しているのです。データをゲームクライアントに読みこませているので、動画のような重いデータを必要としません。

現在はゲームとは別のクライアントが必要ですが、将来的にはゲームクライアントにビューア機能を実装する予定です。ビューア自体は、ゲーム開発がスタートしたときから開発を続けていています。

実はワールドカップビューアは古いバージョンが使われているのでライブサーバーでマッチデータを再現するとバグが起こる可能性があります。ですので、いまは別クライアントでビューワを見るしかないのです。

――同じフライチャンズである「Call of Duty 」にも似たような機能がありますが、彼らのノウハウを共有して、もっと早いタイミングで出すことは可能だったのでしょうか? 

ジェ ビューワのリリース時期がこのタイミングになったのは、ワールドカップのような大きなイベントで実装することで、PR果にも繋がりますしより多くのフィードバックを貰えると考えた結果でもあります。ちなみにキルカメラは、Call of Duty から触発されて作りましたし、Call of Duty 」スタッフと我々スタッフの間で情報交換は続けているんです。

――では、オーバーウォッチリーグのシーズン1は大盛況で終わりましたが、シーズン1の総括とシーズン2の抱負を聞かせて頂けますか?

ジェフ Blizzardがみずから主催運営するリーグを、12チームで1シーズン運営できたことは大変ではありましたが、大成功を収めることができて誇りに思っています。チームの皆さんが非常に協力してくれたことも、成功に繋がりました。視聴の観点からはストリーミングのほかに現地応援も多く、グランドファイナルはチケットが完売で大成功でした。

シーズン2は、8つのチームが追加されます(※)。シーズン1のノウハウを活かせば、シーズン2でも大成功を収めることが可能だと思っています。

※パリ、トロント、アトランタ、ワシントンD.C.、バンクーバー、成都、広州、杭州から8チームが、シーズン2より新たに参加。

――来シーズンは新たに8チームが参加し、全20チームになることが発表されました。今後もチームが増える可能性はあるのでしょうか?

ジェフ 8チーム増やしただけでかなりチャレンジングなことですので、今回はこれ以上増やす予定はありません。

――オーバーウォッチリーグは、中国だけで成都、広州、杭州、上海と4チームも登録されています。中国と韓国で、アジアディビジョンを新設する予定は?

ジェフ オーバーウォッチ リーグは世界で戦う舞台です。選手を地域に囚われてしまうのは良くないと思いますので、ディビジョンを分けたり、リージョンロックをする予定はありません。

――『オーバーウォッチ』では過去のストーリーが語られるが、そろそろ過去の話ではなく新しいストーリーが見たいのですが……。

ジェフ 短編アニメーション「リユニオン」でも、ウィンストンのリコールにヒーローが答える形で、エコーという新ヒーローなどの伏線を張りました。ウィンストンの呼びかけに応じたキャラクターたちの物語についてまだ触れ始めている段階です。ぜひ今後の発表に期待して欲しいですね。

――ピンクマーシーのようなチャリティーは、プレイヤーも満足しているし、金額面でも成功を収めていて、とてもいい取り組みだと思いました。今後、別のキャラクターや別の慈善団体を通して、チャリティーを続けていくのでしょうか?

ジェフ 開発スタッフの家族に乳がんを患ってしまった方がいて、『オーバーウォッチ』を通じて乳がんに対する認知度をあげたいと思ったのがきっかけです。BCRFを採用したのは、乳がん撲滅に対しての一番大きな団体だからです。

チャリティーでお金が集まるというと語弊がありますが、今回のピンクマーシーを通じて『オーバーウォッチ』コミュニティの力を感じることができました。ですので、今後別の形で施策をやるかもしれないですね。ただ、どういう形がベストなのかは慎重に考えないといけません。

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