昨今、さまざまなゲーマー向けのマウスやキーボードといったゲーマー向けの周辺機器が世に送り出されている。操作系デバイスはゲーム内で戦うときに正確なキャラクターのコントロールに必須なデバイスということもあり、必然的に注目度が高いものであることは言わずもがな、だ。
ただ、プレイヤーがより戦いやすくするためにもっとも忘れてはならないデバイスは‟モニター”で間違いないだろう。
前述したとおり、マウスやキーボードといったデバイスは戦場で言うなれば兵士の手足であり銃となる。では、モニターはどうかというと‟目”なのだ。どれだけ装備品がよくとも、戦場で視覚からの情報が得られなければ、まともに戦うことすら難しいのは想像に難くない。
そこで今回紹介したいのがBenQ ZowieのゲーミングモニターBenQ ZOWIE XL2720(以下、XL2720)だ。

ヌルヌル描画で快適ゲーミングライフ
このモニターは、フルHDかつリフレッシュレートが144Hz駆動するPCゲーマー向けのモニターだ。フルHDは聞いたことあるけど、「144Hz駆動とは?」という人に向けて簡単に説明すると、リフレッシュレートは1秒間に画面を書き換える回数を意味する。
つまり、この数値が多いモニターほど1秒間に描画できるコマが増え、滑らかでヌルヌルとした描画で快適にゲームを遊ぶことができるのだ。

1秒間の描画枚数(コマ)が少ない場合、対峙した敵の動きの一挙手一投足に注視していても、表示されないコマがあるため、対応が遅れてしまう可能性がある。しかし、コマが多ければ多いほど、敵の初動に対しての反応もしやすくなるので、少なからずともこちら側のアドバンテージになると言える。FPSやTPSにおいて、「高いHzのモニター使うだけで有利になれる」といっていい。

そしてBenQ ZOWIEのゲーミングモニターと言ったら忘れてならないのが‟応答速度”だ。
僅かな一瞬の隙が勝敗を左右するFPSやTPSを遊ぶ場合に重要視されるのが、モニターの表示速度。表示速度が遅いと、画面に表示される情報に遅延が発生し、カーソルや照準操作がわずかに遅れてモニターに反映されるため、ジャンルを問わずゲーマーからは問題視されている。
しかし、長年ゲーマーに向けてのサポートを行ってきたBenQ ZOWIEはこの問題をクリアーしている。現在、多くのタイトルで行われてきたesportsオフライン大会という重要な場面で、BenQ ZOWIEのモニターが採用されている。この実績こそがブランドとしての信頼性に繋がっているわけであり証左だ。
【BenQ ZOWIE モニター使用大会一覧】
- OGN PUBG SURVIVAL SERIES 2018 Season 1(韓国)
- PUBG Global Invitational Berlin 2018(ドイツ)
- eXTREMESLAND ZOWIE Asia CS:GO(中国)
- PUBG JAPAN SERIES βリーグ(日本)
- PUBG JAPAN SERIES 2018 Season1(日本)
- GALLERIA GAMESMASTER CUP(日本)
- 東京ゲームショウ2018 e-Sports X(日本)
とはいえ、あくまでもXL2720はモニターだ。リフレッシュレートが高くても、使用するPCのCPUやVGA、いわゆるスペック不足だと、1秒間の描画枚数は少なくなる。PCスペックによっては、XL2720の144Hz駆動というポテンシャルを引き出せなくなる点は、注意が必要であることを忘れてはならない。
Big is Better!
解像度についても触れておこう。XL2720は最大解像度が1920×1080のフルHDとなっているのだが、正直筆者の感覚ではこの解像度で十分だ。
というのも、4K解像度での描画はPCスペックが大きく影響するだけでなく、4K対応で144Hz駆動を満たしたものはまだ少ない(最近では4K対応144hz駆動のモニターも発表されているが、とても値が張る)。まだまだフルHDでの環境を詰めるほうが、安上がりと筆者は感じている。
さて、前述したようにXL2720はフルHD解像度なのだが、ここで注目すべきはモニターサイズ。XL2720は27インチとBenQ ZOWIEのモニターの中でもトップクラスの大画面となっている。


多くのゲーマー向けモニターは24インチほどのサイズで展開されているが、それよりも大きな画面を有するXL2720はとにかく見やすい。
極端な例を上げると、24インチモニターでバトルロイヤルタイトルを遊んだとき、遠くにいる敵は小さく描画されるので見づらい。だが、より大きな27インチの画面に表示されるため、取りこぼしが起きにくくなる。つまり、回り回って考えれば、27インチは敵を見落として倒されるリスクも軽減できるし、逆に先手を取るチャンスも生まれる。
手軽にモニターの設定を調整できるS-Switch
ゲーム用途として使用されるモニターには、いくつかゲーム向け機能が搭載されている。しかし、それらの機能を操作するにはモニター本体に備え付けられているボタンやタッチセンサーを操作する必要があり、これが結構面倒だと思う。

だが、本製品に付属している有線コントローラーのS-Switchを使えば、マウスのスクロールホイールを操作する感覚で、手軽に輝度やシャープネス、ブレ軽減機能をはじめとする詳細なモニターの調整が簡単に行える。


また、S-Switchにある1~3までのボタンには、プリセットした設定をワンボタンで呼び出すことができるので、ゲームでの使用や映画鑑賞用などの用途別に、画面表示設定を素速く切り替えが可能。
これが地味に便利で、暗所が多いゲームタイトルでは、視認性を高める「Black eQualizer」を効かせた設定を保存、明るめのゲームであれば「Black eQualizer」をオフにした設定を……といった感じで、使い分けられる。
あくまでも参考例だが、
1、ゲーム用(FPS/TPS 通常)
2、ゲーム用(FPS/TPS Black eQualizer有効)
3、デフォルト(Windows操作用)
と、上記のように設定しておけば、わざわざモニター側のボタンでポチポチとメニュー操作をくり返す必要もなく、S-Switchでパパッと変えられる。面倒な手間を省けるので、すぐに気持ちをゲームに切り替えられるのはストレスフリーでありがたいところ。
なお、画面設定のプリセットは、「XL2720 Display Pilot WIN」(http://www.benq.co.jp/product/gaminggears/xl2720/downloads/)を使用して設定する必要がある。S-Switchの機能をフルに使用するなら、導入するべきである。


Black eQualizerについても言及したい。Black eQualizerがどういった機能かというと、モニター側で暗所の視認性を高めることで潜んでいる敵を発見しやすくる優れモノ。
FPSやTPSで洞窟内や明かりがついていない部屋に入るとき、暗くて敵の存在に気付かずに倒された経験はないだろうか? しかし、この機能を使うと、暗い部分がいくらか明るくなり、敵の早期発見に繋がる。
本機能はモニター側の機能なのでスクリーンショットなどは用意できなかったが、参考までにこんな感じで変わるというイメージ画像を用意した。


上記のように感、暗がりでこっそりカップラーメンを食べている編集部員だが、Black eQualizerを使用すればその様子がハッキリ視認できる(写真はあくまでイメージです)。とはいえ、FPSやTPSを好んでプレイする人ほどこの機能の重要性が分かるだろう。XL2720を使えばもう辛酸を嘗めることはないはず。
とはいえ実際にゲームで使ってみてどうなのか?
XL2720の性能面について紹介してきたが、実際にゲームで遊んでみてどうなのかを、さまざまなゲームで試してみた。その模様を写真付きで紹介していこうと思う。
『フォートナイト』(バトルロイヤルモード)
ご存知の通り、100人で生き残りをかけて戦うバトルロイヤルタイトルとして、現在世界的に大人気を博しているタイトル。
144Hzの高リフレッシュレートによる恩恵ももちろんのこと、27インチの大画面で敵に対しての視認性は格段に向上し、これまで敵を見落としがちだった場面でも見落とすことなく敵に対応することができた。




ただ、攻撃している敵を味方に倒されてしまったりでなかなかスコアには反映されなかったので、筆者自身が精進しなければならない問題点も浮き彫りに。でもまぁ、ちゃんとビクトリーロイヤルしたのでオッケーでしょ!
『Quake Champions』
インターネット対戦を世界で初めて搭載したFPS『Quake』シリーズの最新作。マルチプレイのみにフォーカスした、ゴリゴリにコアなタイトルで現在絶賛アーリーアクセス中。




モニター表示のラグが少なく、リフレッシュレートが高い。加えて、大画面のXL2720なら、高速で動く敵も照準に捉えやすい。とくに、瞬着系の武器を使うときに”当てやすく”感じられ、「視認性ってのはガチで武器になるもんだな」と痛感した。
『Bloodstained: Curse of the Moon』
8-BIT調で作られたサイドビュー2Dアクション。かの有名シリーズを手がけた五十嵐孝司氏が現在制作している『Bloodstained: Ritual of the Night』のKICKSTARTERキャンペーン(関連記事 https://www.famitsu.com/news/201505/29079751.html)で、ストレッチゴールのひとつとして制作された前日譚を描くタイトルだ。




オールドスクールな見た目通り、ゲームの難易度は少々高め。だが、表示ラグを感じさせないXL2720なら素速く状況に対応することができる。
なによりも、クラシックゲーム調の本作を大画面で遊べるのは、20年以上前に小さなテレビで同系統のゲームを遊んでいた自分としてはリッチすぎる体験。至福の時間であった。
『ぎゃる☆がん2』
突如としてモテまくってしまった主人公が、言い寄ってくるカワイイ女の子たちを昇天させまくりつつ、天使の手伝いで悪魔退治をする。CERO区分でいうと「D」に該当する健全なゲームであり、日本が世界に誇る健全なガンシューティングゲーム。



言い寄ってくる女の子には弱点部位があり、そこを的確に狙うことが攻略のポイント! 大画面ということもあり、的確に胸部や臀部を狙い続けることができた!! ヒロインである‟なな子”ちゃんがカワイイし、シリーズの最初から登場する栗林先生とキャッキャできるので僕は……、僕はっ!!
『リーグ・オブ・レジェンド』
MOBAジャンルからは、世界でトップクラスに人気の高いゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』をチョイスしてプレイ。筆者は『リーグ・オブ・レジェンド』に疎いので、担当編集がプレイした。(以下、担当編集のレビュー)
普段24インチのゲーミングモニターでプレイしているが、やはり27インチ大画面だと‟ミニマップが見やすい”と感じる。プレイヤーの中にはワイドモニターを使用する人もいるが、筆者としてはミニマップを意識しなくても視界に入る(間接視で見れる)範囲で、かつフィールドも見やすい27インチサイズはおすすめ。
マウスカーソル移動で手間取らないために、あえてゲームの表示サイズを小さくするプレイヤーもいるが、敵から逃げながらオートアタックで攻撃する通称‟引き撃ち”も、27インチならとくに問題なく行えた。



XL2720は、なんでも快適に遊べる
以上、XL2720を見てきたのだが、名機と言っていいだろう。筆者は現在BenQ ZOWIEの前身であるBenQ時代に発売されたXL2410Tを使用しているのだが、モニターサイズが23.6インチなうえに、リフレッシュレートの上限が120Hzといささか古さを感じていた。
そんな折にXL2720なんてものを触ってしまったために、物欲センサーが振り切れてしまいそうになっていて、ポチりそうな寸前まできている。もちろん、本機を購入するには‟それなりのお値段”というハードルを超えなければならないのだが、大画面で快適なゲーミングライフを手に入れられると考えるなら、買い替え時の最上級候補だ。
競技志向のゲーマーはもちろん、そうでないゲーマーでも満足してゲームが遊べるBenQ ZOWIE XL2720。これからPCゲーム環境を整えようと考えている人にこそオススメしたい一品である。



文:BRZRK(https://twitter.com/brzrk)
編集:工藤エイム