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【ハースストーン】が目指すesportsで生計を立てられるエコシステム―― 日本選手Hinayaが優勝したHTC Tokyoリポート 

Blizzard Entertainmentがサービス中の『ハースストーン』世界選手権東京大会‟ハースストーン選手権ツアー 2018 Tokyo Tour Stop”が、2018年7月29日に都内で開催された。

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Tour Stopとは、これまでメジャー大会と呼ばれていたオープントーナメントの名称が変更されたもので、本大会で‟ハースストーン・コンペティティブ・ポイント(HCポイント)”と賞金が獲得できる。

プレイヤーは、このTour Stopやランク戦に参加してHCポイントを獲得し、各地域のポイント獲得数Top64名が集まる‟地域プレイオフ”への進出を目指すのだ。

その後は、地域別プレイオフでTop4に入り、さらに続くシーズン選手権への出場を目指す。そして、シーズン選手権で勝利すれば、世界一のプレイヤーを決める世界選手権への出場が果たせる仕組みだ。

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先述したとおり、地域プレイオフ、世界選手権に出場するには、HCポイントを獲得しなければいけない。HCポイントは、今回行われたTour Stopとランク戦のほか、地域別プレイオフ、シーズン選手権、そして世界選手権で獲得できる。プレイヤーは基本的に、Tour Stopかランク戦でHCポイントを獲得しなければ、世界選手権へ駒を進めるのは難しい。

では、なぜシーズン選手権や世界選手権でもHCポイントがもらえるのか。それは、2018年で『ハースストーン』esportsで新たに始まった‟ハースストーン・マスターズ”というシステムのためだ。

‟ハースストーン・マスターズ”は、安定して高いパフォーマンスを発揮し続けるプレイヤーを評価するためのシステムで、獲得ポイントによって3つの等級に分けらる。プレイヤーは、‟ハースストーン・マスターズ”入りすることで、大会出場ボーナス、HCTプレイオフおよびBlizzard主催の賞金付きオンライン大会への出場権が自動的に交付され、賞金ボーナスも加算される、いわばBlizzard公認のプロプレイヤーとして認められる称号だろう。

今回、‟Tokyo Tour Stop”ではノルウェーのhunteraceが、ハースストーン・マスターズへの1番乗りを決めることになった。hunteraceは2018年でツアーストップ2回優勝といった活躍を残し、‟Tokyo Tour Stop”では4位に入賞したため、合計150HCポイントを獲得。見事‟一つ星マスター”入りを果たしている。

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‟ハースストーン・マスターズ”一つ星マスターとなったhunterace。

 

さて、‟Tokyo Tour Stop”には、4枠設けられたオンライン予選で勝ち抜いた台湾、韓国、アメリカ、ノルウェー、そして日本と、世界各地から計16名の選手が集結した。

優勝は、日本人プレイヤーのHinayaとなり、15HCポイントを獲得。ランク戦で獲得できるポイントから考えると、恐らく、Hinayaの地域プレイオフ進出はほぼ確定だろう。

なお、本大会のHinayaのデッキ構成は、序盤から積極的に相手を攻撃していくアグロデッキが多く、デッキ構成のアドバイスと練習相手として、国内ハースストーン名プレイヤーのb787とgloryが協力してくれたとのこと。

Hinayaは「b787選手とglory選手、そしてTokyo Tour Stopに出場したMachamp選手、Satelite選手、Kamaretai選手は対戦に付き合ってくれたので、感謝したい。彼女も応援していたので、ありがとうと伝えたいです」と、協力者に感謝の言葉を述べていた。

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決勝は、Hinaya vs 台湾Alan870806(以下、Alan)。HinayaはAlanの奇数ハンターをBAN。対するAlanは奇数ローグをBanした。
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1戦目はミッドレンジハンターで、Alanに勝利。性悪ドルイドのAlanは、ドローに恵まれなかった。
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2戦目でHinayaはトークンドルイドで挑むも、ミラクルローグによる盤面支配と呪文カードでヘルス差を付けられ、敗北。
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第3戦は性悪ドルイド(Alan)vs トークンドルイド(Hinaya)。序盤からミニオンを大量に盤面展開できたHinayaが勝利した。
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4戦目、テンポメイジの‟ファイアーボール”でリーサルが見えているにもかかわらず、カードを引くAlan。
ここではAlanが勝利し、Hinayaに精神攻撃を与えていく。
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お互い2-2のマッチポイントで迎えた5戦目。再度、性悪ドルイドで挑むAlanに対して、回復ズーのHinaya。3ターン目でハッピーグールを引き当て、挑発ミニオンで盤面を固めていく。Alanの「精神支配技士」は悲しいことに「キノコの呪い師」を奪う結果となり、ほぼ不発に。Hinayaは最後、菌術師でミニオンにバフを与え、フェイスアタックで勝利。HinayaがTokyo Tour Stopを制した。
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優勝したHinayaは、15HCポイントと、優勝賞金として$3500(日本円にして約38万円)を手に入れた。


playhearthstonejpの[JP] HCT Tokyo Tour Stop – Day 2をwww.twitch.tvから視聴する

 

esportsだけで生計を立てられるエコシステムの構築

このTokyo Tour Stopには、Blizzardの『ハースストーン』esports統括責任者であるChe Chou氏も訪れていた。Chou氏に「『ハースストーン』esportsでなによりも大切にしていることは?」と伺ったところ、『ハースストーン』のesportsビジネスが、自立したエコシステムで構築することであると言う。

ビジネスと言っては語弊があるかもしれないが、定期的に大会を提供し続けるには、もちろん資金が必要であり、大会がなければesportsシーンはなくなってしまう。そして、『ハースストーン』esportsの世界において、選手をサポートするチームがあり、「最終的には、プロプレイヤーが『ハースストーン』をプレイすることにより生計を立てられるようにしなければならないです。そういったシーンを作り上げていく」と答えてくれた。

また、大会の多い『ハースストーン』はシーンを追うのが大変であることは氏も理解しているようで、プレイヤーにいまesportsシーンで何が起こっているのか理解できるよう、定期的に選手や大会をフィーチャーしたドキュメンタリービデオを公開予定であるとのこと。

そして、アジア競技大会に、esportsタイトルとして採用されたことについては、「大変光栄なことです」と語り、フィジカルスポーツ同様、スポーツとしてしっかり機能するようサポートすると表明。

先日7月21日に開催された、国際オリンピック委員会(IOC)と国際スポーツ連盟機構(GAISF)との共同によるesportsフォーラム(公開討論会)についても言及し、Blizzard EntertainmentのCEOで共同創設者であるマイクモーハイム氏とオーバーウォッチリーグのコミッショナーであるネイト・ナンサー氏がesportsフォーラムに出席しており、対話を通じてBlizzard Entertainmentがオリンピックに提供できることを伝えてきたと述べ、「オリンピックムーブメントに対してアクションは起こしている」と回答してくれた。

今後の日本選手の活躍ももちろんのことであるが、Blizzard Entertainmentおよび『ハースストーン』が取り組むesportsにも、目を留めたい。

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Che Chou氏(右)

© 2017 Blizzard

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