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【CoD: WWII】‟CWL Anaheim”を終えて3チームは何を思うか? GreedZz、Alice、Huntインタビュー

ミリタリーFPS『コール オブ デューティ』シリーズを販売する“Activision”と、Activision Blizzardが母体となる“Major League Gaming”が運営するesportsリーグ“Call of Duty World League”(以下、CWL)が、2018年6月15日~18日にカリフォルニア州アナハイムで開催された。

本大会には、オープンブラケットに日本国内の4チーム(Rush Gaming、XIA、DetonatioN Gaming、SCARZ)が出場。闘会議プロ対抗戦優勝、現在国内プロ対抗戦でポイント1位のRush Gamingは敗者復活戦Round3でCyberstormGGに敗北。DetonatioN Gaming、SCARZは敗者復活戦Round4(準決勝)に駒を進めることができたが、勝ち上がることはできず、プレイオフ進出は果たせなかった。

プレイオフ出場こそ果たせなかったものの、125チームが出場した厳しいオープンブラケットにおいて敗者復活戦の準決勝まで勝ち進み、最高位はDetonatioN Gaming、SCARZのルーザーズブラケットベスト48位。初出場とは思えない活躍を見せてくれただろう。

選手陣も初の世界大会で何か手ごたえを掴んだ様子で、プロ対抗戦第3回ではこれまでの戦い方から本場アメリカ流の戦術を取り入れようとRush Gamingは奮闘している。SCARZもキャプチャーザフラッグは世界にも通用することを実感したという。

現在開催中の国内プロ対抗戦の会場で、CWLに出場した3チームに話を聞く機会を得た。大会に出場した彼らは世界レベルの体感して、どのように思ったのか? 日本と北米の違い、これから世界を目指すうえでの目標を聞いた。

DetonatioN Gaming AliceWonderland選手

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DetonatioN Gaming  AliceWonderland(文中はAlice)選手

――CWLを終えてより強さに磨きがかかったように感じますが、CWLでの活躍はどうでしたか?

AIice 1回戦負けですが、ルーザーズブラケットのベスト48入りでした。

――北米チームとの対戦はCWLでしかできないのが現状です。CWLに参戦して北米チームと戦い、何か掴めたものがあったと思います。

AIice まず会場環境が日本と違い、大勢のプレイヤーとともに試合を実施するので、雑音がすごかった。声を張らないと、ボイスチャットもできなくて。

――オープンブラケットは広いスペースで、一斉に試合を開始しますね

AIice 特殊な環境でした。「声を大きくするならついでに勢いづけもしちゃおう」と、ノリに乗ってプレイすることにしたんです。メンバーがいい流れを掴んだときに「ナイス!」と大声で褒め称えました。

――『CoD: WWII』プロ対抗戦はたしかに観客観戦がないので、会場は静かなほうかもしれないです。そう考えるとCWLはいい意味で自由にプレイできたと。大声で鼓舞することで、チーム全体の流れもよくなったんですね。

AIice 勢いに乗れるチームになったと思います。

――ほかにも北米チームと対戦して、「DetonatioN Gamingはここが強い!」と思った反面、北米チームに劣っている点などもあったと思います。

AIice 僕たちが強かったのは、個人能力だと改めて実感しました。海外のシード選手にも「日本プレイヤーは個人能力が高い」と言ってくれましたね。一方で、連携面がどうしてもおざなりな点があり、練習でまずい点があっても「次回気をつけよう」と言いそのまま放置してしまうことがありました。海外のチームはそういった弱点をすべて克服し隙がないようにしていたので、僕らも見習って連携を磨いていきます。

――CWL遠征で、多少なりとも弱点を克服できたのでしょうか?

AIice まだ帰国して2日しか経っていなくて、一日は休みだったので、正直何も変わってないですね(笑)。変わってはいないですが、試合への入りかたとハーフタイムではコミュニケーションをとって勢いを切らさないようにしました。気落ちしないように、メンタル面をケアすることに意識しているんです。

――今回は、連携よりもメンタル面を意識しているんですね。

AIice 戦術は急に変更はできませんが、メンタル面や声出しは意識するだけでもすぐ変えることはできますからね。試合への意識を変えて第3回プロ対抗戦に臨みました。連携面を変えるなら練習期間を積んで、第4回プロ対抗戦で試したいです。

――今後の練習方法も変えていくのでしょうか?

AIice いままでは、スクリム(練習試合)を1日3回実施していました。それを1日1回に減らして、その分試合の録画を見て反省会を行うことに変更します。メンバー全員で録画を見て、ダメだった点をひとつずつ潰していったほうがいいと感じたので。量より質ですね。

――CWL で隙を見せなかった北米チームを見習った結果ですね。

AIice 僕自身、ゲーマーからesportsプレイヤーとして真剣に取り組んだのが今年からなので、海外プロチームの試合や、有名な選手をあまり知りませんでした。動画見ても「僕らのほうが強いじゃん」と思っていた時期もあって(笑)。実際に試合をしたらまったく違ったので、これからはプロ選手の動画を見て分析することが多くなるかもしれません。

――個人技は安定しているし、ここからは分析のターンかもしれませんね。では、今回の遠征ではチームの仲間といっしょに過ごす時間が多かったと思います。4人の仲は深まりましたか? もっとコミュニケーションできるようになったとか。

AIice まったくその通りです。毎日4人で顔を合わせて練習したいですね。普段は練習中しか話しませんが、4人いっしょにいることで会話も生まれるし。ひとりがなにか練習でよい発見があったら、リアルタイムで共有できるので、4人いっしょに生活しているほうが、練習として質のよいものになると思いました。

――そうなると、ゲーミングハウスに入居したい気持ちが強くなりますね。では、『CoD: WWII』プロ対抗戦では首位1位になりました。いまの気持ちはどうでしょうか?

AIice 僕らDetonatioN Gamingのポイントは17で、Rush GamingとLibalent Vertexが13ポイント。4ポイント差ですと第4回で負けてしまったら順位の変動も考えられるので、気は絶対に抜けないですね。もう1勝を取れば少しは楽になると思いますが、これからも気を抜かずに挑みます。

Rush Gaming GreedZz選手

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Rush Gaming GreedZz選手

――CWLが終わり、すぐプロ対抗戦第3回、お疲れ様でした。CWLを総括するとどうだったのでしょうか?

GreedZz アメリカ遠征では、自分たちの実力が海外で通用すると思っていましたが、コテンパンにされました。自分たちの経験したことがいっさい通用しなくて。北米のプレイスタイルは日本とまったく違ったんですよね。CWLで勝つには、自分たちのいままでやってきた戦いかたを壊して、いちからのスタートとなりました。2週間の遠征でトライしましたが、CWL大会当日はちょっと芽が生えた程度で挑んで、接戦で負けてしまいました。

――GreedZz選手はCWL公式Twitterに写真が掲載されていましたね。北米メディアでインタビューもされたと。

GreedZz 運営のMLG、それからトッププロ選手もRush Gamingの存在を知っていてくれて、ビックリでした。MLGの公式さんからインタビューを受けたことも印象に残りましたね。

――おそらく、GreedZz選手のYouTube活動が実を結んだのではないかなと。

GreedZz YouTubeとTwitchで配信活動をしていて、北米トッププロ選手が「いっしょに動画作ろう」と、声をかけてくれたこともありました。

――では、戦いかたを壊していちからのスタートとなりましたが、具体的にどういう点が北米に及ばないと痛感したのでしょうか?

GreedZz 僕たちがただ単に個人技で勝っていたシチュエーションが多く、海外はコミュニケーション・連携力のレベルがずば抜けていて、自分たちが経験したことがないレベルでした。とにかく連携で負けてしまうことが多々ありました。

――なぜ、連携の差が生まれたのか。その理由を知ることはできたのでしょうか?

GreedZz アメリカの選手に話をきくと、試合中のとても細かいコミュニケーション、そしてひとりで戦わないことと、さらに試合の分析力が高かったです。アナリストが試合に関するドキュメントを作っていて、「こういうときはこうすべきだった」とデータで分かるようにしており、撃ち合いではなくチームとしてどう動くべきかをしっかりと認識していました。

――プロ対抗戦1回目で取材させていただいた際、連携力と分析力は日本でいちばん高いと仰っていましたが、世界大会を経験して、まだ足りない部分を認識させられたと。

GreedZz 自分たちは日本チームの中でコミュニケーション力は高いと思っていましたが、北米チームはすでにもっと高いレベルでした。ふだんのコミュニケーションから分析は、これまで以上により濃くしなきゃいけないと思っています。

――北米チームにはコーチ、アナリストの層も厚いと思います。サポート陣不足も痛感したのではないでしょうか。

GreedZz 海外はesportsの歴史が長いので、元プロ選手がアナリストとして転身するパターンが多いですね。彼らは知識も豊富で、僕たちが初めて知ることもありました。僕たちもこのゲームをやり込んでいるつもりでしたが、海外はそのさらに上に位置しています。

――日本と北米の戦術はどういった違いがあると思いますか? というのは、日本のプロリーグなら個人技で押し通せるが、北米では通用しない。北米のメジャーな戦術を、現在行われている『CoD: WWII』プロ対抗戦で試したら崩れてしまう……。Rush Gamingはプロ対抗戦第3回で勝ち星を挙げられませんでしたが、それも影響しているのかなと。

GreedZz いままさにRush Gamingが北米のプレイスタイルに挑戦しているものの崩れている感じです。いままでやってきたものを変えるって、正直すごく難しいです。ですが、北米のプレイスタイルは日本でも通用しますし、いまが勝負どころかと。

――‟失敗は成功のもと”ですものね。

GreedZz プロ対抗戦第3回は大失敗に終わってしまいましたが、挑戦に失敗は付きものですし、気持ちを切りかえてプロ対抗戦第4回に臨みます。

――プロ対抗戦第3回では、Libalent Vertexに0-3で敗北しましたが、なにか掴むものはあったと?

GreedZz やりたいことは明確にイメージできていますが、失敗することが多いです。それに加えて、Libalent Vertexさんもとても強くなっていました。

――1戦1戦でチャレンジしたいことが見えている、負けてもチームの雰囲気は悪くなっているようには見えませんでした。

GreedZz そうですね。雰囲気は悪くありません。メンバーみんな、いまが勝負どころだと思っているので。

――もっと強くなるために、いま何をしたいとか具体的に思うことはありますか?

GreedZz とにかく、試合中に「あのときはこうすべきよね」と小さな気づきでも共有してメンバーとコミュニケーションを取りたいと思います。小さな目標をひとつずつ達成したいです。

――CWLの話題に戻ります。今回、プロ対抗戦に出場している6チームすべてがCWLに出ることは叶いませんでした。チームの遠征費問題もありますが、ファンとしてはCWLにせっかく出場できるようになったのであれば、全チーム出てほしいなと。ほかの競技でも大会出場権を獲得しているが、遠征費がないので覇権することもありますが。選手として、海外で活躍するために今後改善してほしい点はありますか?

GreedZz 来シーズンも、日本がCWLに出られる可能性があるかもしれません。『CoD』のプロシーンは、アジアとオーストラリアを含めたAPACリージョンのCWL出場枠が少ないです。アジア全体のレベルを上げないといかないと、この枠も増えないと思います。日本のなかで互いに切磋琢磨してレベルを上げていかないと強くなれないと思います。日本はどうしても回線の問題で北米のプロチームとスクリムが行えないですから。ですので、日本国内でお互い競い合って練習相手を増やしていかないと、自分たちも強くなれないです。

――もっと国際試合が増えてほしい、という気持ちはありますか?

GreedZz オーストラリアで大会はありますが、おなじAPACリージョンでも遠いですよね。それに加えて、中国と韓国では『CoD』の競技人口は多くありません。オーストラリアを除いたアジア圏は日本が一番『CoD』esportsシーンが盛り上がっていると思います。となると、なかなかアジア圏での大会が開催されることは難しいかなと。だからこそ、日本のチームみんなで切磋琢磨していきたいです。

SCARZ Hunt選手

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SCARZ Hunt選手

――CWLが初の海外大会出場となりました。率直な感想をお聞かせください。

Hunt 本当に夢のような体験をさせてもらいました。日本では経験できないことをたくさん経験し、得るものがとても多かったので、チームとしてプラスしかない体験でした。

――CWLで糧となったものは、具体的に何でしょう。

Hunt 北米チームの戦いかたを生で知れたことですね。直接見て、体験して、自分たちのプレイスタイルに活かしていけると思います。

――対戦したチームは、どういった攻め方を仕掛けてきましたか?

Hunt 日本は迎え撃つ戦術が多いですが、北米チームは攻めと撤退の緩急の付けかたがすごく上手でした。SCARZもそういった点を新たな戦術に取り入れたいです。サーチ&デストロイでは、僕たちのフォーメーションを読んで崩しにきたチームもありました。

――戦術の幅も広かったと。

Hunt SCARZは同じフォーメーションで戦っていたので、読まれて崩されてしまいました。今後は作戦の種類も豊富にしないといけないと痛感しました。

――CWLでもっとも印象に残っている出来事は何でしょうか?

Hunt やはり‟Enigma6”と戦ったことですかね。ハードポイントはボコボコに負け差を見せ付けられてしまったのですが、サーチ&デストロイも僕たちの戦術に対応されて負けてしまったので、幅を利かせていかないとダメだとここで痛感しました。キャプチャーザフラッグはとても自信があったので、サーチ&デストロイから勝って繋げられていたら、どう変化したのかなと気になりますね。

――とはいえ、オープンブラケットで敗北し、その後ルーザーズブラケットで3連勝しました。あの勝因は何だったのでしょうか?

Hunt Enigma6には負けてしまいましたが、勢いをつけることはできました。

――自分たちなりの戦い方でも競ることができたのが、自信に繋がったんですね。

Hunt そうですね。そのまま勢いに乗れたのかなと。

――CWLの経験を活かし、戦術の幅をより増やすとのことですが、ほかに取り入れていきたいことはありますか?

Hunt 日本チーム独自の良さもあると実感しました。その点を伸ばしつつ、CWLで得たものを取り入れて、もっと強くなりたいです。

――Hunt選手から見て、日本独自のよさは何でしょうか?

Hunt 北米チームのサーチ&デストロイでの戦いかたは、全員でプッシュして前線を維持するタイプでした。日本はどちらかというとゆっくり進行し、進路パターンAがダメならBに行こうみと、機転の利いた戦いかただと思います。ごり押ししない戦いかたが、日本のいいところかなと。北米チームはエイムもズバ抜けて上手で、コミュニケーション能力も高いです。その点を逆に利用してやるつもりで戦いたいですね。

――来シーズンのCWLに通じるように、日本のレベルも北米に近づかないといけないと思います。GreedZz選手は国内チームで切磋琢磨して日本のレベルを上げていきたいと仰っていましたが、Hunt選手としても同じような気持ちなんでしょうか?

Hunt そうですね。そういう考えもありますけが、いまは敵どうしなので、情報共有したいけど、教えたくないというジレンマも(笑)。

――短い期間ではありましたが、アメリカでの遠征はメンバーと行動をともにすることになりますよね。この遠征で、チームメンバーの以外な一面を知られたり、効率のよい練習を行えましたか?

Hunt 1週間近くメンバーと過ごして、作戦会議の効率がよかったのは確かです。それに、遠征を通じてメンバーの仲が深まったのがすごく大きいですね。ぽんてぃ選手は加入1ヵ月と日が浅かったのですが、遠征でチームに解けこむことができて、ムードメイカーのような存在でした。

――遠征を経て一皮向けたと思いますが、どの点に自信を持てるようになりましたか?

Hunt ぽんてぃ選手が加入してまだ1ヵ月ですが、1ヵ月にしてはよい連携力になっています。これからもっと僕たちのよい部分を伸ばしていけば、日本のトップのチームも世界に通じることを見せられると思っています。

 

文・取材・撮影:編集部 工藤エイム

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