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ここがすごいよIEM。大規模esports世界大会“IEM Sydney 2018”リポート 

2018年5月4日〜5月6の期間中、esports大会“Intel Extreme Masters Sydney 2018(IEM Sydney 2018)”がオーストラリア・シドニーのQudos Bank Arenaにて開催された。

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IEMは、esportsそのものの歴史が浅い日本では知名度の低いイベントかもしれないが、2006年から始まったトーナメントイベントで、今回でシーズン13になる。2015年に開催されたIEM Katowice(ポーランドにて開催)には、10万4000人ものesportsファンが会場に足を運び、同イベント内で実施された『League of Legends』トーナメントでは、260万人ものユーザーが中継を見ていたりと、まさしく世界最大規模といえるesportsイベントだ。

主催は半導体素子メーカーのインテル。運営的ポジションとして、ドイツのesports運営企業ESLが携わっている。

実は、ファミ通でIEMを本格的に取材するのは今回が初めて。筆者はこれまでに何度かesportsイベントを取材しているが、IEMのような国際的な大規模イベントは初参加だ。3日間の取材を終えて一言述べるなら、語彙力がなくて申し訳ないのだが「とにかく楽しかった!」。ここでは、IEM初心者のフレッシュな視点で、とにかく驚いたことや気になったことを、インテル、観客、『CS:GO』、会場の4つのカテゴリーに分けてレポートしていこうと思う。

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IEMから、インテルのやる気を感じる!

大規模大会を高頻度で開催するのは大変。でも13年も続けている。

Intel Extreme Mastersは、2018年で13シーズン目を迎える。最初こそここまで大規模な大会ではなかったそうだが、ほかesportsイベントが撤退をしていくなか、年を重ねるごとに成熟していった唯一のイベントだ。シドニーでの開催は2017年から引き続き2度目となり、昨年よりもメインイベントとなる『Counter-Strike: Global Offensive』(以下、『CS:GO』)大会においては、出場チームは8チームから16チームに拡大している。

IEMは、これだけの規模の大会を、1シーズン(1年間)3〜4ヵ所で開催する。アメリカ・カリフォルニア州オークランドや台湾、ポーランド・カトヴィチェといった世界各国で開催するのだからすごい。

また、2018年2月に開催された平昌オリンピックに合わせて、esportsイベント“Intel Extreme Masters PyeongChang”が平昌で開催されている。esportsがオリンピック競技になったわけでは無いものの、オリンピックと同時期に同地で開催されたことはとても話題となった。

ということは、2020年に開催が控えている東京オリンピックでも、IEM開催を期待していいのか? その辺りについては、IEM運営に携わるインテル本社スタッフへ直撃したので、後日お届けしたい。

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まさにPCゲーマーの聖地でした!

IEMでは、Intelのブースのほか、ACERやHP、MSIといったインテルのパートナー各社のブースエリアが用意されている。最新PCを使用してVRタイトルや『オーバーウォッチ』、『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』、『フォートナイト』、『Warhammer: Vermintide 2 』、『CoD: WWII』の試遊をたっぷりできるブースが、会場エントランスに設営されていた。

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Twitchによるストリーミング体験エリアも常設。

別のエリアでは、各ゲーミングPCメーカーが推す水冷式CPUクーラー搭載ゲームパソコンや、ゲーミングキーボードやマウスといった周辺機器の販売も行われており、はたまたPCビルディングブースなるスペースも。おそらく、購入したPCパーツを、自作に精通したスタッフのサポートを受けながらある程度組み立てられるサービスのようだ。

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また、メインアリーナとは別にサイドトーナメントとして、『CS:GO』女性部門大会や、『StarCraft II』2018 WCS Austinのオセアニア枠での出場を決定する“2018 WCS Austin – Oceania, SEA Qualifier”がIEM  EXP内で実施されていた。筆者としては、『CS:GO』女性部門に大変興味があったので、まさかIEMで生観戦できて「ラッキー」の一言に尽きる。『StarCraft II』トーナメントも初の生観戦だったが、このようにプレイしないタイトルのトーナメントを気軽に観戦できるのは、なかなか嬉しかったり。

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オーストラリアのゲーマーはお祭り男が多い?

終始聞こえる声援

大会を観戦して感じたのが、オーストラリアゲーマーの熱気の高さと質の高さだ。オーストラリアのチームでプレイオフ出場を果たしたRenegadesの試合は、「オジオジオージ! オイオイオイ!」(オジ=AUSSIE)の声援が引っ切り無しに聞こえる。まさにラグビーの試合のような声援が、試合中続く訳だ。盛り上げかたが尋常じゃない。

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ひいきにしているチームでなくても、スーパープレイが飛び出すとスタンディングと拍手や、(FAZE CLAN所属選手のHåvard “rain” Nygaardに対して)「I love You rain!」といった声援を送る人も。

最終日となると、誰が始めたのか分からないが、カンガルーか何かの鳴き声のモノマネをしだす者が現れた。これがなぜか会場で大流行りして、意味もなくラウンド終了毎ごとに「ア〜〜〜〜〜イッ!」という甲高い声が四方八方から響き渡る。これが声援なのかヤジなのか、もうなにがなんだが分からない状況。もしかしたらオーストラリアのゲーマーはただただ叫びたいだけなのしれない……。

そのほかにも、感極まってしまってのことなのか、オーストラリアで勝利の儀式として親しまれている“シューイ”(履いていた靴を器にしてお酒を飲む行為のこと)をしだす観客も。シューイをすると、もれなく警備員に連行されるのだが(どういうこっちゃ)、その際には爆笑とともにヤジや拍手を、ほかの観客が送るのだ。とにかく、会場の一体感が凄まじい。IEM(メインアリーナの観客席)は、その場に居るだけで楽しめる。そんな空間だった。

 

カップル・家族連れも多数

驚いたのが、カップルで観戦にきている割合が予想以上に多かったこと。そして、子供連れ、家族連れも見られたことだ。彼氏が彼女に試合内容を説明していたり、試遊をいっしょに楽しんだりする光景はうらやましかった……。いいなぁ……。

また、家族連れでPCパーツを眺めたり、10歳にも満たなそうな子どもが『フォートナイト』をプレイしている姿には、ほのぼのする。

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『CS:GO』の観戦はシンプルで分かりやすい

今回のメイントーナメントであるValveのFPS『Counter-Strike: Global Offensive』では、5対5の対戦が一日最大60万試合行われる。そして、多数のプレイヤーがいるとともに、多くのプロプレイヤー、プロチームも存在する。会場には女性観客や10代そこそこの若者から、年配の方も観戦にきていたのが印象的だった。日本での人気はあまり高いと言えないが、世界においてはもっとも人気を誇っているPC用FPSタイトルであることを痛感させられる。

これだけ観客を呼べる競技タイトルの要因の一つが、“FPSにしてはシンプルなルールで解りやすい試合展開だから”、なのではないかと考える。某アクションゲームはダイブや混戦続きで、プレイしたことのない初心者が見てもまったく理解できないだろう。たが、『CS:GO』は爆弾の設置側と解除側、敵の殲滅がメインなので、比較的理解しやすいと思われる。

スナイパースキルやスモークを投擲する位置といったハイレベルな試合を見れるものもちろんウリだが、解りやすい+プレイヤースキルが如実に見てとれるからこそ、トッププレイヤーが見せる試合に、多くの観客は痺れるのかもしれない。

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窯焼きピザ、ポテト、ビール、ゲーム……ずっとここにいたい

IEM Sydney 2018の会場となったのは、Qudos Bank Arena。このアリーナは、ケイティ・ペリーやサム・スミス、セリーヌ・ディオンのライブが行われるそうで、休憩用ベンチや販売店も充実していた。驚いたのが、会場内にピザ用の窯があること。ポテト、ホットドックといったスナックといっしょにできたてほかほかのピザが販売されていた。

そしてビール! ゲームを観戦しながら飲むお酒は美味い! もちろんコーラや水もある。日本国内のesportsイベントでは飲食禁止も少なく無いので、アリーナの席でお酒やスナックをつまみながらゲームを鑑賞できるのは、うれしいの一言に尽きる。

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不満点をあげるとすれば、会場がものすごく寒かったくらいだ。

 

IEMのようなesportsイベント、日本でも開かれたらなんて素晴らしいことだろうか。もちろん、お目当の競技タイトルでなければ観戦に行くことはないかもしれないが、PCゲーマーなら足を運んで損はないと思う。ブースによってはパーツや周辺機器ばら撒きイベントが行われていたり、大会に出場しているプロプレイヤーのサイン会(サイン会の並び時間は約2時間と超人気イベント!)と、上記以外にも楽しみはまだまだあるだろう。

国内においても、こういったPCゲーマーを主眼においた大規模イベントが開催されると嬉しいが、PCゲーマー率が他国よりまだまだ低い日本では、なかなか難しいかもしれない。IEMで積極的にトーナメントが開催される『Star Craft II』や『CS:GO』は、日本競技シーンは活発ではないことも懸念される。しかし、『PUBG』の大ヒットからPCゲームの注目度は増し、『レインボーシックス シージ 』PC版では日本チームが世界大会連続出場を果たすなど、以前からかなり変化を遂げていると思う。今後の動向にも注目していきたい。

なお後日、会場の様子を納めた動画やインタビューをお届けする。そちらもぜひチェックしてほしい。

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