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吉本興業も参戦!芸能界にも波及するesportsの波

よしもとがesportsチームを擁立!

2018年3月7日、お笑い芸人のプロダクションとして最大手の吉本興業がesports事業への参入を表明する記者会見を開催し、既存のプロゲームチームと協業してのプロチーム運営を行うことを発表した。

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写真左より、GamingD 代表取締役 江尻勝、ウォールラン 代表取締役 森山進太郎、よしもとクリエイティブエージェンシー 星久幸氏、慶應義塾大学 教授 中村伊知哉氏、Libelent esports Division チーム代表 西田遼氏、Extractor プロデューサー 別城翔氏

こちらの発表についての詳細は、以下のリンクを参照してほしい。

▼吉本興業がesports事業に本格参入 『OW』、『Dota2』プロチーム結成に加え吉本所属芸人から3名のプロゲーマーが登場

お笑い芸人を多く抱える芸能プロダクションというイメージの強い吉本興業がesports市場への参入を表明したという背景には、どういった考えがあるのだろうか?

この疑問はゲーム業界には関心が薄いと思われるメディアも抱いていたようで、質疑応答の場面では「なぜ、芸能事務所である吉本興業がesportsに関心を示したのか?」という質問が飛び出した。

この質問に対して、事業説明を行った“よしもとクリエイティブ・エージェンシー”の星久幸氏は「我が社は100年間エンターテイメントビジネス展開をしてきたという歴史があるので、新しく生まれた“esports”というエンターテイメント産業に我々が参入するというのは自然な流れだと思っている」とコメント。

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ゲーム業界にいるとついつい“esports=ゲーム業界の延長線にある産業”という視点で見てしまうが、そうでないエンターテイメント業界の人からしてみれば、“esports=新しいエンターテイメント”という視点のほうが自然なものなのかもしれない。

事実、吉本興業以外にもesports産業への参加を表明している、ゲーム業界以外の事業者というのは急激に増えてきている。ここでは、そのひとつひとつを確認していこう。

芸能界にも広がるesportsの波

ゲーム業界とは関係性が薄かったであろう事業者のesports参入という点で考えると、やはりまず念頭に浮かぶのはエイベックス・エンタテインメント(以下、エイベックス)の“RAGE”参戦。

 
エイベックスの場合
 音楽シーンでは著名な事業者エイベックスは、2017年にサイバーエージェントの連結子会社であるCyberZと協業し、esports大会“RAGE”の企画・運営を行い、話題となった。
 
この協業は、ゲーム業界やゲームイベントへの知見はあるものの、数万人規模のイベント開催経験がなかったCyberZと、超大規模なイベント興行経験があり、esportsイベントの興行が新たなイベント興行の軸となると可能性を感じてはいるものの、ゲーム業界への知見が少なかったエイベックスが、お互いの足りない部分を補い合うように形成されたもの。
 
理想的な協業関係は、やはり高いプラス効果を産んだようで、協業によって開催された“RAGE Vol.4”移行、同大会は毎回規模や盛り上がりを更新し、成功を収め続けるイベントとなっている。
 
詳細は以下リンク参照。
▼目指すはさいたまスーパーアリーナ3days! eスポーツイベント“RAGE”プロデューサーのビジョンに迫る!(ファミ通.com)
 

吉本興業のesports市場参戦とは少し話の軸がズレたが、この話はエイベックスという一見ゲームとの関連性が薄い大手企業も、esportsに強い関心を示しているということがわかる好事例と言えるだろう。

続いて今回吉本興業が発表した、チーム擁立に関連性のある事例も取り上げてみよう。

 
平井善之(アメリカザリガニ)の場合
 
ゲーム好き芸人としても知られる、アメリカザリガニの平井は、2016年にプロを目指すesportsチーム“Radical Stormerz”を立ち上げている。
 
これはesportsが国内で大きく騒がれ始めた2017年以前の話なので、少し毛色の違う話となってしまうが、芸能人がゲーミングチームを立ち上げ、監督に就任を果たすというのは、世界で見ても珍しい例であり、また大きな影響力を有する人がこういった動きを見せているというのは業界の発展という点において見ても、非常に有意義なものであると言える。
 
▼Radical Stormerz公式サイト
 

また、芸能界の動きとしてはもう2点ほど着目しておきたい動向がある。

 
女性タレントによるesportsリーグ発足
 
来る2018年4月から、女性タレントのみで結成されたesportsのリーグ戦“e-Sports Queen League”がスタートする。
 
こちらのリーグ戦は芸能事務所ごとに組まれたチームでesports競技を行い、“eスポーツクイーン”を決定するという企画。
 
採用ゲームタイトルは、『スーパーボンバーマンR』、『NewみんなのGOLF』、『太鼓の達人 セッションでドドンがドン!』とカジュアルなタイトルが並び、昨今流行りの潮流とは少しズレるものの、電子コンテンツによる競技という定義からすれば、これもまた立派なesports。
 
参加チーム(芸能事務所)も、オスカープロモーション、サンミュージックプロダクション、松竹芸能、ディアステージ、東宝芸能、blueskywalkers/N-weed(2事務所による混成チーム)、ホリプロと大手も参加するものとなっているため、esportsの認知度がこれによって上昇することが予測される。
 
▼芸能人女子eスポーツクイーン決定戦EQリーグ公式サイト
 

上記のものは、みんなが想像するようなesportsとは若干毛色の違うものだが、そうでないイメージ通りの大会も開かれている。

 
eスポーツ スターリーグ
 
こちらは、2018年1月にその第1回となる大会が開催された芸能事務所対抗の本格的なesportsイベント。
 
採用タイトルも『ウイニングイレブン2018』、『ぷよぷよテトリス』、『クラッシュロワイヤル』、『ストリートファイター5』とesports大会が幾度も開催されているものがラインアップに含まれていた。
 
さらに、こちらのイベントは一般観覧者が入れるようなイベントとなっていたため、さながら本格的なesports大会であったようだ。
 
しかしそれでも芸能事務所対抗という色は損なわず、アーティスト“ゴールデンボンバー”や、芸人“アメリカザリガニ”、アイドル“矢口真里”、グラビアアイドル“倉持由香”と豪勢な面々が並んだ大会となっていた。
 
eスポーツスターリーグ eスポーツバトルチャンピオンシップ#1公式サイト
 

このように、現在esportsというコンテンツはゲーム業界を飛び出し、さまざまな方面から注目を集める産業として成長しつつある。

果たして2018年で日本esports市場はどのような成長を見せるのか、今後も注目し、応援していきたい。