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プロゲーマーの生きざまを描いたドキュメンタリー映画『リビング ザ ゲーム』合津監督&梅原大吾氏のトークショーをリポート

2018年3月3日、東京都渋谷のシアター・イメージフォーラムにて、映画『リビング ザ ゲーム』 がロードショー。上映後に実施された、合津貴雄監督と梅原大吾氏によるトークイベントをリポートする。

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『リビング ザ ゲーム』は、全世界で注目を集めている“プロゲーマー”に焦点をあて、『ストリートファイター』シリーズでプロとして戦うプレイヤーの歓喜と苦悩を追った作品。
ここで言うプロゲーマーとは、人前でゲームする姿を見せることを生業とする選手たちのこと。彼らはゲーム関連企業などをスポンサーとし、世界各地で実施されるゲーム大会を転戦して賞金を獲得する。試合の模様は世界中にストリーミング配信され、大会会場では観客が熱狂。スタープレイヤーやカリスマ的な選手たちが光を浴びる世界だ。
プロゲーマーは、いまだ大人たちから理解されない職業ゆえ、つねに社会の白い目とも闘う。葛藤しながらも格闘ゲームに生きる彼らは、果たして時代の寵児か、それともはみ出し者か。プロゲーマーたちの光と影に密着したニューエイジ・ドキュメンタリーとなっている。

そんな本作が2018年3月3日、渋谷のシアター・イメージフォーラムにてロードショー。全国順次公開の運びとなった。

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初回公演となるシアター・イメージフォーラムの21時の回には、多くのファンが来場。席は満席となり、立ち見客も現れる人気回となっていた。

本編はウメハラとももちを中心にスポットがあてられており、国内外を戦場とする彼らに密着。プロとして大会に挑む際の心境や表情、戦い終わっての生の声など、競技シーンに真剣に挑む姿が大きく扱われた。加えて同じゲームで腕を競い合うプレイヤーどうしの関係や、プロゲーマーとしての有り様や心構えにもフィーチャー。ももちに関しては、パートナーのチョコブランカとともに歩いてきた歴史に触れられ、仕事量の変化や将来への不安が語られるなど、仕事現場を離れた素顔が垣間見られた。
またアメリカのジャスティン・ウォンや台湾のゲーマービーにもスポットを当て、海外と日本のプロゲーマーの違いにも触れる。海外では家庭環境に恵まれない中で腕を磨いてきたプレイヤーが賞金を目指してゲームを続けるなど、選手の来歴に関する興味深い内容が表現される内容となっていた。

88分の上映が終了すると、スタッフの案内で梅原氏と合津監督がスクリーン前に登場。本作品について30分ほどのトークショーを披露した。

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梅原氏
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合津監督
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梅原氏トークショー

まずは梅原氏が作品を改めて見直してみての感想をコメントした。2年近くの長期に渡る密着取材の間は、撮影班が細かく素材を集めていたことを挙げ、「迷走してるんじゃないかと思っていた(笑)」と話して場内の笑いを誘った。合津監督によると、本作では「ウメハラさんが産まれたときからすべてを聞かせてください」という内容で素材を集めていたとのことだ。

続いて合津監督から梅原選手に「いまはどのプレイヤーに興味を持っているのか?」と質問。梅原氏は自身のまわりが家庭環境に余裕がある人が多かったが、海外には苦労している選手が多いことに言及。本編ではゲーマービー選手が「生活の安定は大切」と言っていたことを挙げ、「ゲーマービー選手のシビアで遊びがないプレイスタイルと結びついた」とコメント。プレイの見方を変えれば「“この選手にはそういう背景があるのかな”と思えるようになりますね」と語った。

続いては、合津監督がももちにスポットを当てた理由を公表。合津監督がいろいろなプレイヤーに梅原氏をどう思うか聞いてみたところ、多くの選手は「越えられない」と答える中、ももちだけは「倒さなきゃどうしようもない」という答えが返ってきたため、ももちに出演を依頼したのだという。そして梅原氏が作中で「特定のライバルはいない」と発言していたことに触れ、いまはどう思っているかを質問した。
梅原選手は「変わらない」と返答。競技シーンでは年々活躍するプレイヤーが移り変わり、一回勝っただけでは“伝説”にはなれないという。何年も勝ち続けたら本物だが、どの選手も現実にはそういうわけにはいかず、特定のライバルは考えていないとのことだ。

つぎは合津監督が梅原選手の弱点を質問。梅原選手は「人には平坦で速いタイプと、山道で力を発揮するタイプの2種類がある」と語る。新しいゲームでは、色々なものを吸収していく期間を平坦な道にたとえ、ゲーマーとしての自身は平坦な道の間は苦手とのこと。まわりの環境に恵まれているため多くの人よりは強いが、トップには追いつけないのだという。吸収するものが出尽くした後、自ら戦術を生み出す“山道”の区間は得意なものの、平坦な道から脱するのは年単位で時間がかかるため、その点がゲーマーとしての自身の弱点と説明した。

最後は合津監督がプロライセンス制度に触れ、ゲーム業界がどんどんクリーンな方向で拡大している現状をどう思うかを梅原氏に質問。
ここでは梅原氏は、過去に通っていたラーメン屋を例に挙げる。その店はテーブルは小汚く、健康に悪そうな味だが、梅原氏はそれが好みで通っていたという。しかし店の情報が口コミで広がり、やがて女性客も来店するようになると、味もマイルドになってしまう。その後はやはり昔からの常連客は居なくなってしまったのだそうだ。
その店は発展したことに違いは無いのだが、古くからの客にとっては居心地が悪くなってしまう。ゲームの世界もその流れと同様の印象があるという。梅原氏にとってゲームは“これしかない”という仕事であり、「汚れているテーブルもあると嬉しいですね(笑)」とコメントしてトークショーを締めくくった。

しめ

シアター・イメージフォーラムでは下記の日程で上映とゲスト登壇が予定されている。格闘ゲームファンはぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

3月3日 21:00の回・上映後 【登壇者】合津貴雄 監督/梅原大吾
3月4日 21:00の回・上映後 【登壇者】合津貴雄 監督/ももち
3月9日 21:00の回・上映後 【登壇者】合津貴雄 監督/チョコブランカ
3月10日 21:00 の回・上映後 【登壇者】合津貴雄 監督/松江哲明 監督

※リビング ザ ゲーム公式サイト

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