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“TOPANGA就活準備講座”が実施! 多業種のゲーム業界人が働きかたや生きかたを講演

2018年2月25日、東京都中野にて、就活生向けの講座イベント“TOPANGA就活準備講座”が実施された。本稿では、その模様をリポートする。

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本講座は、格闘ゲームを中心にゲームの社会的地位の向上を目指す会社“TOPANGA”が主催するイベント。就職活動前の学生をおもな対象とし、働きかたや生きかたを考える際の参考になることを目的として開催された準備講座だ。

会場となったのは中野に新たに開設されたばかりの“Red Bull Gaming Sphere Tokyo”。ステージにはゲームメーカー、ゲームメディア、プロゲーマーなどのゲーム業界人が登場。それぞれの業界や業種についてのトークや、職種の適性検査に関する動画が披露される内容となっていた。本稿では、その内容をリポートする。

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スマホゲームメーカーのPONOSが席を構えて同社のステッカーを配布していた。
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レッドブルは同社の協賛イベントでおなじみのレッドブル無料配布を実施。
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参加者は私服での来場が推奨。就活と名の付く講座ではあるものの、リラックスして講演を聞ける雰囲気となっていた。

講座のプログラムは大きく以下の3種類。

業界・職種紹介:6社の企業の各代表者による、ゲーム会社のビジネスと働き方紹介。
ムービー:ウメハラ選手、ボンちゃん選手、マゴ選手のプロゲーマー3名によるSPI性格検査の動画上映。
対談:プロゲーマーのときど選手とネモ選手にスクウェア・エニックスの横田氏を加えた3名によるトーク。

講座は1日に2回公演となっており、2回目の開演時間16時にはMC席にハメコ。さんと鈴木美咲さんが登場。本イベントの趣旨を説明した後、まずは業界・職種紹介からスタートとなった。

ゲーム業界の6社から代表者が登壇

今回の講座にはゲーム業界の多業種の企業6社から代表者が来場。ステージ上の大型モニタにスライドを表示しつつ、それぞれのビジネス内容や働きかたなどを紹介した。

サイバーエージェント
大型ゲーム大会“RAGE”の主催や動画配信プラットフォーム“OPENREC”などを手がけるサイバーエージェントからは3名の代表者が登壇。“e-sportsとメディアビジネス”をテーマとし、e-sports事業に力を入れている理由や仕事の面白さなどを紹介した。

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サイバーエージェント代表者3名。左からOPENREC事業部取締役・青村陽介氏、RAGEプロデューサー・大友真吾氏、AbemaTV ウルトラゲームスチャンネル プロデューサー・竹原康友氏。
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青村氏によると、OPENREC立ち上げ当時はesportsが未成熟だったため、進んで手を入れて成功させてみたいという思いからesportsに注力するようになったとのこと。
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大友氏は仕事の面白さについて、RAGEは達成感が何物にも代えがたいと語る。選手のプレイを見て鳥肌がたつような経験ができることが仕事の面白さだとコメントした。

PONOS
スマートフォンゲームの開発で知られるPONOSからは大江戸開発部部長の板垣護氏が登壇。新作スマホゲーム『FIGHTCLUB』ができるまでの流れや、競技シーンで活躍するゲーマー社員の仕事の携わり方などを紹介した。

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『FIGHTCLUB』ができるまでの行程をスライドに表示。開発に携わる人の役割や移り変わりを解説した。
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ゲーマー社員はゲーム開発においてプランナーや広報の役割を果たせる例を紹介。多くの注目が集まる大型大会で活躍するゲーマー社員は広報としての価値が高いそうだ。

4Gamer.net
ゲーム系WEBメディアの4Gamer.netからは社長兼編集長の岡田和久氏が登壇。テーマを“メディアのお仕事なんでもお答えします”とし、来場者との質疑応答を披露した。
来場者から「4Gamer.netにどれぐらいの編集者やライターがいて、どういう流れで記事ができるかを教えて欲しい」という質問に対し、岡田氏は「編集者は全体で20名。編集者が執筆をライターに依頼して、原稿として上がってきたものを編集者と社内校正がチェックした後に記事としてアップしています。また業界内の“政治”的にヤバそうな案件は編集長のチェックを挟んでいますね」と返答。メディアの業務形態を分かりやすく解説した。
また「esportsの定義は何ですか?」との問いに対しては、「esportsはこれからふたつの路線に別れていくと思います。ひとつは『リーグ・オブ・レジェンド』のようにひたすら競技を突き詰めていく方向。もうひとつは格闘ゲームのように見せて楽しませる方向です」とコメントした。

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スクウェア・エニックス
大手ゲームメーカーのスクウェア・エニックスからは第7ビジネス・ディビジョンプロデューサー/マネージャーの門井信樹氏が登壇。近年のゲームの市場規模はスマホ関連を中心に大きく伸びたが、そろそろ規模の成長は行き詰まってきていると解説する門井氏は、スライドを用いて“ゲームの視聴率”をテーマとした仕事内容を紹介した。

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門井氏はゲーム観戦に特化したカフェを池袋に開設したり、テレビ東京と協力して“勇者ああああ”という番組を立ち上げたりなど、メディアに近い仕事をしているとのこと。
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音楽業界はCD販売が苦境になった後に、ライブなどの興行に力を入れてきた例を紹介。野球観戦では4万人がスタジアムに訪れるという容量を挙げ、興行にはここまでの伸びしろがあることをアピールした。

デジタルハーツ
発売前のゲームをテストプレイして問題点を見つけ出す“デバッグ”業務を主とするデジタルハーツからは、人材戦略部の鬼塚直輝氏が登壇。モニタに動画を上映して国内外に部署を構えるデジタルハーツの展開を紹介し、テストプレイでゲームに関わることの意義や魅力を解説した。

でじたる1デバッグ事業は、どのクライアントと付き合いがあってどのゲームに携わっているかは公言できない裏方の仕事。ユーザー目線でリリース前のゲームに触ることができる点がテストプレイの魅力と語る。
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全国に部署を構えるデジタルハーツは“あってはならないものを見つける、無くてはならない会社”。esportsにおいても影から支えられる会社を目指しているという。

カプコン
大手ゲームメーカーのカプコンからは、『ストリートファイター』プロモーションプロデューサーの綾野智章氏が登壇。綾野氏は自身の大学時代からカプコンに入社するまでのエピソードをトーク。加えて綾野氏がカプコンのエントリーシートに必要事項を記載した記入例を提示し、人事部からの評価コメントを添えてエントリーシートのポイントを解説した。

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綾野氏は大学時代は建築学科に在籍していたものの自作アニメ・ゲームに没頭。卒業制作では“宇宙建築”をテーマに、プリングルスをスペースコロニーに見立てて提出したことを話すなど、笑いを誘う明るい雰囲気のステージとなっていた。
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エントリーシートの解説ではひとつひとつの項目に実践的な記入例を紹介。人事部からの具体的なアドバイスも提示され、大いに就活生の参考になっていたようだ。

SPI性格検査

各企業のステージの合間には、ウメハラ選手&マゴ選手&ボンちゃん選手によるSPI性格検査の動画が上映された。SPI性格検査とは、多くの企業で採用されている職業適性テストのこと。動画ではゲームを仕事にする3名が性格を分析し、それぞれが向いてる職種の検査結果が示される流れとなっていた。

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動画に出演の3名。左からボンちゃん選手、マゴ選手、ウメハラ選手。
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まずは3名がそれぞれ性格を自己評価。挑戦⇔確実、協調⇔自立のマップ内で自らの位置をポインティングした。
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テストは質問に対して3段階のひとつを選択して答える方式。
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ボンちゃん選手の診断結果。
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マゴ選手の診断結果。
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ウメハラ選手の診断結果。
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マップ内の評価はそれぞれ自己評価と近い結果に。
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最後に検査結果のまとめを表示。3名は「テストを受けるだけで向いている職業まで教えてくれるので是非やってみて欲しい」とコメント。リクナビに無料登録するとテストが利用可能となる旨を案内した。

対談

最後のプログラムはプロゲーマーのネモ選手&ときど選手と、ニンテンドー3DS版『ドラゴンクエストXI』のプロデューサーを務めたスクウェア・エニックスの横田氏の3名による対談。ステージ上にて“ゲームと共に生きる、働く”ことをテーマにしたトークを披露した。

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左からネモ選手、ときど選手、横田氏。ときど選手と横田氏は中高の同級生なのだそうだ。

最初の話題は3名がそれぞれいまの職種を選択した時期について。

ときど選手は大学在籍中に、周囲が就活に向けて動き始めるのを他人事のように感じていたという。ときど選手自身が公務員方面に就活した経験を踏まえ、早めに準備しておいた方が就活に向かう流れに驚かなかっただろうと語る。

現在スクウェア・エニックスに在籍する兼業プロゲーマーのネモ選手は、大学時代は将来のことはあまり考えていなかったが、親から卒業後の進路を問われて就職を意識しだしたとのこと。就活にあたり周囲に「ゲーム業界ってどう?」といった質問をしてみたところ、「忙しいからゲームが嫌いになるかもしれない。ヤメておいたほうがいい」といった反応を受け、一般企業に就職してゲームで活躍してもいいと決意。そしてシステムエンジニアとして働き出したそうだ。
横田氏は中高では成績上位をキープしていたものの、ある時期にMMORPGにドハマリして成績を落とし、第一志望の大学に入れなかったという経験を語る。加えて、大学よりも中高時代の方が周囲に面白い人間がたくさん居たため、大学を3年で中退してスクウェア・エニックスに入社したのだそうだ。

3名はそれぞれの道を選んだことに関して、好きなことを仕事にすることが良いか悪いかは微妙な問題であり、あえて好きな業種に就かないという例はゲーム業界に限らず存在することに言及。ときど選手は父親が歯医者の資格を持っているものの「歯医者にはならないほうがいい」とアドバイスされたことなどを語り、職の選択と趣味についての慎重な考え方を示した。

続いてネモ選手は「専門学校に行くのであれば、就職して給料をもらいながら仕事を覚えていった方がいい」とアドバイスされた経験をトーク。横田氏は「やってみるまで実感は掴めないため、思い切ってやりはじめることは大事」と付け加えた。

ここでときど選手が横田氏へ「スクエニに入社してからはどうだったの?」と質問。横田氏は、予想していた仕事環境と違うという理由で辞めていく人はいたものの、どんな仕事でも絶対に陰の部分はあるため、自分の仕事が嫌になることはなかったそうだ。ネモ選手も大学卒業後に就職した会社で人間関係に恵まれ、仕事が嫌になることは無かったという。ときど選手はゲームに対する取り組み方について先輩に意見をもらって助けられた経験を話し、プロゲーマーが嫌になることは避けられたとのこと。3名とも、働く上では近しい人の理解を得られることは特に好条件と考えていることを話した。

続いてはネモ選手が兼業プロとしてのスタンスをトーク。ネモ選手はゲーマーとしての腕に自信はあるものの、プロゲーマーはセカンドキャリアなどの例が少なく、将来が不安なため兼業というスタンスをとっているとのこと。プロゲーマーの在り方として、兼業という道もあることを見せて他のプレイヤーもゲーム業界に引き込みたいという思いがあるそうだ。ときど選手と横田氏はネモ選手のスタンスに賛同。兼業がうまく行けば実業団形式のプロゲーマーが増えていく可能性に触れ、安心してゲームに打ち込めるようになる環境を歓迎する考えを示した。

そんなネモ選手に対して、専業プロゲーマーのときど選手はあまり将来のことは考えられないのだという。専業プロゲーマーとしての生き方がどうなるかはやってみなければわからないから、踏み出してみるのも大事だとして専業のスタンスをとっているとのことだ。

対談の最後には、3名それぞれの就活時の考え方の話題に。
横田氏は、リスクを危ぶんで何もしないよりは踏み出してみるべきであり、“思ったのにやらなかった”ということが一番NGだと語る。例え失敗したとしても、失敗したという結果を出すのは大切なことだと思うとのことだ。ネモ選手は大学の就活課にてエントリーシートの書き方やオススメ企業を教えて貰った経験を踏まえ、周りに相談してみることが特に大事であると強調。ときど選手は自身の就活時が自分を知る時期だったと語り、就活は自分をみつめる機会でもあるためしっかり取り組んで欲しいと来場者にアドバイスして対談を締めくくった。

以上で本イベントの全てのプログラムが終了。このイベント模様はストリーミングサイトで生放送が実施されており、サイト上にアーカイブが残されているためこちらも合わせてチェックして欲しい。

イベント模様生放送タイムシフト

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